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ドローンにヒモ付けば凧? 「Fotokite」が海外で話題になる理由

2015年12月29日 12時00分更新

 11月30日に発売した「週刊アスキー 特別編集 冬の超お買物特大号」を記念し、編集部員やゆかりのあるライター・有識者に「いま、ほしいもの」を聞く本企画。ラストを飾るのは角川アスキー総合研究所 取締役主席研究員の遠藤 諭氏だ。

 遠藤氏のほしいものはこちら。

 写真でおおまかにはわかるが、これは一体なんなのか、なぜ遠藤氏はこれがほしいのか、聞いてみた。

迫力のないドローンだから魅力

 こいつの名前である“フォトカイトPhi”(Fotokite)を直訳すると“写真凧”。実際は、見てもわかるとおり“GoProをのせて飛ぶヒモ付き空撮用ドローン”ですけどね。

 海外ニュースで話題になったし、“TED”でも創業者がデモンストレーションしたのでご存知の方も少なくないでしょう(関連サイト)。この秋には、クアルコム・ベンチャーズ主催のコンテスト“QPriz”で優勝して25万ドルを獲得したそうです。

 “凧”で空撮といえば、世の中には“KAP”(Kite Aerial Photography=凧空撮)というジャンルがあって、ASCII.JPでも行正 和義さんによる記事が掲載されてます(関連記事)。これを見ると、ほとんどDJI Phantom 3で撮影したかのような雄大な空撮ができてしまっていますが、フォトカイトの場合は、ワイヤーの長さ8メートル。ビルの1フロアはだいたい4メートルなので、2階くらいの高さからしか撮影できないことになります。

 こう書くと「なんだその程度?」といわれてしまいそうですが、その“迫力のなさ”がこいつの価値だと思います。専用の筒状のコンテナからスポッと抜き出してパッと開いたらもう飛ばせている。飛行時間は、8~10分。GoProは斜め下を向いてマウントされるので“究極の自撮り棒”ならぬ“自撮りドローン”という感じかもしれません。

 多くのドローンメーカーが、画像認識をもとにした“フォローミー”(自動追尾撮影)機能、撮影対象を中心に円形に回って撮影する“ポイント・オブ・インタレスト”機能などを入れてきています。しかし、こいつの場合は、それら最新のドローンに比べて少なくとも行方不明になることがまずないという優位点があります(このクラスの小さいドローンほど風でどこかいってしまうことがありますよね=>ジャイアン鈴木さま)。

 日本では2015年12月10日から改正航空法が施行され、無人機は、人口密集地域や夜間での飛行禁止などがうたわれました。しかし、このフォトカイトなら、フランスやスイスでは人が集まったところでも飛ばしてよいという話になっているようです。いざとなれば、シュルシュルと手元に引き戻してくればいいので飛ばすほうとしても安心。

 このフォトカイトPhi、米国のクラウドファンディング“Indiegogo”に出ていて、私も、購入予約をして2016年早めの発売というのを待っているところ。“ほしい”というか、正確には“すぐに手に入れたい”ということですね。クラウドファンディングというのが気になるところですが、ドローンにヒモ付けるだけなので順調に仕上がってきているように見えます。お値段も299ドルとリーズナブルといえるでしょう。

 さて、空撮もその一部なのですが、オヤジどもはなぜカメラに懲りだすのかについて一言いわせてください(なんぜこんないらないっぽいものを買ってしまうのかの言い訳)。

 それは“世界を違った視点で見直してみたいから”ではないというのが、私の持論です。たった1枚のレンズで、あるいはカメラの違いやアングルの違いで、同じ世界がまったく違った風景で見えてくる。それを脳の中で処理して比較する楽しさ。オヤジとして世界を見てきたけど、真実というのは1つのなかどうか? というわけで、いまいちばんワクワクで「ほしい」と思っているのが、フォトカイトPhiでした。

遠藤 諭(えんどうさとし)

角川アスキー総合研究所 取締役主席研究員。1990年~2002年まで月刊アスキー編集長、その後、株式会社アスキー取締役などをへて2013年より現職。趣味は文房具作りと香港・台湾などのアジア旅行、月1回東京カレーニュースBARを開催している。『週刊アスキー』巻末連載「神は雲の中にあられる」のほかTokyo MXにて『週刊アスモノ』に出演中。



 今年、遠藤氏のようにワクワクできるものに出会うことはできただろうか? もしかしたらこの記事を読んでワクワクできた人もいるかもしれないし、ほかの記事を読んで興奮したこともあるだろう。まだ、まだ出会ってないという人もいることだろう。アスキーでは日々、注目のモノや新製品の記事を作っている。だから、これからもワクワクしたいという人はぜひ記事をチェックしていただきたい。また、ひさびさに発売した「週アス」ももちろん、ワクワクできる製品の情報を載せている。目にした際はぜひとも手に取ってみてほしい。

スマホも家電もPCもこの1冊で決まり
『週刊アスキー 特別編集 冬の超お買物特大号』


■収録特集例
「2016年今買うデジギア84」
「格安SIM&スマホ購入活用術」
「Windows10最強TIPS特選集」
「iPhone 6s&iOS 9徹底解説」など

■特別付録
「僕たちの大好きなLINEを256倍楽しくする本」

■判型:A4変
■ISBN:978-4-04-865631-3
■発売:2015年11月30日(月)
■定価:本体639円+税
■販売店:全国の書店、コンビニ、ネット書店など

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