週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

人間の指を電気で動かすウェアラブルデバイスだと……モーニングピッチスペシャルエディション2015

2015年12月17日 16時31分更新

もっと来い、日本のクレイジーな人たち

 最優秀賞を受賞したのは、EVベンチャーのテラモーターズだ。

 EVといってもテスラモーターズのような電気自動車ではなく、電気二輪車と電気三輪車をやっている日本企業。世界に誇る日本の電池技術を使って、新興国のEV市場を小さなマーケットからおさえてやろう、アジアのスクーター市場を排気量の少ない電動スクーターで塗り替えてやるんだという、まあ意気のいい会社だ。

 事業の面白さ、創業者・徳重徹代表のバイタリティあふれる活動から、業界では名前が知られていたのだが、話題のわりになかなか業績がふるわなかった。個人的にはイベントで名前を見るたびに大丈夫かいなと心配していた会社でもあった。

 しかし、いよいよ今年に入って結果がついてきたらしい。

 昨年の売上はわずか3億円だったが、今年は30億円と突如10倍になった。増収したのはバングラディシュやベトナムなどアジア市場。今では年間3万台ベースで売れているそうだ。最近はバングラディシュの10倍ほどの市場があるというインドを狙いはじめた段階で、2年後には年商300億円を目指すとぶちあげていた。

 受賞に際しては「野球界の野茂じゃないが、突破すれば『もっと俺たちできるじゃん』と思ってもらえるんじゃないか」という、おじさんたちに夢を与えるような言葉を残していた。メジャーがアジアにあるというのも今っぽい感じがする。

 セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ、Liquid、H2L、エルピクセル、テラモーターズ、SORABITO、アクセルスペース。7社はいずれも日本が世界に誇れるテクノロジーベンチャーだ。あらためて面白いところが多いものだと感心した。

 というのも、アジア・ヨーロッパのスタートアップイベントに行くと、なんとなく画一的な印象を受けることがある。ビーコンタグを使った見守りサービス、音声認識技術を使ったコミュニケーションロボット、先端技術を使ってはいるものの、あまりに“おりこう”すぎて、事業の本質が見えづらいところが多いのだ。

 オーディエンス(観客)賞をもらったH2Lの岩崎健一郎代表が「クレイジーなことばかりやっているので理解されないことも多い」と冗談を言っていたけど、スタートアップはやっぱりちょっとクレイジーなほうが魅力的だ。ほら、なでるとしゃべる抱き枕とか、うんこがいつ出るか予知するデバイスとか。

 これからも「ヤバい!」と叫んでしまうようなスタートアップが日本から出てきてくれるとうれしい。スタートアッパーのみなさんどうぞよろしく。


この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります