週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

iPhone用純正バッテリーケースの“不都合な膨らみ”

2015年12月15日 09時00分更新

 12月8日、突如としてアップルストアに登場した『iPhone 6s Smart Battery Case』が大きな話題を集めています。特に熱い視線を浴びているのが、背面にコブのように盛り上がった“不都合な膨らみ”部分です。

アップルストアに登場した『iPhone 6s Smart Battery Case』。特にこの背面形状が注目を浴びている。

 その価格は1万1800円(税別)と、安価なSIMフリースマホが買えるくらいの高さであることに悩みつつも、さっそく筆者も買ってきました。

バッテリー駆動時間が難点だったiPhone 6/6s

 iPhoneユーザーに共通の悩みが、バッテリー駆動時間です。特に、発売から1年以上が経過し、そろそろバッテリーの劣化が始まるiPhone 6や、小型が好きでiPhone 5sを使い続けている人にとって、切実な問題といえるでしょう。

 iPhoneの良いところは、これに対するソリューションも無数に提供されていることです。飲み会に行けば、丸一日使い込んでバッテリーが消耗したiPhoneを、モバイルバッテリーやバッテリー付きケースで充電している人をよく見かけます。

 そしてついに、アップル純正のアクセサリーとしてバッテリーケースが登場しました。このケースを装着するだけでiPhone 6/6sのバッテリー駆動時間は約1.8倍に伸び、丸一日の利用にも十分耐えられるようになるはずです。ただ気になるのは、たいへん不都合な膨らみが背面にあるという点です。

 実際に持ってみると、この膨らみはそれほど気になるものではありません。むしろ、持ちやすいと感じるほどです。いかにアップルといえどもバッテリーを魔法のように小型化することはできず、調達できる部品は他の端末メーカーやサードパーティとほぼ同等と考えられます。その中では、比較的使い勝手の良いデザインといえます。

”不都合な膨らみ”は、バッテリーを増設する上で仕方ないところ。手に取ってみると持ちやすく、使い勝手を含めたデザインとして妥当なところだろう。

 むしろ気になるのは、バッテリーケースを装着したiPhoneを正面から見たビジュアルです。端末のフットプリントに占める画面の割合が小さくなり、10年前のPDAのような印象を受けるほどです。

話題のケース『iPhone 6s Smart Battery Case』を装着した状態。背面よりも、正面から見たほうがイマイチだと筆者は感じる。

ヘッドフォンジャックにも注意したい。バッテリーケース下部に穴が開いているだけなので、この穴より太いケーブルを使おうとするとiPhoneまで届かないのだ。

残量チェックやiPhoneとケースの同時充電など、使い勝手に優れる

 いくつか難点はあるものの、機能的には優れている点もあります。バッテリー残量は、iPhone本体とバッテリーケースの状態を個別に確認できる機能が加わっています。これは純正品ならではの機能といえます。

iPhone本体とバッテリーケースの残量が両方分かる。Lightningケーブルをつないだ状態では、両方同時に充電される。

 iPhoneにケースを装着した状態でLightningケーブルを接続すると、iPhone本体とバッテリーケースを両方同時に充電できます。バッテリーケースの入力電流は2.4A、出力は1Aとなっているため、iPad用やANKER製など2.4A出力に対応したUSB充電器を使うことで並列で充電できるようになっています。

バッテリー単体でも充電できる。microUSBケーブルを別に用意する必要がなく、Lightningケーブル1本でオーケー。

iPhoneを使いながら充電したい人に最適

 もちろん、高価なSmart Battery Caseを買わずともiPhone 6/6sを出先で充電するソリューションはたくさん存在します。しかしポケットの中にiPhoneとモバイルバッテリーを入れ、さらにケーブルでつないだ状態は、あまりスマートとはいえません。

 筆者の場合、日本から海外への移動などでは飛行機を乗り換えながら24時間以上移動し続けることもあります。どこかで充電したくとも、エコノミーの座席が続いて電源を取れない場合、これまではモバイルバッテリーに頼る必要がありました。

 しかしSmart Battery Caseなら、多少不格好になるとはいえ、iPhoneを使いながら充電できる、追加の燃料タンクのように機能します。届きそうで届かないヘッドフォンジャックの穴には改善を期待したいものの、基本的な使い勝手には優れており、安心して購入できる製品といえるでしょう。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事