世界的にPCゲーミングが盛り上がる中で、Windows 10のゲーム関連機能も注目を浴びています。11月27日に日本マイクロソフトは「Windows 10 Game Day」イベントを開催し、Windows 10とゲームについての最新状況を公開しました。
イベントでは、まず日本マイクロソフトの高橋美波氏がWindows 10について解説。日本語版Cortanaを含む“November Update”をリリースしたことで、家電量販店のPCも9割以上がWindows 10になっていることなどをアピールしました。
Windows 10とXbox Oneの組み合わせで面白いのが、ゲームをストリーミングプレイするという機能です。Xbox Oneをリビングに置いている場合、家族にテレビを占有されていると遊べない場合があります。
しかしストリーミングプレイなら、リビングのXbox Oneを自室にあるWindows 10 PCで遊ぶことが可能。必要な回線の帯域も4Mbps程度(フルHD画質の場合)と、家庭内ならまったく問題ない速度といえます。
もうひとつ興味深いのは、ゲームの録画に対応したという点です。これまでゲームを録画するには、映像出力をレコーダーやPCなどに接続する必要がありました。これに対して『Game DVR』は、録画を標準サポート。さらに“バックグラウンド録画”として、最大10分間さかのぼって録画できる機能も用意されています。
さらに今後は、CortanaもXbox Oneに搭載され、ゲームのアドバイスなどができるようになるとのこと。パッドを持って両手がふさがっている状況は、音声認識によるコミュニケーションに打ってつけといえます。
現時点で日本語版のCortanaにはあまりパッとした機能がないものの、日本マイクロソフトは「人工知能として育成中」としており、ゲームに役立つエージェント的な存在に育つ可能性も秘めています。
海外に比べてeスポーツの普及が遅れる日本
このようにWindows 10とXbox Oneの組み合わせは機能的に面白いものの、どうしても海外と比べると、日本におけるPCゲームは盛り上がりに欠けているように感じます。
海外ではPCゲーミングが盛り上がっており、競技としてゲームをプレイするプロゲーマーも増えており、“eスポーツ”がスポーツの一種として認知度も上がっています。9月に開催されたドイツ・ベルリンのIFA 2015では、PCメーカーの発表会の半分をゲーミングが占めており、何人ものプロゲーマーが製品をアピールしていました。
IFA 2015におけるAcerやASUS、インテルなどの発表ではゲーミングの比重が高く、スポンサーシップ契約を結んだプロゲーマーも登場していた
たしかに日本マイクロソフトのイベントでは、ツクモを運営するProject Whiteが日本のeスポーツチーム“DetonatioN”をサポートしていることをアピール。マウスコンピューターもG-Tuneのeスポーツモデルを紹介するなど、少しずつ認知度が上がっていることはうかがえます。
日本マイクロソフトによるGame Dayのイベントは、これまでPCゲームが好きだった人向けという印象が強く、新たなユーザー層を拡大したり、eスポーツを盛り上げようという視点はあまりなかったのが残念なところです。
モバイルゲームとの連携にも期待
イベント時点ではWindows 10 Mobile端末の発売直前だったこともあり、モバイルの話は語られなかったものの、モバイル向けのゲームにも期待したいところです。
11月30日には、“Continuum for Phones”への対応を予定しているNuAns NEOが発表されました。自宅では外部ディスプレイでゲームをプレイし、スマホ本体を外に持ち出せば、電車の中で続きを遊ぶ、といったことも可能になりそうです。外部ディスプレイへの接続はLumia 950のような有線ではなく、Miracastによる無線のため遅延は気になるものの、実現すればモバイルゲームの楽しみ方を変える可能性があります。
端末メーカーの間では主に法人需要が期待されていたWindows 10 Mobileですが、日本マイクロソフトは「NuAns NEOならコンシューマー向けにも訴求できる」と見込んでいるとのこと。この流れが本格化すれば、Windows 10 Mobile対応のゲーム開発にもつながっていくのではないでしょうか。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります