iPad Proが華々しくデビューした9月のアップルの発表会で、ひっそりとラインアップに加わったのが「iPad mini 4」です。すでに日本でも販売されているiPad mini 4は、意外にも大きなアップデートとして絶賛されています。
今回、筆者はそんなiPad mini 4の「米国版」を入手しました。前モデルでは、米国版は技適マークがあり、かつシャッター音を消すことができるという最強仕様でした。さっそくレビューしましょう。
使用感は「iPad Air 2」並みにサクサク
海外のデバイスとして気になる日本語対応は、iOSなのでまったく問題なし。世界のどこで買っても確実に日本語化できる安心感があります。技適マークも前モデル同様、ソフトウエア上で表示可能。日本国内でも安全にLTEやWi-Fi、Bluetoothの通信を利用できます。
電源を入れて最初に気づくのは、画面が綺麗という点です。iPad mini 4は、アップルがいうところの「フルラミネーションディスプレイ」に対応しています。これはいわゆるダイレクトボンディング技術で、画面ガラスとタッチパネル、液晶を隙間なく実装したもの。
この技術を採用したiPad Air 2に比べ、iPad mini 3は画面がやや色あせて見えていましたが、mini 4でついに改善されました。
プロセッサーは「A8」に、メモリーは2GBにそれぞれ強化され、レスポンスが向上しています。アップルの基調講演にも登場したゲーム「Crossy Road」では、iPad mini 3より起動時間が2秒ほど速くなり、ゲーム中も描画に引っ掛かりがなくなるなど、iPad Air 2に匹敵するサクサクした操作感を得られました。
iPad mini 4では、iOS 9のマルチタスク機能により、iPad Air 2と同じ画面を分割した複数アプリの同時実行に対応します。ただ、さすがに画面が狭いので、iPad Air 2よりも使い方は限定されそうです。
薄型軽量化は体感できるレベル
ただしわずかに大きい
薄型軽量化はどうでしょうか。iPad mini 4は、6.1mmと手に持っただけですぐにわかるほど薄くなっています。重さも289.9gと10%以上軽くなり、ケースの有り無しと同じくらいの違いがあります(iPad mini 3は薄さ7.5mm、重さ331g)。
ただ、薄型化したせいで気付きにくいものの、iPad mini 4の外形寸法は長辺方向に3.2mm、短辺方向に0.1mm大きくなっています。これまでのiPad mini用のケースは流用できない可能性が高く、注意が必要です。
米国版ならではの特徴は?
ここまでは日本版のiPad mini 4でも同じです。さらに米国版は、シャッター音を消すことができるのがポイントです。
iPad mini 4では、iPad mini 3まで本体側面にあった「消音」スイッチが廃止されました。代わりに、画面下部から引っぱり出すコントロールセンター内のボタンで切り替えるようになっています。
米国版は、この消音モードを有効にすることで、カメラのシャッター音も消えます。このとき、カメラだけでなく画面キャプチャー時のシャッター音も消せます。仕事で画面キャプチャーをよく使う人にとって、周囲を気にせずキャプチャーできるのはとても便利です。
なお、一部のAndroid端末では日本のSIMカードを入れることでシャッター音が鳴るものもありますが、iPad mini 4にドコモやauのSIMカードを入れても特に変化はありませんでした。
米国版のもうひとつの特徴が、「Apple SIM」です。iPad Air 2以降、米国で売られているセルラー版にはApple SIMが入っています。iOSの設定画面からキャリアのデータプランを契約すれば、そのまま3GやLTEのデータ通信が使えるようになります。
残念ながら日本国内のキャリアはこの仕組みに対応していないため、Apple SIMを使うことはできません。SIMフリーのため、日本のSIMカードは問題なく使えます。NTTドコモ系のSIMとして「FREETEL SIM for iPhone/iPad」、KDDI系のSIMとして「mineo」のauプラン、さらにソフトバンクのiPhone用SIMで、問題なくデータ通信ができました。
このようにiPad mini 4は、高速化や薄型軽量化により、まさに「iPad Air 2の小型版」にふさわしい存在に進化しています。その中でも、さらにシャッター音を消せる米国版こそ、最強の存在といえるのではないでしょうか。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります