週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

欧州350以上のスタートアップ企業が参加 CeBITは参加すべきイベントか?

2015年10月08日 10時30分更新

 2016年3月14日~18日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催される、世界最大のBtoBのIT展示会“CeBIT 2016”、日本のメディア、ジャーナリストを集めたプレスミーティングが2015年10月7日に都内で行なわれた。ドイツからドイツメッセのCeBIT担当営業本部長レインホールド・ウーミンガー氏と、CeBITカンファレンス担当部長トーマス・モッシュ氏が来日し、イベントの概要を説明してくれた。CeBIT 2016のテーマはデジタルとエコノミーを合わせた造語の“d!conomy(ディコノミー)”が2015年に続き使われる。デジタル化があらゆる分野に浸透し、継続的・長期的に経済、社会を変革化させる力を持つというメッセージが込められている。  

 CeBITはもともと、コンシューマー製品も含めた総合展示会だったが、2014年に内容をBtoBに限定、来場者もビジネス・商談に特化させた展示会となっている。BtoCよりも収益率の高いBtoBに特化することで、IoTを駆使した新たなる産業革命と呼ばれる“インダストリー4.0”を推し進めるドイツの政界、財界と足並みをそろえ、世界のICT市場をリードしようという狙いを見せている。経営陣の参加も多く、来場者は15万ユーロの投資予定を持って会場に訪れているというデータがあるという話しもしてくれた。ただかつては日本からも大手企業が参加していたが、2015年の日本からの出展は現地法人を含めて16社となっており、全体の出展が3300社でドイツ国外からの参加が45%という中で少しさみしい状況になっているのが現状だ。

 またスタートアップにも力を入れており、起業から5年以内の企業に対して出展費用を抑えたリーズナブルな特別ブースを用意するなどして、2015年は350社以上のスタートアップ企業が欧州中から参加するなど盛り上がりを見せている。スタートアップが既存の企業にコントタクトを取れるプラットフォームにすることを目的とする。スタートアップが専門に集まる11号館を“scale11”と名づけ、ほかのブース会場が18時で閉める中、夜も会場を開けていろいろなミーティングなどのプログラムも用意している。投資家や企業の経営陣を集めて、スタートアップがプレゼンを行なえる機会も用意する。実にスタートアップらしいといえる催しだが、はたしてCeBITは日本からもスタートアップ企業が参加すべきイベントなのか。

トーマス・モッシュ氏(左)、レインホールド・ウーミンガー氏

 トーマス・モッシュ氏によると「CeBITはBtoBに特化したカンファレンスで、BtoCでも出展はもちろん可能だが、BtoBを狙った企業に出てもらいたい。来場者はITの責任者及び専門家ばかり、欧州内でビジネスを狙っているようなスタートアップは成功の可能性があり、アジアのマーケットを狙ったBtoCは効果は少ない」と答える。同じドイツのIFAや、スタートアップの台頭も大きいアメリカのCSEなど、わかりやすいコンシューマー向けも含める大規模展示会と比べるとやや参加のハードルは高いと言えそうだ。ただ地域にとらわれないサービスを提供しており、BtoBで欧州、世界市場を狙い、そのハードルを超えても挑戦したいというスタートアップにはチャンスもありそうだ。

■関連サイト
CeBIT 2016

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります