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「そうだ難民しよう」 日本のイラスト、世界で批判の対象に

2015年10月05日 20時18分更新

 「何の苦労もなく生きたいように生きていきたい 他人の金で。そうだ難民しよう!」──。日本人作家によるイラストが、世界規模で議論を呼んでいる。

 イラストは9月上旬に、作家がFacebookにアップロードしたもの。

 8月末に起きた、トルコで溺死した難民男児が発見される事件があり、世界中の報道機関が写真つきでとりあげた。記憶している読者も多いだろう。

 作家はこの事件について、家族はもともとトルコ在住であり、政府援助を受け取るために母子家庭を装って難民申請をしていたのだという意見を書き、件のイラストをつけてFacebookに投稿した。

 この投稿自体にも賛否両論があったが、さらに投稿から数週間がたち、投稿以上に、過激なイラストそのものが侮辱的だという非難が集まりはじめた。

 やがて、イラストがもともと問題の事件と無関係の写真を描きうつしたもの(トレース)という指摘があったことも手伝い、非難が爆発。「ヘイトアートだ」「よくもこんなことが言える」と厳しい声がぶつけられるようになった。このイラストは、ブログやオンラインメディアなどを通じて世界規模でとりあげられるようになり、報道機関が作家を「レイシスト」(差別主義者)と批判する見出しをつけるなど、英語圏でも議論を呼んでいる。

 イラストの元になった写真はシリア国境付近のレバノンにある難民キャンプにいた6歳の少女。元になった写真を撮影したとする、写真家のジョナサン・ハイマス(Jonathan Hymas)氏はTwitterにNGO団体セーブ・ザ・チルドレンのために撮影したものだと、書いている

 ジョナサン・ハイマスは「無邪気な子供のイメージを選んでこんな邪悪な偏見を表現する人がいることに衝撃と深い悲しみをおぼえている」「窮状にあるシリア人に対する恥ずべき誤解だ」と悲しみをあらわしている。

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