慣れると病みつき、「Peek」と「Pop」
「3D Touch」の中でも、特に一覧表示されている項目の中身を簡単にのぞき見できる「Peek & Pop」の操作は、慣れると病みつきになる。軽くプレスする「Peek」と、少し深めにプレスする「Pop」だ。
実は、最初は「メール」や「写真」など、アップルの公式ページで紹介されているわずかなアプリしかこの機能に対応していないのではないかと思っていた。しかし、実際に試してみるとiOS 9に標準でついているアプリでは、この機能に非対応の方が珍しい。
「設定」や「計算機」などは、覗こうにも何を覗くんだという感じなので、非対応でも文句はないが、iTunes StoreやApp Storeなど「対応していてもよかったのでは?」というアプリもいくつかある(おそらくこれから対応するのだろう)。
だが、こうした非対応アプリは、かなり例外的で「Find iPhone」や「天気」など、それほど対応している必要を感じないアプリまでしっかりサポートしている。おそらくアップル規定の方法(規定のAPIで)で項目の一覧表示をしていれば、何も手を加えなくとも「Peek & Pop」に対応するようになっているのだろう。
「Taptic Engine」の、なんとも心地よい振動
「Peek & Pop」に限らず、「3D Touch」の操作に慣れてくると、画面をプレスするとすぐさま手に感じる「Taptic Engine」の、なんとも心地よい振動がくることに身も心も適応しきってしまう。たまに、一覧表示をしているにも関わらず「Peek & Pop」に対応していないアプリを見つけると、スイッチを押すつもりが間違って何もない壁を押してしまったかのような、物足りなさと残念さに襲われるほどだ。「Peek & Pop」に対応していないだけで、アプリが時代についてきていないような印象になり、同じアプリで対応しているものがあったら乗り換えたくすらなってしまうだろう。
おそらく、この「Taptic Engine」の反応の心地よさを求める形で、これからのアプリは否が応でも「3D Touch」に対応せざるを得なくなってくると思う(こればかりは、しばらく使ってみないとわからない)。
慣れると、コレなしには戻れない
とにかく便利な「Peek & Pop」の操作だが、この機能を特に便利に感じるのはWebページへのリンクやURLをプレスするとリンク先のWebページが覗き見れる機能だ。Safariでブラウジング中はもちろんだが、例えば「メモ」アプリに気になるURLをたくさん貼り付けておいて、そのひとつひとつをプレス操作で表示させることもできる。
メールや写真の「Peek & Pop」も便利だ。特定の写真やメールを探している時、「これかな?」と思う項目が複数見つかった場合、特に重宝する。
1個1個開いてしまうと、その後、一覧表に戻る操作が必要になってしまうが、「Peek & Pop」では、気になる項目をプレスして覗き見した後、パッと指を離せば、何事もなかったかのように一覧表示に戻ることができる。覗き見した未読メールは、指を離した後もちゃんと未読のままだ。今後、メッセージ系アプリなども「Peek & Pop」に対応してくれれば「既読スルー」などと言われることも減るかもしれない(その代わり、メッセージを未読のまま放置する人が増えるかもしれない)。
カメラでの撮影時も、左下に表示されるサムネールをプレスすれば、直前に撮った写真を「Peek」できるので、撮り逃したアイテムがないかなどすぐに確認でき、指を離せばすぐに撮影状態に戻ることができ便利だ。
これに加えて「3D Touch」は、ホーム画面においては、起動した直後のワンアクションを省略できるクイックアクセスの呼び出しにも利用できる。
例えば「リマインダー」では、どのリストかを選んで新規項目を作成したり、「メモ」では文字のメモ、写真のメモ、スケッチと呼ばれる手描きのメモのどれを作りたいかをメニューから選び、いきなりその状態で起動できる。「メッセージ」なら、最近やりとりした人の名前を選んで新規メッセージを作れるし、「電話」であれば、よく使う項目に登録した相手にホーム画面からいきなり電話をかけることができるのだ。
この機能にすっかり慣れた状態で、iPhone 6などの旧機種に戻るとかなりフラストレーションが溜まる。
それまでは「これが当たり前」と1通1通メールを開いては一覧表に戻り、状態を未読に戻したりといった操作を行なっていたが、「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」なら一瞬の指の動きでかなってしまう。
これはかなり画期的な機能で、今後、他のスマートフォンメーカーが、この機能にどのように対抗してくるのかは、かなり興味深い。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります