2020年02月13日09時00分

お腹もスマホも「同時にチャージ」、エースコックの無人ラーメン店が渋谷駅に

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2月14日にオープンするモッチッチステーション

バレンタインはラーメンだ!!

 エースコックの「モッチッチステーション」が、2020年2月14日~28日までの期間限定で、JR渋谷駅の山手線ホーム(外周り、恵比寿寄り)にオープンする。日本初のエキナカ無人ラーメンショップとなる。営業時間は、午前11時から午後8時。2020年2月28日までの平日および24日(祝振替)の11日間。土日は営業しない。

ラーメンモッチッチの「ワンタン麺」および「野菜タンメン」が入った専用棚

 キャッシュレス決済で「ラーメンモッチッチ ワンタン麺」および「ラーメンモッチッチ 野菜タンメン」を販売。店内で食べることもできる。価格は、店内飲食の場合は1個212円。持ち帰り2個セットは416円だ。

ラーメンモッチッチワンタン麺とラーメンモッチッチ野菜タンメン

 来店者には、エースコックのキャラクターである「こぶた」がデザインされたコルクコースター「こフタ」をプレゼントする。「こフタ」は、カップめんの蓋をおさえるウエイトとしても使用できる。

購入者にプレゼントされるコルクコースター「こフタ」

 無人店舗の運営には、日本マイクロソフトのMicrosoft Azureベースを活用した「Smart Store」ソリューションを活用。アイロボットの「ブラーバジェットm6」が、飲食後のテーブルを自動で拭き清掃する。また、イシダの計量ソリューションを活用し、計量をもとに決済したり、同社の「熱湯5分」タイマーシステムも利用して、食べごろを知らせる。

モッチッチステーションの内部

ロボット掃除機や指向性スピーカーを活用しフルオートに

 ラーメンモッチッチは、2019年10月から発売。エースコックが2017年から販売している「焼そばモッチッチ」の「もちもち真空仕立て麺」が持つ“独自の食感”が楽しめる新たなカップラーメンだ。焼そばモッチッチが女性を中心に人気となっていたのと同様に、女性を主要ターゲットに商品化。今回のキャンペーンでも、忙しい女性を主要な対象として、移動時間や仕事帰りなどのちょっとしたすき間時間に、体験してもらうことを狙っている。

 「日本マイクロソフトとアイロボットジャパンの最新テクノロジーとコラボレーションをすることで、忙しい女性のすき間時間に、ストレスのない、スマートな空間で、手軽なおいしさで満たされる喜びを提供したい」とのこと。

右下にある人感センサーで人がはたことを感知して説明を開始。また、一番棚の下に計測するセンサーが入っている
センサーの赤外線が靴にあたっていることがわかる
天井に設置された指向性スピーカー。目の前にいる人にだけ聞こえる

 モッチッチステーションに入店して、専用棚の前に立つと、棚の下に設置された人感センサーが反応。「いらっしゃいませ」という挨拶とともに、天井部に設置された指向性スピーカーから購入手順や、店内誘導のアナウンスが発せられる。一人だけにしか聞こえない指向性スピーカーを使用しているのは、ほかの来店者ができるだけ静かに食事ができるように配慮したものだという。

棚からラーメンモッチッチを取り出すように指示
ラーメンモッチッチを取り出して扉を閉める。どの位置から取り出しても大丈夫だ
取り出すとイシダの計量ソリューションで取り出した数を正確に表示

 2つの専用棚には、ラーメンモッチッチの「ワンタン麺」および「野菜タンメン」をそれぞれ50個ずつ用意。ラーメンモッチッチを取り出して扉を閉めるだけで、イシダの計量ソリューションで、減った量を計算して、何個取り出したのかを瞬時に計算。ディスプレーに数量と金額を表示する。購入者は、SuiCaやクレジットカードを使って、キャッシュレスで決済できる。

決済はSuiCaなどの交通系電子マネーやクレジットカードを利用できる
今回はSuiCaで決済した

きっちり5分のたべごろが分かる

 購入したラーメンモッチッチを持って、給湯カウンターに進むと、ここでも人感センサーによって、人が給湯カウンターに来たことを検知し、指向性スピーカーで手順を案内する。給湯コーナーでお湯を入れて、トレイの上に割り箸、飲料水とともに、ラーメンモッチッチを乗せて、食事ができるカウンターに移動する。

給湯カウンターの様子
購入したラーメンモッチッチにお湯を入れる
給湯器の下にセンサーが設置されており、使ったお湯の量をもとに、そこから5分の計測を開始。お湯が減るとバックヤードに伝える
給湯カウンターの割り箸やおしぼりも、重さから補充が必要なことをバックヤードの管理者に伝える
トレイに乗せて運ぶことができる
天井に設置された3Dカメラでお湯を入れた人がどの席に移動するかを追う

 このとき、ラーメンモッチッチにお湯を入れ終わった瞬間から、キッチリ5分間を計測する「熱湯5分」タイマーシステムが稼働。座ったカウンターの前に設置されたディスプレイに残り時間が表示され、おいしいタイミンクで食べることができるようにしている。

食事ができるカウンター
食事をするカウンターの好きな場所に座ると目の前のディスプレイに残り時間を表示する

 給湯カウンターで給湯している時点で、3Dセンサーによって人を認識。食事ができるカウンターのどの位置に座っても、自分がお湯を入れた時点からの残り時間が表示される。ここには、スリープシステムズの動線分析ツール「Moptar」が使用されている。

食べている間にスマホの充電も可能だ

 また、食べている最中には、Qi充電に対応しているスマホであれば、カウンターの上の充電マークの場所にスマホを置くだけで充電ができる。「お腹も、スマホも、同時にチャージできる」としている。

食べ終わったあとは「お掃除開始」ボタンを押せば、拭き掃除をしてくれる

 ラーメンモッチッチを食べ終わると、アイロボットの拭き掃除ロボット「ブラーバジェットm6」が、テーブルを自動拭き掃除し、飲食スペースを清潔に保ってくれる。食べ終わって、トレイを片づけたら、ディスプレイに表示される「お掃除開始」のボタンを押すだけでいい。2~3分をかけて念入りに掃除をしてくれる。

カウンターの奥から「ブラーバジェットm6」が登場
テーブルを自動拭き掃除してくれる

 また、開店前には、ロボット掃除機「ルンバi7+」が店内を自動清掃して、店内の床をきれいに掃除するといったことも行う。

交換補充のタイミングにクラウド技術をフル活用

 さらに、バックヤードとの連動も行っている。

 無人店舗内のラーメンモッチッチの専用棚や、給湯カウンターのお湯、割り箸、飲料水なども、イシダの計量ソリューションで残り数量をバックヤードのタブレットなどに表示。交換や補充のタイミングがわかる。

 この仕組みのベースとなっている日本マイクロソフトの「Smart Store」は、Microsoft Azureをベースに開発した流通小売業向けソリューションだ。

 リファレンスアーキテクチャーとして、決済機能などの業界共通の機能を提供するほか、複数のソリューションを柔軟に組み合わせることが可能であり、短期間にシステム稼働につなげられるのが特徴だ。モッチッチステーションの運用および管理システムも約1ヵ月で開発。Microsoft Azureと、イシダの計量ソリューションとの連携によって、店内備品の在庫管理やマーケティング分析をするのに加えて、ブラーバの動作においても、クラウド連携を行っている。

カップラーメンは技術のかたまり

 日本マイクロソフトでは、「今回の取り組みは、Smart Storeリファレンスアーキテクチャーを活用してもらえる貴重な機会。これを活用することで、短期間かつ低コストに、クラウドやAIを活用したインテリジェントな無人店舗を、これまで店舗ビジネスを手がけていないエースコックが開設できた。流通業界のインテリジェント化に向けた事例でもあり、ここで得たデータをもとに、将来的には商品開発などにも活用できる可能性がある。今後、小売業における新規ビジネスの開発などに役立ててもらえるように取り組む」と述べた。

取材対応中のエースコック村岡寛社長

 また、エースコックの村岡寛社長は、「カップラーメンは技術の固まりである。クラウドやロボット掃除機といった最新テクノロジーとコラボレーションすることによって、新たなカップラーメンを知ってもらう機会を作るとともに、新たなテクノロジーにも取り組む企業であることを訴求したいと考えた。今回の無人店舗は、社員が生んだアイデアである。感度の高い人たちに訪れてもらい、いままでにない店であることに驚いてもらい、新たな商品を食べてもらうきっかけにしたい」とした。

 また、「これまでにも、工場における品質管理にマイクロソフトのソリューションを活用したり、安定した商品づくりのためにイシダの計測ソリューションを活用している。今回の取り組みは、直営店への展開とは異なり、プロモーションのひとつに留まるものだが、新たなテクノロジーの活用例のひとつとして、今後に生かしていきたい」とした。

開店前には、ロボット掃除機「ルンバi7+」が店内を自動清掃する

 ちなみに、村岡社長の自宅では、アイロボットのルンバを使用しており、村岡社長にとっては見慣れたロボット掃除機が、毎日、モッチッチステーションを掃除することになる。

少子化でも微増推移のカップ麺市場

 「人口減少や少子高齢化で、即席めんのターゲットが減っていくと予測されている。しかし、実際には減少していない。2019年は価格改定もあり、前年比1%減となったが、ずっと微増傾向である。これは、日本において、新たな商品が生まれたり、驚くようなイベントやプロモーションをしたり、キャラクターとのコラボレーションで購入する機会を作るといったような、業界全体で市場を活性化する動きがあるからだ。そして、新たな商品は一度食べてもらっても、裏切らない味ばかりである。各社がそうした意識を持って競争をしている」(村岡社長)

 また、「エースコックは、スープ春雨を使った低カロリー商品が人気であり、女性にも高い人気がある。即席めんは、男性や若い人たちが中心の需要であり、焼きそばはその最たるものだった。だが、モッチッチでは、女性が食べやすい焼きそばを商品化し、人気を博した。今回の新製品もその延長線上である」(同氏)と、今後の即席めんの市場拡大にも意欲をみせた。

 2月14日のモッチッチステーションのオープン日には、「バレンタインデー〈レディースデー〉キャンペーン」を実施。当日、アンケートに回答した先着200人の女性来場者に、「焼そばモッチッチ」を1個プレゼントする。

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