2020年02月07日10時49分

ソニーからも8Kテレビが登場! 史上最高のブラビアの実力は?

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 2020年に入り、新衛星4K/8K放送のスタートから1年以上が経過した。4Kテレビも普及が進んだし、8Kテレビもシャープだけでなく、LGエレクトロニクスからも登場。日本国内だけでなく、世界的な注目度が高まっている。今年は東京オリンピック開催ということもあって、薄型テレビの製品には各社がいつも以上に力を入れている。

 海外ではすでに8Kテレビを発表していたソニーが、いよいよ国内向けの製品も発表した。「KJ-85Z9H」(予想実売:税抜200万円前後)は、ソニーとしては初の8Kチューナー内蔵テレビとして3月7日に発売される。

 Z9Hで一番のポイントは8Kチューナー内蔵だろう。海外で8K放送が行われる予定は今のところはないため、8K放送チューナーは不要だが、日本では必要。そのためのチューナー開発後に国内モデルの投入となったわけだ。もちろん、8K放送の録画も可能だ。その際には、放送の受信・視聴だけでなく、外付けしたHDD(USB 3.0対応モデルが必要となるが、既発売の従来製品が使用できる模様)が必要となる。ちなみに、将来登場する8K対応機器との接続を想定し、HDMIの8K入力にも対応している。

 KJ-85Z9Gはデザインこそ、海外向けモデルの「Z9G」を踏襲しているが、8Kチューナー内蔵ということもあって、内部の基板や回路は一新されているという。業務用のマスターモニターを思わせるデザインで、ややいかつい印象はあるが、高性能さが伝わる顔付きになっている。イメージはまるで違うのだが、かつてのブラウン管時代に人気だった“プロフィール・プロ”を思い出した。

高画質エンジンは、実は8K用に開発されていた「X1 Ultimate」

 「X1 Ultimate」は、すでに同社の最上位クラスの4Kテレビや有機ELテレビで採用されているが、実はもともと8K用に開発されていたとのこと。映像をオブジェクト(物体)ごとに分析して、最適な処理を行う「オブジェクト型超解像」をはじめ、HDRの高輝度映像をなめらかな色で再現する「Super Bit Mapping HDR」、より美しいHDR映像を再現する「HDRリマスター」といった技術を8K映像に対応して採用している。

 そして、8K解像度の液晶パネル(非公表ではあるが、VA型だと思われる)に組み合わされるバックライトは、これまでも最上位モデルに採用されていた「バックライト・マスタードライブ」となっている。これは、直下型のLEDバックライトを一般的なものよりも多数配置したものだ。しかもLEDモジュールをいくつかのブロックに分けて部分駆動するのではなく、LEDモジュールごとに部分駆動するというもの。

 国内でも発売されたZ9Dシリーズとは画面サイズも異なるが、使用するLEDモジュールの数はさらに増えているそうだ。こうした緻密なLEDの部分駆動をすることで、コントラストをさらに向上。黒浮きを抑えながらも、力強い高輝度の光もしっかりと再現する。

 さらには、液晶テレビの視野角の問題を大幅に改善する「X-Wide Angle」も採用。視野角によるコントラスト感の低下や色が薄くなるといった問題を解決し、大画面を幅広い場所から美しい映像で楽しめる。

 もちろん、4K放送や2K放送といったコンテンツを8K表示するアップコンバート機能も強化されている。さまざまな映像のデータベースを備え、映像に合わせて最適な高精細化する「8K X-Reality PRO」を新開発。これまでの4Kや2Kコンテンツ用のデータベースに加えて、8Kアップコンバートのためのデータベースも備え、あらゆる映像を8K化して高精細に表示できる。テレビ放送やBD/DVD、ネット動画といったコンテンツだけでなく、ゲーム用のデータベースも備えるので、PS4 Proの4K出力や年内登場予定であるPS5の8K出力もより美しい映像で楽しめる。テレビ放送や映像コンテンツだけでなく、ゲーム好きにも注目なのだ。

 このように、8K映像のための最新の高画質技術と、ブラビアのこれまでの高画質技術をすべて盛り込んでいる。ただの高画質ではなく、肉眼で見たかのような、「感じる美しさ」を追求したものになっている。

8K映像にふさわしく、スピーカーも高音質化

 8K映像だけでなく、内蔵スピーカーの音質も注目だ。85V型の特大画面でも画と音が一体になった再現を目指し、「アコースティック・マルチオーディオ」を搭載。画面の上部と下部にそれぞれ2基のスピーカーを備えることで、画面全体から音が出るような再現を可能にした。さらに背面にはサブウーファーを2基左右独立で搭載した2.2ch構成となる。画面の上下にある計4基のスピーカーも、トゥイーター1基とミッドレンジスピーカー2基の2ウェイ3スピーカー構成だ。これを駆動するアンプも、合計80Wの大出力となっており、内蔵スピーカーとしては十分な実力を備えている。

8Kの凄さを実感する、圧倒的なリアリティー

 8K映像や4K映像のアップコンバート表示などを見ることができたので、その印象も紹介しよう。4K映像のアップコンバート表示では、デモ映像や4K放送などを見たが、オブジェクト型超解像による精細さでディテールはより自然で緻密になる。大画面になるとどうしても細かな粗が目立ちやすくなるものだが、ノイズや輪郭の乱れもよく抑えているし、大画面なのにより緻密な映像になったとさえ感じる。コントラスト感もしっかりしているので、自然な奥行き感のある映像だ。

 これはまさしく8K解像度の高精細さの威力だ。それに加えて、しっかりと黒の締まる高コントラスト、斜めから見ても色やコントラストが変化しない広視野角といった、液晶テレビとしての基本性能の高さもよく分かる。横並びで比較したわけではないが、4K有機ELテレビの印象と比べても同等かそれ以上の美しさだと感じた。

 そして、いよいよ8K映像だ。こちらは8K放送の大相撲や昨年末の紅白歌合戦などを見たが、大画面で目の前に迫る圧倒的な情報量に驚かされた。土俵に立つ力士の存在感は目の前で見ているようだし、土俵の砂や俵の質感、力士がまく塩の感じが生々しい。しかも、色や輝きもより緻密に描かれるため、映像の立体感や画面に映る物のリアルさが大幅に増している。紅潮した肌は、筋肉の盛り上がりが感触までわかるし、うっすらと浮かんだ汗まで見える。その一方で、観客席にいる観衆もその表情が見えるほど鮮明だ。土俵に立った力士が見ている景色をそのまま見ているような感じがある。

 紅白歌合戦でも、まぶしいライティングの輝きを見事に再現するし、ライトの色の階調もスムーズだ。美しく輝く衣装も間近で見ているようだし、ステージ最前列で見ているような臨場感にあふれている。もちろん、音はしっかりと画面と一体化しており、アーティストの口から歌声が出ているような感触。芯の通った力強い声だし、ドラムスやベースの低音も思った以上に力強くなる。

 サラウンドを含めてさらに音響を強化するとしても、並のサウンドバーを使うくらいなら内蔵スピーカーで十分。実力のあるスピーカーを使って本格的なサラウンドシステムを組み合わせるのが理想だ。

誰でも手に入る製品ではないが、一見の価値あり

 200万円前後の価格は一般的な感覚では手が届きにくいものだし、85V型のサイズも設置や搬入などを考えると、および腰になってしまうかもしれない。とはいえ、大型量販店やソニーストアなどで、一度はKJ-85Z9Hの映像と音は体験した方がいい。8K放送の素晴らしさがよくわかるし、放送だけでなくテレビの映像表現力の進化がよくわかる。肉眼視との区別が付かなくなる領域に近づいていることを実感するはず。この最新テレビの凄さが分かる。

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