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最強CPUはどれだ!「第3世代Threadripper」vs「第3世代Ryzen」vs「Cascade Lake-X」の性能をガチ比較

2020年01月07日 11時00分更新

第3世代Threadripper vs 第3世代Ryzen vs Cascade Lake-X対決

 2019年は2018年に続きCPUのメニーコア化が進んだ年になった。特に2019年はメインストリームに12C24T(12コア/24スレッドの略、以下同様)の「Ryzen 9 3900X」と16C32Tの「Ryzen 9 3950X」が登場したことで、既存のHEDT向けCPUの存在意義が揺らいでしまった。

 11月に登場した第3世代Threadripperの構成が24C48Tの「Ryzen Threadripper 3960X」(以下Threadripper 3960X)と32C64T「Ryzen Threadripper 3970X」(以下Threadripper 3970X)の2モデルに絞られたのも、Ryzen 9 3950Xの登場とは無関係ではないと考えるのが自然だ。

 コア数ではRyzenに猛追されているThreadripperだが、両者の間にはまだコア数やメモリー帯域、さらにPCI Expressレーンなどの点で大きな差が存在する。こうしたアドバンテージ(特にコア数やメモリー帯域)が活きるシチュエーションは何なのかと考えると、やはりパワーを必要とするクリエイティブ系アプリでの処理性能だ。

 既に第3世代Threadripperの基本性能については速報レビューで示した通りだが、今回はクリエイティブ系アプリにおけるパフォーマンスを重点的に検証していきたい。Ryzen 9 3950XはもとよりCascade Lake-X世代の「Core i9-10980XE」とどの程度差が付くのだろうか?

コンシューマー向けのCPUとしては最多コア数を誇る「Threadripper 3970X」。2020年には64C128Tの上位モデルが登場する予定だが、今のところクリエイター向けとしては最強のCPUのひとつと考えてよい

物理16/18/24/32コアのガチ対決が見たい!

 今回はThreadripper 3960Xおよび3970Xのパフォーマンスを、Ryzen 9 3950XやCore i9-10980XEと対比させつつ、クリエイティブ系アプリでの実力をチェックしてゆく。検証環境は第3世代Threadripperファーストレビュー時と共通だが、Ryzen環境はビデオカードやOSのビルドを統一するためすべて再計測している。

 メモリークロックは各CPUの定格最大値(XMP有効)とし、それ以外のBIOS設定はそのマザーボードのデフォルト設定に準じた。ただCore i9-10980XEに関してはコア倍率を“Auto”にしていると性能が出ないため、“By Specific Core(グラフではBSCと表記)”モードとし、コア単位で倍率やコア電圧を変更できるモードでも検証している。ただし倍率や電圧に関しては全て“Auto”とした。

 また、電源プランは描くプラットフォームにおけるデフォルトとしている。即ちThreadripperとRyzenは“Ryzen Balanced”、Core i9-10980XEは“バランス”+インテルの「Intel Turbo Boost Max Technology 3.0 Utility」を導入した状態で計測した。

検証環境:Threadripper 3970X
CPU AMD「Threadripper 3970X」(ES版、32C64T、最大4.5GHz)、AMD 「Threadripper 3960X」(ES版、24C48T、最大4.5GHz)
マザーボード ASRock「TRX40 Taichi」(BIOS P1.10)
メモリー G.Skill「F4-3200C16D-16GTZRX」×2(DDR4-3200、8GB×4、CPU定格で運用)
ビデオカード NVIDIA「TITAN RTX」
ストレージ Western Digital 「WDS100T2X0C」(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニット Silverstone「ST85F-PT」(850W、80Plus Platinum)
CPUクーラー ENERMAX「Liqtech TR4」
OS Microsoft「Windows10 Pro」 (64bit版、November 2019 Update)
検証環境:Threadripper 2990WX
CPU AMD「Threadripper 2990WX」(32C64T、最大4.2GHz)
マザーボード ASUS「ROG STRIX X399-E GAMING」(BIOS 1203)
メモリー G.Skill「F4-3200C16D-16GTZRX」×2(DDR4-3200、8GB×4、CPU定格で運用)
ビデオカード NVIDIA「TITAN RTX」
ストレージ Western Digital 「WDS100T2X0C」(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニット Silverstone「ST85F-PT」(850W、80Plus Platinum)
CPUクーラー ENERMAX「Liqtech TR4」
OS Microsoft「Windows10 Pro」(64bit版、November 2019 Update)
検証環境:Ryzen 9 3950X
CPU AMD「Ryzen 9 3950X」(16C32T、最大4.7GHz)
マザーボード GIGABYTE「X570 AORUS MASTER」(BIOS F11)
メモリー G.Skill「F4-3200C16D-16GTZRX」×2(DDR4-3200、8GB×4、CPU定格で運用)
ビデオカード NVIDIA「TITAN RTX」
ストレージ Western Digital「 WDS100T2X0C」(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニット Silverstone「ST85F-PT」(850W、80Plus Platinum)
CPUクーラー CRYORIG「A80」
OS Microsoft「Windows10 Pro」(64bit版、November 2019 Update)
検証環境:Intel
CPU Intel「Core i9-10980XE」(ES版、18C36T、最大4.8GHz)
マザーボード ASUS「ROG STRIX X299-E GAMING II」(BIOS 0401)
メモリー G.Skill「F4-3200C16D-16GTZRX」×2(DDR4-3200、8GB×4、CPU定格で運用)
グラフィック NVIDIA TITAN RTX
ストレージ Western Digital「WDS100T2X0C」(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニット Silverstone「ST85F-PT」(850W、80Plus Platinum)
CPUクーラー CRYORIG「A80」
OS Microsoft「Windows10 Pro」(64bit版、November 2019 Update)
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