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高性能より個性が目立った2019年のデジカメを猫写真で紹介

2019年12月17日 10時00分更新

7~12月までに登場したデジカメを
当時撮影した猫写真で振り返る

 年末も押し迫って参りましたが、ただでさえバタバタして心身共に余裕がなくなっている今日この頃、そんなときは猫写真ですよ、といいつつ、なんか猫が睨んでる写真ではじめちゃってすみません。

1発目はやはりソニーから、猫撮りコンデジDSC-RX100M7。軽くて早くて猫瞳AFという技。2019年9月 ソニー Cyber-shot DSC-RX100M7

 今回は2019年の新型デジカメで振り返る猫の後編。7月はまずパナソニックの「DC-G99」から。これ、普通にすごくいいカメラで、使いやすいし握りやすいし操作感もいいのだけど、今年は個性的なカメラが多かった分、個性より完成度ってカメラは目立たなかったかなと思う。個人的には、猫動体認識機能が未搭載だったのが残念(同社のDC-S1シリーズには搭載していただけに)。でも本格的にミラーレス一眼をはじめたいって人によさげだった。

 オレンジ色の車のボンネットに我が物顔で居座るチャトラくんを。キレイな車だっただけに、猫の足あとがついたろうなあ。

オレンジのボンネットにチャトラが似合ったので望遠でぐぐっと寄ってみた。2019年7月 パナソニック LUMIX DC-G99

 続いて8月。ある意味、超個性的だったこのカメラは、富士フイルムの「GFX100」。130万円ほどするけど、35mmフルサイズより大きなイメージセンサーで、画素数はなんと1億画素。その上ボディー内手ぶれ補正のおかげで、普通に構えて撮れちゃうというすごいカメラだった。とはいえ、それなりに大きくて重いのであまり気軽には持ち出せない感じだけど、このクオリティーはたまらんのである。

前後のボケ具合といい柔らかい描写といい、画質という面ではワンランクもツーランクも上のカメラ。ちょっと儚げな表情がたまらん。2019年8月 富士フイルム GFX100

 9月はソニーものをふたつ。ひとつは猫瞳AF搭載コンパクトカメラの「DSC-RX100M7」。猫瞳AFを積んでて、そこそこ望遠までいけてサクサク使えてかさばらない、というのはなんとも魅力的なのである。冒頭写真もそう。もう1枚、毛繕いしてる猫を狙ってたら、一瞬だけ顔を上げたのでその瞬間にシャッターを押してしまった。

猫瞳AFって瞳が見えてないとダメなんだけど、猫の目のとこに緑の枠が出てそこにピントが合うってそれだけで楽しいのである。しかもAFが速いので一瞬を逃さない。2019年9月 ソニー Cyber-shot DSC-RX100M7

 もうひとつのソニーものは、なんと6000万画素を実現した35mmフルサイズミラーレス一眼「α7RVI」。街をぶらぶら歩いてたら、黒い玄関の前で門番してた猫を発見。門番なのか、家人が帰宅するのをじっと待っているのかは分からないけど、きっとどっちかだろう。

α7シリーズの最高峰はなんと6000万画素を実現しながらサクサク撮れて猫瞳AFなのがたまらない。玄関前のチャトラとちょっとにらめっこした時の図。2019年9月 ソニー α7RVI

 10月はシグマの「fp」を。これも超個性的だった。35mmフルサイズミラーレス一眼で、価格も手頃(約20万円)で、何より四角くて小さくて、そのぎゅっと凝縮された箱っぽい感じがいいのだ。そして写りがいいのである。ぎゅっと締まった写りを見せてくれる。レンズラインナップやら何やらを考えると猫撮り向けってわけじゃないけど、じっくり撮るとすごくよい写真が撮れる。見てると欲しくなるので危険なカメラだ。

お寺の郵便受けの上でくつろいでたキジトラをシグマのfpで。上に人工芝をはっつけてあるのはきっと猫がくつろげるようにだろう。発色も豊かで実に印象的な写真を撮ってくれる。2019年10月 シグマ fp

 11月は3機種。実は秋になっていろんな製品が登場したのである。ソニーからは「α6600」。APS-Cサイズセンサーを搭載したαシリーズの最新にしてハイエンドモデルはもちろん猫瞳AF搭載。

小型軽量でサクサク動いて猫瞳AF。速さと猫瞳AFで業界をリードしたのがソニーなのだった。2019年11月 ソニー α6600

 11月の2番目は、ニコンの「Z 50」。なんとニコン初のAPS-Cサイズセンサー搭載ミラーレス一眼である。シンプルで軽量なのだけど、写りがよい。EVFは見やすいしモニタはチルトするしで猫も撮りやすい。

ミラーレス一眼での巻き返しを図るニコンのAPS-Cセンサー搭載モデルがZ 50。塀の上のチャトラがちょっと横を向いてくれたので、ここぞとばかりにシャッターを押してみた。2019年11月 ニコン Z 50

 11月の最後は、4年ぶりの新作、オリンパスの「E-M5 Mark III」。なんといっても強力な手ブレ補正と、気軽に持ち出せる小型軽量感がいい。パナソニックのG99とオリンパスのE-M5 mark III、というマイクロフォーサーズの主力モデルになるようなミドルクラス機が出たのも今年の特徴ですな。

OM-Dの主力モデルが久々にリニューアル。ブラブラ街を歩いてたらちょっと奥まったところに猫がいたのでしゃがんで撮影。2019年11月 オリンパス OM-D E-M5 Mark III

 最後は12月。今年最後の超個性派は富士フイルムの「X-Pro3」。レバーひとつで光学ファインダーとEVFを切り替えるハイブリッドファインダーもさることながら、なんと「液晶モニターが裏を向いてる」というよくわからないマニアックな仕様で登場して驚かせてくれた。基本的にファインダーを覗いて撮りたい人向けのマニアック仕様だ。もっとも普段は裏を向いてるといっても、ちゃんとモニターはついてる……これはいつかこの連載でちゃんと取り上げたいので今回は触りだけ。

めちゃ天気が良い日、お寺で猫発見。青空と緑とチャトラの色がすごく鮮やかで、こういう日には富士フイルムが似合うのだ。2019年12月 富士フイルム X-Pro3

 今年はエントリー機から超ハイエンド機、個性的なモデルまで久々にカメラがたくさん登場した年。特に各社とも一眼レフからミラーレス一眼へのシフトを加速させようって意図が感じられてミラーレス好きのわたしとしてはうれしいことである。

 来年は猫対応AFが流行して各社が競って「顔認識の次は動物認識だ!」となって欲しい次第である。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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