2019年11月05日10時30分

日本マイクロソフトとNTTコミュニケーションズが語る働き方改革のリアル

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 2019年10月4日に開催された「NTT Communications Forum 2019」では、NTTコミュニケーションズと日本マイクロソフトが働き方改革について語った。セッションの後半は最新の対話型ホワイトボード「Surface Hub S2」がお目見えし、Microsoft Teamsを活用したデモが披露された。

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週勤4日制は本当にきつい だから工夫する

 「日本マイクロソフト&NTTコミュニケーションズ流働き方改革の"リアル"」と題し、日本マイクロソフトとNTTコミュニケーションズが働き方改革について語るセッションは、会場も満員となった。NTTコミュニケーションズの工藤 潤一氏に紹介されて登壇した日本マイクロソフトの三上智子氏は、現在実践している最先端のワークスタイルに至るまでの経緯を語った。

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日本マイクロソフト コーポレートクラウド営業統括本部 業務執行役員 統括本部長 三上智子氏

 8月までWindowsやOffice 365などのモダンワークプレイスエリアの製品を統括してきた三上氏だが、9月からコーポレートクラウド営業統括本部の責任者として法人向けのクラウド導入を推進している。「過去5年間見た限りでは、大手企業での働き方改革の進み方はすさまじいものがあります。しかも経営を伸ばしていくために必須のものという意識が強い。しかし、中堅・中小企業はどうやったらよいかわからず、ITやコミュニケーションの活用が他国より遅れている部分があります。ここをなんとかしたいと考えて、今のポジションをやらせてもらうことにしました」(三上氏)。

 日本マイクロソフトといえば、週勤4日制のトライアルにチャレンジする働き方改革の先進企業として知られている。もともと他国に比べてメールの数、メールに入れるccの数、会議の数などは断トツで多かったため、これをなんとかしようというのが、週勤4日制導入のきっかけだったという。

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NTTコミュニケーションズ 取締役 ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部長 アプリケーション&コンテンツサービス部長 工藤 潤一氏

 しかし、「週勤4日は本当にきつい」と三上氏は語る。「最初は休みが増えると喜んでいたのですが、4日間で1週間の仕事をやるって本当に大変でした。でも、逆になんとか効率化しようと工夫し始めるんです」(三上氏)。これに対しては、リアルの会議は時間を短縮し、Teamsを使って普段からコミュニケーションするといった施策を取り入れているという。

いつでも、どこでも働ける文化がなにより重要

 工藤氏は、働き方改革においては「制度・ルール」「風土・マインド」「環境・ツール」の三位一体の推進が必要と指摘する。これに対して、三上氏も10年以上に渡る日本マイクロソフトの働き方改革を振り返り、「カルチャー」「オフィス環境」「ICT環境」「制度」「経営」の5つをポイントとして挙げる。「弊社も最先端のITを使える環境にあるが、それだけで実現するとは思っていない。たとえば働く場所だったり、カルチャーだったり、なにより経営戦略として働き方改革をとらえることが重要だと考えている」と語る。

 働き方改革で象徴的だったのはオフィス環境の刷新だ。以前の新宿オフィスはパーティションで分断されていて、人とのコミュニケーションもとりづらかったし、ありとあらゆるやりとりが紙だったという。「壁だらけで、紙だらけで、席も電話も固定されていたので、話はすべて会議室。でも、会議室はいつもいっぱいという状態でした」と三上氏は振り返る。しかし、8年前に品川へのオフィス移転とともにフリーアドレス化を推進し、集中レベルに合わせて視線やノイズを遮断するエリアを作った。また、コラボレーションを促進するオープンスペースを作ったり、休憩やリラックスできるスペースも作った。

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品川に引っ越す“前”のオフィスは壁と紙だらけだった

 とはいえ、引っ越しによるオフィス環境の刷新はあくまできっかけ。「いつでも、どこでも働ける文化がなにより重要」と三上氏は指摘する。Teamsを活用することで、自宅、カフェ、実家、移動先などあらゆる場所で働けるようになっており、顧客への営業同行もオンラインでやることが増えてきた。「昔は製品担当ごとに営業を連れていった結果、10人近くが訪問し、そのうち一言も話さない人もいましたが、今はオンラインで呼び出すことも増えました。お客様に広い会議を用意してもらう必要もないし、ビジネスもスピーディになりました」と三上氏は語る。

 こうした働き方改革の成果としては、女性の離職率が4割減少し、社員一人あたりの売り上げも26%向上したという。また、ワークライフバランスに関する社員満足度調査も40%上昇した。工藤氏が女性離職率の4割減について聞いたところ、やはりいつでも、どこでも働ける文化が大きいという。「女性は育児や家事の負担が大きく、今までは離職率も高かったが、今ではフレキシブルに働けるし、ビデオ会議も使えます。しかも女性だけのための施策ではなく、全員がやっているので気負いや後ろめたさもない」と三上氏は語る。

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日本マイクロソフトでの働き方改革の成果

 近年は、働き方改革やワークライフバランスをもっと先に進め、「ワークライフチョイス」という概念を推進している。「ワークとライフが両方とも満たされている状態を作るのは難しいので、ワークとライフをうまく選択することで、その人らしい働き方を実現してもらう」(三上氏)というのがここでのポイントだ。

 具体的には2016年5月に就業規則の変更を行ない、コアタイムや事前申請を撤廃した。また、介護や子育てなどさまざまなライフステージを応援するファミリーフレンドリー休業制度も用意されており、6週間取得可能な男性の育休取得率は7割になっているという。2018年4月には子育てのために退社した女性の再就職を支援するリターンシッププログラムもスタート。2019年は冒頭に紹介した週勤4日&週休3日制のトライアルやワークライフチョイスの推進支援プログラムを実践したという。

Microsoft 365でセキュリティと使い勝手を両立

 続いては工藤氏がNTTコミュニケーションズの働き方改革を紹介した。まずはシンクライアントの代わりにセキュアドPCを導入し、社内環境と同等の使い勝手でリモート業務を効率化した。「以前のシンクライアントは使い勝手がよくなかったが、セキュアドPCは社内のゲートウェイを経由せず、インターネットに直接接続することで、社内と同じ環境を実現できている。各端末の動作はNTTセキュリティがチェックしている」(工藤氏)。

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リモートワークの環境を向上したNTTコミュニケーションズ

 また、コミュニケーションツールとしてはMicrosoft Teamsを導入し、チャットのみならず、会議も行なっているという。NTTコミュニケーションズではMicrosoft Teamsから外線番号に発信するサービスも10月に発表している。さらにBYODのスマートフォンやタブレットをMicrosoft Intuneで会社と個人の領域を分けて利用している。

 働く場所に関しては、日比谷から大手町にオフィスを移転し、多様なワークスタイルを受容するオープンな環境を整えた。日本マイクロソフトのように、カジュアルなスペース、集中作業スペース、専門の1on1ブースなどを用意し、コミュニケーションの活性化と多様なワークスタイルの実現を目指した。「1on1ブースでは上司と部下の会話量がわかるようになっており、コミュニケーションの活性化に活かせる」(工藤氏)。さらにIoTを連携したトイレや会議室の利用動向がスマホでわかるようになっているという。

ホワイトボードを共有しながら楽しい会議が行なえるSurface Hub S2

 最後、三上氏は発売されたばかりの会議用デバイス「Surface Hub S2」とMicrosoft Teamのデモを披露した。

 Surface Hub S2は55インチの高精細ディスプレイを持つディスプレイに見えるが、れっきとしたWindows 10搭載のデバイス。対話型ホワイトボードを謳っており、ワンタップでTeamsのメンバーを呼びだすことも可能。実際、スマホから工藤氏、品川オフィスからマイクロソフト社員がそれぞれ会議にリモート参加した。

 まず三上氏は、ホワイトボードだけをぼかすデモを披露。画像認識により、リアルタイムにぼかしをかけているので、社員が動いても、ぼかしはきちんと追従する。続いてはホワイトボードを共有し、ブレストとして、3人で働き方改革に必要なキーワードを書いてみる。デモでは単語をそのままドラッグ&ドロップで移動してグループ化してみせる。

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背後のホワイトボードをリアルタイムでぼかせる

 続いて三上氏は、デジタル付箋に書き込んだり、物理ホワイトボードの写真をTeamsに取り込んだり、Surface Hub S2の活用例を披露。ホワイトボードはそのままクラウド上に保存されるので、議論をそのまま別の機会に続けることも可能だ。デバイス自体としても進化しており、据え置き型だった前バージョンと異なり、新しいSurface Hub S2はバッテリ内蔵で、通信もワイヤレスで行なえるという。

 最後、工藤氏は「これからもマイクロソフトとのパートナーシップを強化し、みなさまの働き方改革の推進にお役に立てるようがんばっていきたい」と語り、セッションを終えた。

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