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仕事のための仕事を減らす第3のコラボレーションツール

チーム向けワークマネジメントのAsana、国内事業を本格化

2019年10月29日 07時00分更新

 2019年10月28日、チーム向けワークマネジメントを展開するAsana(アサナ)は、国内で初の発表会を開催。Asana CEO兼共同創設者であるダスティン・モスコビッツ氏と日本法人のカントリーマネージャーである田村元氏が登壇し、ワークマネジメントと呼ぶAsanaサービスの概要について説明した。

Asana カントリーマネージャー田村元氏、Asana CEO兼共同創設者 ダスティン・モスコビッツ氏

デジタルワイガヤが増え、数だけが増えるコミュニケーションの課題

 「チーム向けのワークマネジメントツール」を謳うAsanaは、Facebookの共同創業者であるモスコビッツ氏とエンジニアが初期版の「Tasks」を開発し、2012年に初の製品版をリリース。現在の有料顧客数は195カ国、7万社以上にのぼる。

 Asana CEOのダスティン・モスコビッツ氏は、コラボレーションにはSlackやGmailのようなメッセージング、OneDriveやBoxなどコンテンツツールのほか、コーディネーションが必要だと指摘する。その上で、このコーディネーションの役割を果たすのがAsanaになるという。

コーディネーションの分野をカバーするAsana

 コーディネーションとは「調整」や「すりあわせ」と訳せるだろう。モスコビッツ氏は、業務時間の約6割は仕事の調整に費やされ、実際の仕事にフォーカスできるのは3割に過ぎないという。また、1週間のうち、2時間以上が無駄な会議、7時間以上が仕事のやり方についての会話、4時間38分が重複した作業、5時間以上はアプリの通知や切り替えに費やされ、仕事に集中できないのが現状だという。

 モスコビッツ氏は、「多くのチームはコーディネーションをマニュアルで行なっている。あるユーザーはスプレッドシートを使い、あるユーザーはホワイトボードに付箋を貼って管理する。でも、これらはもともとコーディネートをするためのツールではない」と指摘する。また、田村氏はコラボレーションは増えているが、必ずしも生産性の向上に寄与していないと語る。「コミュニケーションが加速化しても、いわば『デジタルワイガヤ』だけが増え、アウトプットだけが増えることにみなさん悩んでいる。そもそも業務の計画や目的、責任が不明瞭なことも多い」(田村氏)。

現場から生まれるボトムアップ型プロジェクトにも対応

 これに対してAsanaは仕事の計画やタスクの割り当て、進捗管理、報告などのすべてをリアルタイムに行なえる。さまざまなツールと連携し、プロジェクトやプロセスを管理し、チームの業務量を一元管理できるという。

 AsanaはTrelloのようなタスク管理ツールや、WrikeやJiraのようなプロジェクト管理ツールと比較されることが多い。既存のプロジェクト管理ツールとAsanaの違いは、トップダウン型のプロジェクトだけではなく、現場からのボトムアップ型のプロジェクトに対応できる点だという。つまり、現場の課題やゴールからスタートし、タスクが生まれ、進捗の見える化が必要になる正規化されていないプロジェクトだ。「Asanaはプロジェクト管理ツール以上のことができる。ウォーターフォール型のプロジェクトを一元管理するのではなく、組織にいる誰もが管理に使える」とモスコビッツ氏はアピールする。

Asana CEO兼共同創設者 ダスティン・モスコビッツ氏

 最新版のAsanaでは、手作業が多かった仕事の依頼、タスクのルーティング、ワークフローなどを自動化する「オートメーション機能」を追加。70以上のカスタムビルダーとプリセットルールが用意されており、反復の多い手作業を容易に自動化できる。さらにAsana用のiPhoneアプリはOCRや校正機能を搭載し、ホワイトボードの図を取り込んだり、画像内のテキストに基づいてAsanaのサブタスクを割り当てることが可能だという。

 日本語版は昨年リリースされたばかりだが、日本での有料顧客は1000社以上になる。「まだ営業を雇っていないにも関わらず、気がつくとユーザーが増えているというユニークなソリューション」と田村氏はアピールする。

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