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10代のネットショッピングの使い方は堅実

2019年10月15日 09時00分更新

10代のネットショッピング利用率は増加

 10代といえばいつもスマホに接している印象が強いが、買い物に関してもやはりスマホの影響は大きいのだろうか。10代のリアルな買い物事情について見ていきたい。

 野村総合研究所の「生活者1万人アンケート(第8回)」(2018年11月)によると、インターネットショッピングを利用する人の割合はいずれの年代でも伸びており、20、30代では約8割に上る。10代は56%となっている(https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/report/cc/mediaforum/2018/forum272.pdf)。

 なお、インターネットショッピングの利用回数もどの年代でも伸びているが、中でも10〜30代が伸びている。10代は年間25.7回、20代は25.9回にもなる。

 10代はショッピングをする際に、インターネットやSNSの情報を参考にするなど、影響を大きく受けることがわかっている。インターネットショッピングをする割合は増加しているが、必ずしもスマホだけで購入するわけではないようだ。

メルカリでは手軽にお試しできる試供品や中古コスメが人気

堅実で柔軟な消費をする10代

 10代はまだ自立していないことが多く、自分で購入するものと言えば、ファッション、コスメ、漫画や音楽などのコンテンツ、お菓子、プリクラなどだ。

 ハイブリッド型総合書店「honto」の「書籍の利用方法に関する調査」(2018年7月)によると、紙の本と電子書籍の利用について聞いたところ、男性の10代と30代は約5割、女性の10〜20代は4割と、若い世代のほうが併用して利用している率が高かった(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000223.000009424.html)。

 紙の本と電子書籍の使い分けは、男女とも約4割が「外出先で読む、家で読むなど、読むシーンで」とのこと。「大事な本は紙の本、普段読むのは電子書籍」という意見も多く、男性では「ジャンルによって使い分け」も多い。若者が購入する漫画は電子化している割合が高く、店舗で買いづらいマンガ本などは特に電子書籍をネットで購入する機会が増えるようだ。

 次いで、ファッションについても見てみよう。10代女子を対象としたプリキャンティーンズラボの「ショッピングについて」(2018年2月)によると、9割以上が洋服を買う場合に実店舗で買うことが多いと答えている(https://lab.prcm.jp/real-store/)。

 実店舗で買う理由は、「商品を手にとって確認できるから」(86.2%)、「試着ができるから」(69.2%)などだった。洋服は10代にとっては大きな出費であり、試着して失敗せずに購入したい意向が強いことがわかる。なお、オンラインで購入する理由は、「お店が遠い・行くのが面倒だから」(45.2%)、「安いから」(45.2%)、「どんな時間でも購入できるから」(42.9%)など、便利さを重視していることもわかる。

 「コスメは失敗したくないから、まずメルカリで試供品とか中古コスメを買って試してから買う」と言っていた女子高生がいた。可処分所得が低い10代は、消費に関してはかなり堅実なようだ。同時に、スマホネイティブ世代としてネットショッピングをうまく活用していることもわかる。10代の賢く柔軟な消費の姿勢は、大人にも見習えることがあるかもしれない。


著者紹介:高橋暁子

 ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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