2019年09月24日09時00分

ホンダの自動運転技術へのアプローチを探る

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独自路線を好むホンダだが
自動運転に関しては周りと協調するスタンス

 大々的に、MaaS専用車両のコンセプトを発表したトヨタや、ACC(アダプティブ・クルーズ・ コントロール)中のハンズオフを実現するプロパイロット2.0の日産に比べると、ホンダの自動運転技術に関する話題は少ない。しかし、ホンダが自動運転技術に注力していないわけではない。逆に、地道に幅広く手を打っていると言っていいだろう。

 まず、ホンダはトップメッセージにて「2020年に高速道路での自動運転を実現し、その後、これを一般道に拡大します。そして2025年頃をめどに、パーソナルカーユースに向けたレベル4自動運転技術の確立を目指す」と明言している。ここで特徴となるのは、実現のために「他社との協業に積極的に取り組んでいます」(同じくトップメッセージより)というところだ。

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 2016年12月には、Google系列のWaymo(ウェイモ)と共同研究の検討を発表(ただし、こちらはどうも破談になったようだ)。また、AIに関しては京都大学やボストン大学、中国のSenseTime社と共同開発を進めている。ソフトバンクとは2017年より5G環境下のコネクテッドカー技術の共同開発を実施中。さらに、2015年よりスタートアップ企業をサポートする「Honda Xcelerator(ホンダ・エクセラレーター)」という世界的なプログラムをスタートさせており、2017年に開設した東京のR&DセンターXとあわせて、革新的な技術をホンダの身近に育てることにも熱心に取り組んでいる。

 そして、2018年10月にホンダは、GMクルーズホールディングスLLC(以下、クルーズ)、ゼネラルモーターズ(以下、GM)との自動運転に関する協業を発表している。その内容とは、ホンダはMaaS用の車両を共同開発するというもの。これは、トヨタで言えば「e-Pallet(イー・パレット)」に該当する。写真もイラストも発表されていないため、あまり話題にならなかったが、研究と普及がうまく進めば、未来の路上の景色を一変させる車両となるはずだ。非常に重要な協業と言えるだろう。

 その重要さを裏付けするように、ホンダは7.5億ドル(約850億円)を出資し、今後12年で約20億ドル(約2250億円)の出資も約束。協業へ向けた本気度を示したのだ。ちなみに、ホンダとGMは2017年に燃料電池(FC)システムの量産を行なう合弁会社を設立していることも、自動運転技術協業の背景になっている。

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 自動運転技術に必須となる車両の電動化に関してもホンダに抜かりはない。2030年に世界販売の3分の2を電動化すると明言。その実現にあわせて激増が予想されるモーターの供給に備え、日立オートモティブシステムズとモーター製造の合弁会社を設立。また、電動化の実車としては、この春のジュネーブモーターショーで欧州向け量産EV「ホンダeプロトタイプ」を発表している。

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GMクルーズ社長 ダン・アマン氏(左)と本田技研工業 副社長 倉石誠司氏 

 大きな話題は少ないけれど、ホンダの最近の動きをチェックしてみれば、電動化、AI、コネクテッド、MaaSといった、自動運転に必要な技術にはしっかりと手当が済んでいることがわかる。なにかと独自路線を好むように見えるホンダであるが、自動運転に関しては、“周囲と協調しながら”というスタンスを取っているのだ。

筆者紹介:鈴木ケンイチ


筆者

 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

 最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。



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