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iPhone 11で対応した「Wi-Fi 6」って何だ?

2019年09月15日 10時00分更新

 カメラがデュアル/トリプル仕様になるなど、さらに性能がアップしたiPhone 11。スペックを見ていくと、3モデルとも無線の部分で「Wi-Fi 6」というやや見慣れぬ言葉が記載されています。

iPhone 11ではWi-Fi 6に対応している

さらに高速になった次世代無線LAN規格
より大量の機器の接続も想定されている

 無線LANと言えば、これまでは「IEEE802.11n」「IEEE802.11ac」といった規格が知られています。ただ、これでは一般のユーザーにはなじみにくい。そこで、業界団体であるWi-Fi Allianceが、新規格である「IEEE802.11ax」対応製品に「Wi-Fi 6」という表記を導入したのです(同時にIEEE802.11n対応製品は「Wi-Fi 4」、IEEE802.11ac対応製品は「Wi-Fi 5」)。

見た目もゴッツい、ゲームプレイヤー向けのWi-Fi 6対応ルーター、ASUS「ROG Rapture GT-AX11000」。有線側は2.5GbE対応

 このWi-Fi 6(IEEE802.11ax)対応製品ですが、少し前までは海外メーカーが中心でしたが、ここに来て、国内メーカーからも高性能無線ルーターが登場。ノートPCでもこれから対応が進むことが見込まれています。最新技術に強いアップルらしく、一足先にiPhoneでも対応してきたというわけです(ちなみに海外版のGalaxy S10ではすでにWi-Fi 6対応)。

 Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)ではさらなる高速化が追求され、数Gbps級の通信速度が実現されました。IEEE802.11axは2.4GHz/5GHz帯の両方で利用できますが、特に5GHz帯で160MHz幅の周波数を用いた場合は(iPhone 11は80MHz幅の対応)、約4800Mbpsの通信速度をうたう製品が見られます。

こちらはバッファローのWXR-5950AX12R。最大通信速度は4803Mbps

 また、単純に高速化しただけでなく、スマートフォンやIoTなど、無線LANを利用する機器が激増した状況に対応した仕様になっているのもポイントです。

 たとえば、「OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多元接続)と呼ばれるLTEでも用いられている方式が採用されています。これまでは1つのチャンネルの電波を一定時間、1つのクライアントにのみ割り当てられていたのに対し(時間方向で分割)、OFDMAでは周波数側も細かく分割することで、多数の機器に対して、より高効率に通信ができます。

 Wi-Fi 6の性能を活かすには、対応の無線LANルーターとの組み合わせが前提ですが、まだまだ価格的には少し高め(4~5万円程度)。iPhoneを自宅で普通にインターネットに繋ぐだけなら、すぐに必要というわけではありません。ただ、今後の普及は確実に見込めるほか、多数のスマホユーザーが同時に接続する、テレビや複数のスマホで超高画質の動画を見るといった、より負荷が掛かる場面で威力を発揮することが期待できます。


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