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メモリーOCした際の第3世代Ryzenの性能や極冷環境での耐性などをチェック!

2019年09月09日 11時00分更新

 みなさんこんにちは、オーバークロッカーの清水です。前回は第3世代RyzenことRyzen 3000シリーズのオーバークロック(OC)性能に関して、「Ryzen 9 3900X」と「Ryzen 7 3700X」の2つのCPUを使ってチェックしました。今回は、さらにリテールクーラーの性能や、Ryzen 3000シリーズから実装された機能「Infinity Fabric Divider」、極冷環境での耐性チェックといった、追加検証結果を紹介します。

リテールクーラーの性能は?

 Ryzen 9 3900Xに付属するリテールクーラー「Wraith Prism」の性能がどれ程のものなのかも検証してみました。4本の銅製ヒートパイプをダイレクトタッチ方式で搭載していたり、RGB LEDを搭載していたりと、付属品とは思えないCPUクーラーですが性能はどうでしょう。

 付属グリスはクーラー取り外し時にCPUまで一緒に外れてしまう通称「スッポン」が発生しやすいので拭き取ってから、親和産業「OC Master SMZ-01R」に塗り替えてテストしました。皆さん落ちに期待していると思いますがスッポンはしていませんのであしからず(笑)。

Wraith PrismはRGB LEDを搭載

10cmファンを搭載

銅製ベースに銅製ヒートパイプを4本搭載

サードパーティーのCPUクーラーとリテールクーラーの温度を比較

 計測条件はCINEBENCH R15を連続で10回実行した際の最大値と、Windows起動10分後の値を計測しました。計測時のCPUのOC設定は、動作クロックが4.4GHzでCPU電圧は1.40Vとしました。

 Ryzen 7 2700Xから付属している「Wraith Prism」ですが、設計が8コアまでをターゲットとしているからか、定格状態でも高負荷時に91度と高い値を記録しました。そして4.4GHz時はすぐに100度に達してシステムがフリーズしてしまいます。12コアのRyzen 9 3900Xでギリギリなので発売が待たれる16コアのRyzen 9 3950Xだと、手動のOCでは厳しそうな気もします。CPUの個体差で発熱が変わるので断言は出来ませんけど……。

 空冷クーラーはCRYORIG「R1 Ultimate」を試したかったのですが、メモリーと干渉したため「H5 Ultimate」を使用しました。AM4対応のV2がなかったためオプションのAM4マウントキットを使用しています。性能はV2も無印も同等なので問題ありません。

 高性能な部類に入る「H5 Ultimate」ですが、それでもOC時には105度までCPU温度が上昇しています。上位モデルの「R1 Ultimate」にしても90度台半ばになると予想されます。

 最も優秀だったのは360mmラジエターを搭載するThermaltake「Water 3.0 Ultimate」で、定格時に「Wraith Prism」よりも16度低い温度を記録しただけでなく、OC時においても88度と「H5 Ultimate」よりも17度低い温度を記録しました。

 バラックでの検証なのでケースに組み込むと温度が変わるとは思いますが、空冷クーラーだとOC運用は厳しそうです。ヒートシンクがケース内の熱を吸いやすいので、OC運用したい場合はフロントに簡易水冷クーラーのラジエーターを吸気で設置するのが最適解だと思います。

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