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Xperia初のデュアルカメラを搭載するも後手に回ってしまった「Xperia XZ2 Premium」

2019年08月26日 10時00分更新

 日本でAndroidスマホといったらXperia! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(基本的に登場するのは国内で発売されたモデルのみです)。

やっとXperiaにデュアルカメラがきた!

 2018年夏、「Xperia XZ2 Premium」がドコモとauから登場しました。スペイン・バルセロナで開催されたMWC 2018でXperia初のデュアルカメラ搭載と発表されたのち、遅れに遅れて2018年7月にようやく発売となったのです。

 Xperia XZ2 Premiumは、3D曲面ガラスとサイド面はメタルフレームを採用し、背面にかけて流れるようにラウンドしたボディーデザインと、ガラス素材を採用した光沢感が特徴です。

 ディスプレーは、5.8型の4K(2160×3840ドット)にアスペクト比は従来どおりの16:9。Xperia XZ2/XZ2 Compact」では18:9という縦長のアスペクト比を採用していましたが、Xperia XZ2 Premiumは16:9という一般的な比率でした。ただ、モデルによって統一感がなく、Xperiaのコンセプトのブレに戸惑いを感じるという声があったのも事実です。

 ディスプレーの特徴は、4K解像度の高精細に加え、HDR(ハイダイナミックレンジ)に対応していること。Xperia XZ Premiumと比較して画面サイズが0.3型大きく、最大輝度が約30%向上し、野外の明るい場所でも視認性が上がりました。高画質エンジン「X-Reality for mobile」がさらに進化し、通常の映像(SDR)をHDRへアップコンバートができるようになったことで、より多くの動画を豊かなコントラストと鮮やかな色調で楽しめるようになりました。

 スペックはハイエンドで、SoCはSnapdragon 845、メモリーは6GB、内蔵ストレージは64GB、外部ストレージは最大400GBのmicroSDXCに対応しています。ハイエンドにしては内蔵ストレージの容量が少ないのがネックでした。

 本体サイズは、約80×158×11.9mm、重さが約236g。初のデュアルカメラ搭載に加えて、5.8型の4Kディスプレーということもあり、ボディーサイズは非常に大きく重くなっています。この点もマイナスポイントでした。

 背面のデュアルカメラは中央に配置され、その下に指紋認証センサーが並び、NFCとQi(チー)方式のワイヤレス充電も備えています。IP65/IP68相当の防水性能と防塵性能も引き続き対応しました。

Xperia初のデュアルカメラの実力は!?

 このモデルの最大の特徴はXperia初のデュアルカメラ「Mortion Eye Dual」です。メインとなるカメラは約1920万画素のメモリー積層型CMOSイメージセンサー 1/2.3 Exmor RS for mobile、焦点距離は25mm相当、F1.8のGレンズを採用。サブカメラは約1220万画素のモノクロCMOSセンサー 1/2.3 Exmor RS for mobile、焦点距離は25mm相当、F1.6のGレンズでした。

 デュアルカメラに加え、ソニー独自の画像融合処理プロセッサ「AUBE(オーブ)」を搭載し、モノクロセンサーの輝度データとカラーセンサーの色データを融合して、2つのセンサーで集めた情報をリアルタイムで合成することで、動画撮影時では最大ISO12800、静止画撮影時ではISO51200の超高感度撮影を可能にしました。

 しかし、発売当初はデュアルカメラの恩恵が高感度撮影しかなく、発売から1ヵ月後にようやくアップデートで背景をぼかす「ボケ」機能や、白と黒のグラデーションが綺麗な「モノクロ(写真/動画)」機能が追加されました。

エンタメ機能は変わらず優秀

 オーディオ機能としては、BluetoothコーデックはLDACとaptX HDに対応していますが、3.5mmのイヤホンジャックは廃止され、オーディオリスニングはワイヤレスヘッドホンが主流になりました。

 映像やゲーム、ミュージックビデオの音をリアルタイムに解析して、ソニー独自のアルゴリズムとパワフルなアクチュエーターから、コンテンツに合わせて本体が振動する「ダイナミックバイブレーションシステム」をXperia XZ2から継承。音量とともに、3段階で「ダイナミックバイブレーションシステム」の効き具合を調整できます。

 Xperia初のデュアルカメラや4K HDRディスプレーなど、本来であれば2018年のフラッグシップモデルになるはずが、発売の遅れや機能の後日追加など後手後手にまわった感は否めません。また、大画面かつ16:9を採用したこともあり、片手で持つには大きく、さらにかなりの重量級だったので、過去に登場した「Premium」シリーズの期待値とかけ離れてしまったモデルでもありました。

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