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ジンズ、近視のない未来を目指すプロジェクト開始

2019年08月07日 20時10分更新

ジンズホールディングス代表取締役CEOの田中仁氏(左)、坪田ラボの代表で、慶應義塾大学医学部眼科学教室の坪田一男教授(右)

 ジンズホールディングスは8月7日、近視進行の抑止効果があると考えられる光「バイオレットライト」のプロジェクトを開始したと発表。慶應義塾大学の医学部発のベンチャーである坪田ラボとの共同プロジェクト。

 ジンズホールディングスと坪田ラボは2020年〜2022年に治験を実施。2022年〜2023年にバイオレットライトを使った「近視進行抑制メガネ型医療機器」の製造販売承認を取得し、管理医療機器事業への本格参入を目指すとした。ターゲットは6歳〜12歳の児童。価格は未定。ジンズホールディングスの代表取締役CEOである田中仁氏によると、なるべくリーズナブルな価格を目指すとのこと。

 坪田ラボの代表で、慶應義塾大学の医学部眼科学教室の坪田一男教授によると、1950年代には香港や台湾などのアジア諸国では近視の率は約20%だったが、2010年代には80%になっているという。また、2020年には近視の人は26.2億人だが、2050年には47.6億人と世界のほぼ半分が近視になる予想とのこと。

 2007年に発表された海外の研究では、親が近視でも野外活動によって近視発生率を抑制できると判明した。たとえば、週に3時間しか野外活動をしないシンガポールでは近視の割合は29.1%。一方で、週に14時間も野外活動をするシドニーでは近視の割合は3.3%に過ぎないという。

 慶應義塾大学の医学部眼科学教室の研究によると、太陽光に含まれるバイオレットライトが眼軸長の延伸を抑え、近視進行を抑制すると考えられるとする。

 今回開発に取り組む近視進行抑制メガネ型医療機器は、室内でも自然な太陽光に含まれるバイオレットライトの照度を再現することで、バイオレットライトを自ら照射する設計を目指すとした。自動電源off機能を採用し、1日の照射時間をコントロールできるとのこと。デザインは子供も自然にかけやすい設計で、Airframeと同じく軽量性と弾力性に優れたものを目指すとしている。医療機器の承認取得に挑むとする。

 代表取締役CEOの田中氏は「我々が非常にチャレンジングなのは、今までの視力を補正するというメガネのアプローチそのものの概念を変えようとしているところにあると思います。補正からさらに踏み込んで、抑制というチャレンジをしたい。ジンズは究極的には近視のない未来を目指す。そういうふうに考えています」と意気込む。

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