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アニソン特化をうたう、ハイエンドイヤホン

歌声がよく聴こえる、finalの新機軸イヤホン「B1」を聴く

2019年07月19日 13時00分更新

 ローズゴールドの筐体は、ピカピカに磨き上げた鏡面仕上げ。素材にはステンレスを使い、複雑に面を切り落とした多面体風になっている。

 finalの新イヤホン「B1」の見た目はとても美しく、そして装着感にも優れている。粉末にした金属素材にバインダー(結合剤)をまぜ、金型にいれてプレス成型した後、高温で焼結して硬くする「メタル・インジェクション・モールド」の技術で作られた製品だ。金属でありながら樹脂と同じように複雑で自由度の高い形状を作れる成型方法だ。

耳に接する側にはシンプルに型番を記載している。

 独特な形状だが、外耳道、耳甲介、耳珠の3点を使って保持することで、圧迫感がなく安定して耳に収まる。特に説明はされていないのだが、音響に関係する内部の形状についてもきめ細かく整えられるのではないだろうか。

安定した装着感が得られる点を説明した図

 3モデルが同時発売されたB seriesのうち、「B1」は、ダイナミック型とバランスド・アーマチュア型のドライバーを1機ずつ搭載したハイブリッド構成の機種となる。型番の数字は開発順。一般的なメーカーとは異なり、価格やスペックの高低を示すわけではない。

 これは、上位/下位の区分けや数値の優劣といった先入観をなくし、音を聞いて気に入ったものを選ぶべきだというメッセージと受け取っている。

外観は自分好みのカスタマイズができる「MAKE series」に似ているが、開発着手のタイミングはB seriesのほうが先だったようだ。

 数多くの製品がリリースされ、飽和状態にあるイヤホン市場。その中でB1は有線で7万円弱という高級機種だ。海外モデルも含めて様々な選択肢があるなか、ここまでの金額を出すのであれば、質感や所有感はもちろんだが、音の面でも相当にいいものでないと満足できない。そんな中、B1が突出しているのは、音色の描き分けの正確さだ。これは、よくある「美音系」とか「音色がいい」イヤホンとは異なるもので、ほかのメーカーとは一味違ったアプローチの製品に感じている。

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