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ワークスモバイル、ACALL、ジョイゾー、コラボスタイル、ギブリーが登壇

LINE WORKSは仕事の入り口として機能する?5社が共催セミナー開催

2019年07月09日 09時00分更新

 2019年6月19日、ワークスモバイル、ACALL、ジョイゾー、コラボスタイル、ギブリーの5社は「LINE WORKSをすべての仕事の入り口に!」というタイトルのセミナーを開催。チャットボット、入退室管理、ワークフローなどさまざまなツールとLINE WORKSを連携させることで、どのような業務改善につながるのか? 各社からはデモも踏まえて、丁寧に説明が行なわれた。

チャットにとどまらない機能を持つLINE WORKS

 登壇したワークスモバイルジャパン シニアソリューション スペシャリストの荒井琢氏は、前日に起こった山形地震を振り返り、タイムリーに発表された「AI防災協定」や大阪市でのLINE WORKS導入などを紹介し、本題である「LINE WORKSをすべての仕事の入り口に!」に移る。

ワークスモバイルジャパン シニアソリューション スペシャリスト 荒井琢氏

 荒井氏は、「朝起きて帰るまで、どれくらいスマホを触りますか?」という質問を参加者に投げる。MMD研究所のスマートフォン利用実態調査では、20~50代のユーザーの利用時間は1~4時間未満となっており、メッセージの送信回数も1~10回にのぼる。このモバイルのメッセージングツールとして、代表的なのがご存じLINEだ。

 現在、LINEの国内MAU(月間アクティブユーザー)はすでに7900万人を超えており、アクティブユーザーの割合も85%を超えている。荒井氏は、「LINEはすでに生活のインフラとして、おそらく電話の通話より定着しているのではないか」と語る。このLINEの使いやすさをそのままに、管理機能とセキュリティを備えているサービスがLINE WORKSになる。

 LINE WORKSのグローバルユーザーは2万7000社にのぼっており、多くの企業で残業や会議の時間、アポ取りの時間が減ったという。個人向けのLINEに対して、LINE WORKSはおなじみのトーク・無料通話・ビデオ通話を中心に、メールやファイル共有などのグループウェア機能や掲示板、組織階層型アドレス帳、アンケートなどのLINE WORKS独自機能も搭載されている。

LINE WORKSのグループウェア機能

 荒井氏は、LINE WORKSの特徴として「メンバーの管理やトークの監査が可能」「メンバーごとの既読が確認できる」「組織図とメンバー情報を参照できる」「プライベートと分けられる」「チャットだけではないグループウェア機能」「有償サービスならではサポート」などを挙げる。もっとも大きいのは、やはりLINEとの親和性だ。「われわれの圧倒的なアドバンテージは、LINEユーザーとのトークが可能になっている点。管理者より外部トーク連携の利用権限を付与されたメンバーは、たとえば自動車の販売ディーラーや住宅メーカーの営業など個人のお客様とやりとりする必要がある場合などに有効だ」とアピールした。

 LINE WORKSはビジネスパーソンのフロントエンドアプリとして、さまざまなシステムやサービスと連携するという方向性を持っている。荒井氏は業務でのスマホの利用シーンを例示する。朝起きて、受信メッセージや通勤経路を確認し、通勤時間には予定や作業レポートを確認。デスクワーク中もメッセージは使われるし、来客の通知、ミーティングの調整、外出中にはワークフローの承認、報告書や見積書の作成、移動経路の確認なども行なう。荒井氏は、「こうしたアクションは、それぞれの異なるアプリケーションが動いているのが一般的。しかし、LINE WORKSはトークから、さまざまなアプリにアクセスし、情報を閲覧したり、入力できる」と指摘する。

業務アプリのフロントエンドとしてのLINE WORKS

 LINE WORKSは、他のサービスと連携することで、使い慣れたユーザーインターフェイスから、安否確認、来客受付、出勤退勤管理、Web電話帳などを利用できる。LINE WORKSはオープンAPI戦略をとっており、パートナーやユーザーが自由に拡張することが可能だ。また、IoT製品や業務システムからの通知を受け取ったり、業務日報や営業支援ツールとして使い慣れたLINE WORKSのUI/UXから入出力することも可能だ。荒井氏は、「いろいろな操作をLINE WORKSをフロントにすることで働き方改革を推進できる」とアピールした。

チャット連携で受付や会議室の入退室管理を効率化(ACALL)

 神戸に本社を置くACALL(アコール)は来客対応の自動化を推進するクラウドサービスを提供する。受付や会議室にACALLを搭載したiPadを設置しておけば、来客は専用のQRコードをかざすだけで受付は完了。受付システムと連携する会議室予約システムも用意。利用状況の把握、入退室の記録、タイムキーパー、ドリンクオーダーなどの機能を持っており、効率的な会議を支援する。

ACALL 取締役 CMO 原敬輔氏

 ACALLは、これまでにメガバンクを含む2000社に導入されているという。たとえば、バックオフィス向けのLINE WORKSとエンジニア向けのSlackを併用しているLINE。本社以外の無人受付では、ACALLとLINE WORKSを連携して使っており、訪問部署に直接つながるようになっているという。

 受付用のACALL receptionではメール通知や電話はもちろん、Slack、Chatwork、LINE WORKS、Microsoft Teams、Google Hangout、Workplaceなどでの通知が可能。また会議室予約のACALL MeetingではGoogleカレンダーとの連携も実現しているという。

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kintoneと連携するチャットボットを作れる「Joboco」(ジョイゾー)

 2番手として登壇したジョイゾーは、kintoneの対面開発サービス「システム39」を手がけている。ジョイゾー 代表取締役社長 四宮靖隆氏は、kintoneと連携するチャットボットの作成を容易にする「Joboco」を紹介した。

ジョイゾー 代表取締役社長 四宮靖隆氏

 kintoneの魅力は業務アプリをブラウザから簡単に使えること、そしてAPIを介してさまざまなサービスと連携できること。こうしたkintoneをストック型コミュニケーション、スマホから簡単に利用できるビジネスチャットをフロー型コミュニケーションを組み合わせ、新しい働き方や業務改善に結びつける。さらに会話を通じてプログラムとやりとりできるチャットボットを組み合わせることで、kintoneのインターフェイスとして利用できるというのがジョイゾーの考え方だ。

 チャットボットを使えば、kintoneに蓄積した顧客情報をチャット経由で聞いたり、チャット経由で日報を登録するといった作業が容易に行なえる。「もちろん、kintoneのモバイルアプリでも可能だが、画面遷移や手数が全然違う。毎日同じ作業をやると、このステップ数の違いは無視できない」と四宮氏は指摘する。

 こうしたkintoneを連携させたチャットボットをすぐに安価に作れるのがJobocoだ。作り方は入れ物になるLINE WORKSのボットを作成し、作成したシナリオを登録すればOK。四宮氏は、アルバイトのシフトをチャットボット経由で登録するデモを披露した。6月にはプッシュ通知に対応し、毎日定時にkintoneからの情報をLINE WORKSに通知することができる。

アルバイトのシフト管理をLINE WORKSから行なう連携イメージ

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働き方改革はワークフローから(コラボスタイル)

 「脱Excelから始める働き方改革」と題し、LINE WORKSから申請業務を改善するというテーマを語ったのがコラボスタイル 営業部 グループ長 古市晋也氏。ワークフロー専業のコラボスタイルは申請や承認業務を省力化する「コラボフロー」を展開する。

コラボスタイル 営業部 グループ長 古市晋也氏

 稟議や申請、見積、経費、調査、報告などを紙やExcelで行なっている会社は多い。Excelを方眼紙に見立て、セルを結合・分割しまくって見た目だけ美しい書式は俗に「神エクセル」とも言われるが、デジタルでありながら再利用性が乏しい。具体的には「どれが最新版かわからない」「集計が大変すぎる」「まとめて検索するのも大変」「マクロの開発者が辞めてしまう」「モバイルで利用しにくい」などの課題があるという。

 もちろん、脱Excelを標榜するエンジニアや情シスは多いが、逆にExcelを使い続ける理由は「どこの会社にもあり」「図表が挿入しやすく」「簡単な作図もでき」「文書のレイアウトもしやすく」「Wordよりも使いやすい」など数多い。Excelは印刷して、紙で使うなら問題ない。特に日本人は漢字とひらがなの濃淡で文章を識別し、罫線の使い分けで情報を分類するため、Excelは何でもできる最強ツールとも言える。欠点はデータベース化されていないため、情報共有の際に問題を来すこと。これを解決するのがExcelでのノウハウをそのまま活かしたコラボフローになる。

 コラボフローはExcelの帳票をボタン1つでWeb画面に置き換え、承認経路を作るだけでワークフローが作れる。これにより、たとえば見積もりの作成において発生する「担当ごとバラバラ」「顧客管理と連動していない」「承認が見えない」「前任者の見積もりがわからない」「販売管理システムに手入力で転記している」といった課題も解決できる。

 もちろんコラボフローはLINE WORKSとの連携も可能で、スマホから素早く申請が行なえる。申請者はLINE WORKSでボットに話しかけると、関連する申請書を探して、メニューから「申請する」をクリックするとブラウザが開く。Excelや紙の帳票と同じ感覚で利用でき、写真なども容易に添付できるメリットがあるという。承認者もスマホ画面から詳細・判定・履歴を確認でき、コメントなども入力できるという。

LINE WORKS連携でスマートフォンからすばやく申請できる

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繰り返しの応対をチャットボット化できるPEP(ギブリー)

 ラストバッターは働き方改革を支援するチャットボットを開発できる「PEP(ペップ)」を展開するギブリー 取締役の山川雄志氏。渋谷のITベンチャーであるギブリーはAI系の技術を実装したチャットボットやエンジニア支援のサービスを手がけている。PEPは既存の業務システムと連携したチャットボットを開発できるツールで、SlackやLINE WORKS、Microsoft Teamsなどのチャットツールと連携する。

ギブリー 取締役 山川雄志氏

 多くの会社では、毎日のように同じような問い合わせや資料探しが繰り返され、Wikiやマニュアルなどの検索性も悪いため、調査によると業務時間の1/4が探し物に浪費されているという。PEPでは、業務システムとユーザーを仲介するチャットボットを容易に作れるため、「人に聞かないとわからない」「探さないと見つからない」となくすことが可能になる。実際にユーザーであるソフトバンクでは年間で2.3億円のコスト削減を実現しているという。

 PEPはLINE WORKSをはじめ、さまざまなサービスとAPIでつなげるほか、ボットだけで回答できない場合は途中から有人対応に切り替えるといったことが可能になる。PEPをハブとして使うことで、LINE WORKSからさまざまなツールを統合的に利用できるようにするのがゴールイメージだという。

PEPとの連携でLINE WORKSを業務改善ツールに

 LINE WORKSとの連携では、チャットが提示できる選択肢をタップして探したり、テキストを自由入力した場合に、自然言語処理によって適切な回答を返すことが可能になる。また、チャットボット側から社員に通知できるので、全社に向けたリマインダーなどで便利に使える。具体的なLINE WORKSの事例としては、メガネのZoffが店舗からの本部対応をチャットボット化し、月80時間を削減したという。

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 業務システムのフロントエンドを標榜するLINE WORKS。パートナーの4社がデモを交えて、ソリューションを紹介したことで、利用イメージもつかみやすくなったのではないだろうか? ワークスモバイルジャパンでは今後もこうしたセミナーを継続的に開催していくという。

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