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8K技術とVR AR 3Dの時代が見えた「NHK技研公開2019」

2019年05月31日 12時00分更新

8K技術とVR AR 3Dの時代が見える
「NHK技研公開2019」6月2日まで一般公開

 NHK放送技術研究所(技研)の最新の研究成果を一般に公開する「NHK技研公開2019」(6月2日まで開催)。技研公開と言えば「8Kが主役」と考えてしまいがちだが、昨年12月に新8K衛星放送がスタートした今、技研公開ではより未来を見据えた出展が多い。2020年代から2030年代以降の放送に向けた出展内容を、ピックアップして紹介していこう。

 2020年代のテレビ放送で注目を集めることになりそうなテーマが“地上波放送高度化”。つまり“地デジの8Kスーパーハイビジョン化”だ。総務省による公式のステータスではまだ正式な検討すら始まっていない段階だが、NHK技研では毎年実験が行われ、その進展が着々と公開されている。

 技研公開2019で公開されていた内容は、「地上波放送高度化方式の大規模野外実験」。これは、東京タワーから送信している8Kスーパーハイビジョンの電波信号を受信して、実際に映像と音声を表示/再生して検証をするものだ。

 地デジと同じチャンネル帯域(6MHz)を利用して、固定受信用スーパーハイビジョン放送と移動受信用ハイビジョン放送(現在のワンセグに相当するもの)を伝送。現在の地デジと同じSISO伝送では31.4Mbps、MIMO伝送を利用すれば62.8Mbpsまでのレート確保が可能だ。

 移動体受信はSISO伝送では1.5Mbps、MIMO伝送では3Mbpsを確保。実験では水平偏波の放送でHEVCフォーマットによる、約28Mbpsの8K放送をライブで表示していた。なお、音声フォーマットはオブジェクトベース音響のMPEG-H 3D Audioをリアルタイムで符号化・復号化する。

「地上波放送高度化方式の大規模野外実験」では実際に東京タワーから放送を受信

「オブジェクトベース音響による次世代音声サービス」デモではMPEG-H 3D Audioを実演

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