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大ざっぱな味わいをどう考えるか:

松屋「和風タルタルチキン定食」の学食っぽさ

2019年05月23日 10時00分更新

「和風タルタルチキン定食」
松屋
5月21日発売
並盛650円
https://www.matsuyafoods.co.jp/2019/05/15/4937/

和風だれ+タルタルは力強すぎる

 基本的には松屋に対して肯定的な自分ですけれども、「うーん」と思うメニューもないではなくて、5月21日から復活した「和風タルタルチキン定食」は、ちょっとどうかな、もうすこし……と感じている今日このごろです。いかがお過ごしでしょうか、モーダル小嶋です。

 そんな書き出しから始めると、ものすごく否定的な感想を持っているかと思われるかもしれませんが、そういうわけでもない。ただ、松屋のメニューの中では、「大ざっぱ」な味だと感じております。もとより牛丼チェーン店の定食が繊細に作られているものではないにせよ、このメニューには、とくにそんな印象を受ける。

 和風タルタルチキン定食は、2018年に期間限定で販売されたメニューで、このたび復活となりました。鉄板で焼き上げた鶏もも肉に、特製和風だれと、玉ねぎが入ったタルタルソースをかけた定食。並盛650円、肉が2倍でライス大盛または特盛が無料のW定食は950円。

 これがねえ……自分は「学食」みたいだなあと思います。見た目といい、食べた感じといい。

 まず、和風だれとタルタルソース。まず、どうして一緒にかけたのかな、と思うわけです。和風なら和風に、タルタルならそれに準じた仕上げになろうものを、いっぺんにかけてある。どちらも個性のあるソースなので、一口食べればベタッとした濃さが舌に残ります。

「牛焼肉定食」などとおなじ食器にチキンが盛りつけてあるのも、大ざっぱな印象です。よいとか悪いとかではなくて

 では、おいしくないか、と言われれば、そうでもない。淡白な味わいのチキンに和風だれとタルタルソースなので、しょっぱくて食べられないことはない。味が濃いので、ごはんは進みます。ただ、奥行きや複雑さなどはなく、初めから終わりまで、ずっと濃いんですよね。和風だれ+タルタルの力強さは尋常ではありません。

 チキンと一緒に入っているのは玉ねぎというのも悪くはないのですが、もう一つなにかがほしいような気がします。中身も味付けもシンプル。なにかをプラスしたらよくなりそうな雰囲気もありつつ、味付けが強烈なので、プラスアルファするとややこしいことになるのも目に見えています。

ボリューム感はある
この大ざっぱな味を愛せるかどうか

 この定食、なにかに似ているなと考えて、気づいたのが「学食」です。なんともシンプルな作り方、ざっくりした味付け。日替わりの定食で、とりあえず若い学生向けに和風だれとタルタルソースをかけました……みたいな、大ざっぱなムードが濃厚な定食なのですね。学生向けの味、と表現するのがしっくりくる。

 タルタルソースのどっしりした後味もありますし、お腹がすいてガッツリ食べたい、という人には向いているかと思います。逆に、さっぱりとしたものがいいかな、と考えているときにはあまり選ぶべきではないでしょう。そのあたりにも、どことなく学食っぽさを感じてしまいます。

チキンとタルタルソースはともかく、そこに和風だれとノリをのせる必要があるのか、という気持ちにはなります

 和風タルタルチキン定食を気に入るかは、この大ざっぱな感じを愛せるかどうか……という点に尽きる。ボリュームはありますが、どことなく適当に作った気もする、この味わい。もっといけるんじゃないか、なにかプラス/マイナスすれば完成度が高まるんじゃないかと、個人的には「うーん」と悩むところもある。

 よくも悪くも、「見たまんま」の味わい。大ざっぱで、学食っぽい。価格も並盛で650円と、高くもなければ安くもない。松屋のメニューとして飛びぬけた完成度ではありませんが、すこしチープな風情が、どうにも、にくめない定食です。みなさんはどうでしょうか。


モーダル小嶋

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。

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