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Intel SSD 660pやOptane Memory単体版との性能差は?

Optane Memory H10を使い倒してわかった利用制限と性能

2019年05月23日 10時00分更新

IntelのハイブリッドNVMe SSD「Optane Memory H10 with Solid State Storage」の512GBモデル(Optane Memoryは32GB)。

 NANDメモリーよりも高速かつ低遅延な「3D XPoint」を採用したOptane Memoryと、3D QLC NAND SSDをひとつの基板に実装したIntelのハイブリッドNVMe SSD「Optane Memory H10 with Solid State Storage」(以下、H10)。

 前回の記事では、HP製ノートPC「HP Spectre x360 13"」に組み込まれた状態で性能をチェックしたが、今回はH10を取り外し、自作PC環境でより詳細な検証を行なった。

 H10はそもそもどのような環境で利用できるのか。また、Optane Memory部分(以下、Optane部とする)とQLC NAND SSD部分(以下、SSD部とする)は、すでに市販されている同社のOptane Memory単体版やQLC NAND SSD「SSD 660p」との違いがあるのかどうか、など気になる部分を中心にレポートする。

H10はまさに「ニコイチ」の製品

 まずは、H10の外観から見ていこう。H10はSSD 660pやOptane Memory単体版の基板と共通する部分が多い。このことから、おそらくH10はSSD 660pとOptane Memory単体版をかなり素に近い状態でひとつの基板にまとめた「ニコイチ」製品、と見てほぼ間違いないだろう。

 実際にH10のSSD部のコントローラーやDRAMの位置は、SSD 660pとほぼ一致している。また、搭載コントローラーはいずれもSilicon Motion(SMI)製で、DRAMはNANYAのDDR3Lの256MB品だ。H10のSSD部だけを見ると、コントローラーとDRAM、シングルパッケージの3D QLC NANDで構成された極小のSSDといった感じで、そのままM.2 2230のSSDとして販売できそうな構成と言える。

H10(写真左)とSSD 660p(写真右)は、どちらもSilicon Motion製のコントローラーを採用している。DRAMの容量やメーカーも同じだ。

 一方で、H10のOptane部も、Optane Memory単体版と酷似したレイアウトとなっている。こちらもチップの配置などがほぼ同じで、コントローラーと思われるカスタムASICも同じようなものが採用されている。異なるのは3D XPointがシングルダイのパッケージからマルチダイのパッケージへ変更されていることぐらいで、SSD部と同様、そのままM.2 2230の製品として販売できそうな感じだ。

H10(写真左)のOptane部とOptane Memory単体版の32GBモデル(写真右)もほぼ同じ構成。コントローラーと見られるカスタムASICも同じようなチップが採用されている。

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