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Facebook 初代CTO、信頼と投票そしてAIで本物の知識を

Quora創設者に聞く、「ネット上の知識はまだ不完全」

2019年05月13日 09時00分更新

 世界最大の質問と回答が集まる知識共有プラットホーム「Quora」(クオーラ)。月間ユニークユーザー数は3億人を超え、米国ではキーワード広告もスタートした。日本語版は2017年11月にローンチ済みで、日本人スタッフも拡充。本格的な日本市場への参入を開始している。その知名度は、国内ではまだまだという面もあるが、感度の高いギーク層には評判がいいサービスだ。

Quoraとは? 世界有数の知識が集まったQ&Aサイト

 Quoraは、簡単に言えばインターネット上のQ&Aサイトだ。国内向けサービスでは、「Yahoo! 知恵袋」や「OKWave」などに相当する。誰でも参加できるが、「実名制」が基本のサービスで、質問の回答者は自身のプロフィールや得意分野を公開するのが前提となっている。質問者はこうした情報を参照して、より信頼性の高い情報を選別できる。また、機械学習などの技術を活用しながら、適切で有益な回答の優先度が上がる仕組みも取り入れている。

 単に規模が大きいだけでなく、政治家のバラク・オバマ氏やヒラリー・クリントン氏、Wikipedia創設者のジミー・ウェールズ氏など、米国の政府関係者や専門家が数多く参加し、実名で回答しているのが特徴だ。

 もうひとつ注目したいのが、その中心に元Facebookの凄腕エンジニアがいる点だ。共同創業者でCEOのアダム・ディアンジェロ氏はFacebookの初代CTOであり、2008年まで技術担当の副社長を務めた経歴を持つ人物だ(もうひとりのチャーリー・シーバー氏もFacebook出身)。

 Quoraは、ディアンジェロ氏がFacebookから独立したあと2009年に設立。 AI技術をつかった、質の高い知識の集積に取り組んでいる。ディアンジェロ氏は、2018年からはオープンソースで人口知能技術を推進していく、OpenAIのボードメンバーも務めている。また、Facebookに買収される2012年までInstagramの顧問/出資者でもあった。

(編集部)

伝説級プログラマーが来日、アダム・ディアンジェロCEOを直撃

 4月26日、日本で新機能「スペース」が公開となりました。同時期に、Quoraの共同創業者のひとりで、CEOを務めるアダム・ディアンジェロ氏が来日し、Quoraについて、そして新機能について紹介してくれました。

 Facebook時代の仲間とともに2009年にQuoraを創業したディアンジェロ氏。サービスを作ったきっかけについて、次のように語ります。

 「人々は頭の中にたくさんの知識を蓄えていますが、その多くはネットで探すことができません。他の人々からアクセスできないのです。しかし、そうした知識は、他の人々に利益を与えることができます。だから、共有し、知識をつないで役立てられるようにする必要がある、と考えました」(ディアンジェロ氏)。

 こうして、質問に対して答えをコメントできるプラットホームが作られました。ディアンジェロ氏はインタビュー中、何度も「(情報の)クオリティ」という言葉を口にしました。情報と知識が良質であることに、非常に注意深く取り組み、またこだわって作られているのがQuoraなのです。

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