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CPU占有率を下げてゲームプレイも配信もPC1台でこなす

GeForce RTX&新NVENC、OBSで高画質ゲーム配信できるって本当?

2019年03月14日 13時45分更新

 PCゲームのプレイ動画配信は娯楽の一大ジャンルとしてすっかり定着したが、配信者にとって配信画質をいかに上げるかは頭の痛い問題だ。

 これまでPCゲーム動画を高画質で配信するには、CPUパワーを利用したエンコードが良いとされてきた。一方で、GPUを使ったエンコードは技術のひとつとして選べるが、画質がいまひとつという理由で避けられがちだった。

 しかし、CPUを使ってエンコードすると本来PCゲームで使うはずのパワーまで食われてしまうため、配信用PCをゲームプレイ用PCと別にするのがベストプラクティスとされてきた。

 もちろん、高性能なメニーコアCPUを搭載するPCにキャプチャカードなどの装備をキッチリ整えれば、ゲームプレイも配信もPC1台でまかなえる。しかしそれでは、下手をすると20万円近い追加出費が必要になるだろう。

 そんな中、NVIDIAがPCゲーム動画配信コミュニティーに新たな一石を投じた。今年初頭のCES 2019における基調講演において、定番配信ツール「Open Broadcaster Software」、すなわち「OBS」を用いた高画質配信とGeForce RTX 20シリーズ(Turing)の関連について触れた。Turingに実装された新しいNVENCを利用することで、1台のPCでも2台体制と同等クオリティーの配信が可能になるという。

CES 2019における基調講演での一幕。「ShadowPlay」というドライバーに統合された配信機能があるにも関わらず、OBSというゲーム配信で大きなシェアを占めるツールへの積極的なコミットを表明した。

CESでの発表後、NVIDIAのサイトに掲載された記事。CPU(x264 Fast)より新しいNVENCのほうが画質(正しくはPSNR)が良好で、配信専用PCでエンコードする時と同等のクオリティーが得られるという。

RTX 20シリーズ(Turing)と新しいOBSとの組み合わせだと、x264 Fastでエンコードした時より細かい文字などもクッキリ記録できると主張している。

 2月25日、OBSの最新バージョン“23.0.0”が公開され、GeForce RTXシリーズ及びGTXシリーズ向けの最適化が盛り込まれたことが正式にアナウンスされた。Turingと最新OBSで高画質配信が可能になるという話は果たして本当なのか? 実際どの程度画質が違ってくるのかなどを検証する。

OBSのバージョン更新時のメッセージ。OBS 23.0.0では新しいNVENCを選択することで、ゲームプレイ中のエンコード負荷を軽減するほか、2つの新設定が利用可能になったと記されている。そして、Windows 7ではOS側の制限により恩恵が受けられないともある。

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