2019年02月13日06時30分

夕張高校「インスタ部」など、高校生が身近な課題を解決するプログラム

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 2018年6月より全国10ヵ所で開催された、高校生向けの起業家教育プログラム「学びと社会の連携促進事業(起業家教育)」。全国4エリアの自治体と高等学校6校で計20時間のプログラムが実施され、それぞれ最終日には成果発表会で、2019年2月13日に開催する全国大会への進出チームが選出された。

 後編では、青森商業高校、夕張市、京都須知高校、小諸商業高校、高松工芸高校から全国大会へ進出するチームの取り組みを紹介する。

■■前編はコチラ■■

青森商業高校

 青森商業高校では、商業科の1年生を対象に、全5日間のプログラムを実施。青森の活性化をテーマに課題解決型ビジネスを考案した。最終日のプレゼンは10チームが発表し、 SCOカンパニーの「わやいいじゃ新町」が優秀賞を受賞した。

■商店街を100円バスで活性化

 SCOカンパニーは、新町の魅力を発信し、商店街に人を呼び込むアイデアを提案。

 新町商店街は、ユニバーサルデザインが採用され、ベンチが多く、水飲み場には小さな子供用の踏み台もあるなど、福祉対応型商店街になっている。設備が整っているにも関わらず、人が集まらない理由は、商店街の魅力が十分に認知されていないことと、駐車料や公共交通機関の料金の高さに原因がある。

 そこで、市営バスの協力を得て、商店街のメイン通りにある4つのバス停を100円で利用できるようにすることを提案。毎月20日から27日の1週間、新町商店街のお店を利用すると、金額に応じてバスの回数券がもらえる。

 バスの回数券は、100円×10枚、50円×10枚、10円×10枚の3種類を発行。回数券の購入費の20%をSCOカンパニーの収入とする。また、新町の魅力を伝えるため、バスの座席に置く冊子とウェブサイトを制作し、冊子とウェブに掲載する店舗からの広告収入を得る仕組みだ。

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夕張市

 夕張市では、 「夕張の未来づくりに向け、答えのない課題に立ち向かうプロジェクト」と題して、夕張高校の生徒6名と、市役所職員、北海道で活躍する方々を巻き込み、プログラムを実施した。最終発表会では、審査員と検討の結果、「もう一つの帰り道」と「ふぁぼって2クラス」の2つをミックスさせた提案に作り替え、全国大会でプレゼンする予定だ。

■学校の近くに思い出づくりができる場所がほしい

 1チーム目のタイトルは、「もう一つの帰り道」。帰り道に思い出づくりをできる場所を作りたい。夕張は広く、家が離れており、学校への往復はスクールバスとなり、放課後や休日に友達と遊ぶ機会が少なく、学生生活の思い出がつくりにくい。解決策として、学校の近くにみんなで遊べる場所をつくることを提案。

 プランとして、場所はホームセンターの跡地を利用し、スポーツができる体育館、屋外の運動場、休憩所を備えるという。また、キッチンスペースを設置し、学生がキッチンを利用して飲食販売、カフェの営業、ライブイベントなどさまざまな事業にもチャレンジできるようにする。運営費用は、月額3000円の利用料、企業に対しては1日3万円の使用料を想定しているとのこと。

■インスタ部で夕張高校の魅力を発信

 「ふぁぼって2クラス」は、夕張高校の生徒数を増やし、2クラス化の実現を目指すアイデアを提案。夕張高校の抱える課題は、少子化による生徒数の減少だ。5年前の150人から66人に減少し、クラス替えがなく、全員が幼馴染状態だ。そこで、生徒数を増やし、1学年2クラスにすることを提案。しかし、現状では夕張中学の半数は市外の高校へと進学し、市外からの入学生もないそうだ。

 そこで、夕張高校のイメージアップの戦略として、夕張高校に「インスタ部」を設立。Instagram(インスタグラム)を使って夕張の魅力を中学生に発信していくという。

 また、夕張高校OB/OGの支援で校舎の外壁をメロン色に塗装にする「集まれゆうばりっこ」という企画を提案。企画に参加することで同窓会や出会いのきっかけもなりそうだ。

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須知高校

 須知高校(しゅうちこうこう)では、3年生の食品科学科・公園管理課の生徒を対象に、課題研究授業の延長線上の取り組みとしてプログラムを実施した。

 プログラムでは、「乳肉」「園芸」「穀物」「公園管理」のチームに分かれ、それぞれが課題研究で取り組んでいる内容を組み合わせて、須知高校の資源をフル活用したビジネス開発を考案。全国大会には、課題研究発表会でプレゼンを行った3名が参加する予定。

■夏休みの学校施設を利用した1泊2日の農場体験ツアー

 須知高校では2年生になると、食品加工コースは「穀物」「園芸」「乳肉」の3つの専攻と、公園管理コースに分かれて専門的な学習を行なっている。そこで、この「穀物」「園芸」「乳肉」「公園」の4つを盛り込み、夏休みを利用した1泊2日のファミリー向けツアーを企画。

 1日目はアイスクリーム作り、野菜収穫、夕食は収穫した野菜や食肉でバーベキューをし、翌日は学校林の散策、動物との触れ合い、巻き割り体験、ピザづくりなどが楽しめる。学校を広くPRと生産物の売り上げを伸ばすことができる。プランの実現には、金額の設定や募集方法などの課題があるが、学校を活用した新しいビジネスになりそうだ。

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小諸商業高校

 小諸商業高校商業科では、1年生を対象に、起業家教育プログラムを実施。講師陣とともに生徒の身近な出来事を掘り下げて課題を見つけ、インタビューを通じてユーザーのニーズを探る活動を経て、最終日には11チームがプレゼンを行なった。審査の結果、「ざくぴー ~効率のよい買い物~」が優秀賞に選ばれた。

■スーパーの買い物を効率化するスマホアプリ

 「ざくぴー」とは、ポーランド語で「買い物」の意味。アプリには「買い物リストの作成」「チラシ」「画像検索」の3つの機能があり、買い物リストを作成して検索すると、商品のある最寄りのスーパーマーケットを探せる。

 「チラシ」はスーパーの特売情報のほか、商品レビュー、アレルギー情報なども見られるようにする。「画像検索」は、商品名のわからないものを写真から検索できる機能だ。アプリの利用料は基本無料で、画像検索機能を月額200円とし、契約店舗からの広告収入として月額4000円と想定しているそうだ。

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高松工芸高等学校

 高松工芸高等学校では、デザイン科の3年生を対象に、課題研究の授業と起業家教育事業のコラボレーションとしてプログラムが実施された。課題研究は、地元の電鉄企業である高松琴平電気鉄道(ことでん)の沿線活性化をテーマに、ことでんの取り組みについて話を聞き、夏休み期間のフィールドワークとして各駅を見学した。

 フィールドワークなどで見つかった課題から、プロダクト、メディア、ビジュアルの班に分かれて具体的な企画を考案。沿線の魅力を伝える映像、券売機や踏切、電光掲示板を主役にしたCMの制作、オリジナル車両のデザイン、お土産品、沿線各駅のキャラクターを作成し、キャラクター総選挙をするなど、さまざまな取り組みが行なわれた。

 2018年12月15日には、仏生山駅で一日限りの謎解きイベントを企画。ことでんの車両に装飾を施した体験型イベントを成功させた。全国大会では、これらの地域や地元企業を交えた取り組みを紹介する。

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「見つけよう、新たな自分」~未来のわたしと仕事を考える創業イベント~
グループセッション4高校生起業家教育プレゼンテーション

 2019年2月13日(水)14時45分~17時20分(イベント本編は13:30よりスタート)に、JPタワー ホール&カンファレンスにて開催。
http://www.sougyouschool.jp

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