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東京ヴェルディの救世主にアカツキはなれるのか?

 2018年12月20日、モバイルゲームのアカツキが東京ヴェルディの株式を取得したと発表した。以前からコーポレートパートナーとして東京ヴェルディを支援してきた関係だが、今回の株式取得により東京ヴェルディはアカツキの関連会社となる。アカツキの狙いは何か? J1昇格を目指す50周年を迎えた名門に、アカツキは何をもたらすことができるのか? アカツキの共同創業者の塩田元規代表取締役CEOと、執行役員の経営企画部部長兼事業開発部の梅本大介部長にうかがった。

アカツキ 塩田元規代表取締役CEO(左)、執行役員 経営企画部部長兼事業開発部 梅本大介部長

――なぜスポーツビジネスに参入するのか、その狙いを教えてください

塩田氏 アカツキのビジョンをお話ししますと、我々はゲームとITの会社と思われていますが、我々自身はそういう認識はしていません。人の心を動かす、体験をつくっていく会社で、エクスペリエンスデザインと称しています。心を動かす体験を通じて人の心を幸せにすることにフィットするのであれば、あらゆるものに可能性があると考えています。

 心を動かすという点でスポーツは最たるものだと言えます。ユーザーはものを買うために来ているのではなく、そこにある体験、感情の動き自体が価値になっている。それがスポーツ産業の世界です。そこに我々も参入して、アカツキのレインボーカラーのロゴマークのように、人々の生活をもっとカラフルにしたいという思いがあります。

――そこで東京ヴェルディを選んだ理由は?

塩田氏 まずは”ヴェルディが好き”という単純ですが重要な理由があります。僕はJリーグ世代で、Jリーグが開幕した1993年に小学校低学年で、ヴェルディの選手に憧れてサッカーをやりました。ヴェルディの黄金時代を知っていますし、僕らにとって現在も大きなブランドです。

 ゲームの世界では、IP(知的財産)や有名作品を使ってゲームを作るときに重要なもののひとつに、「過去、ユーザーにどういう価値を提供していたか」というものがあります。今いいものにはみんなが飛びつきますが、過去に素晴らしかったものをリバイバルすることも可能です。過去の栄光があるということは、物語があるということです。それを自分たちの力でもう一度包み直して広げていく――潜在力がとても大きいんです。子供の頃の体験や子供の頃ファンだったものは、大きな力を持っています。ヴェルディはすごかった、あのサッカースタイルは良かったという印象が残っている。これをリバイバルすれば、子供の頃にそう感じた大人に訴求できるし、再燃すると思います。その上で、次の50年、100年に向けて新しいヴェルディの物語を生み出していきたいですし、そのサポートをアカツキがさせていただければ、と考えています。

 ヴェルディを選んだ理由としてもうひとつ、ヴェルディが東京を本拠地とするチームであるという点です。アカツキは世界を目指しています。そこで、スポーツチームに関わるのであれば、世界に届くブランドにしたいという思いがあります。そこではやはり、首都・東京が重要です。日本を代表するスポーツチームが世界に出ることは、スポーツ産業だけではなく日本という国が世界に対して認められる国になるということを意味します。我々はそういう大きな志を持っています。

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