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Xperia Z4は高性能ながら発熱に悩まされた不遇のモデル

2019年01月22日 10時00分更新

 日本でAndroidスマホといったら「Xperia」! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(基本的に登場するのは国内で発売されたモデルのみです)。

ハイエンドながら発熱に泣かされた悲運のモデル
「Xperia Z4」

 2015年6月にドコモから発売された「Xperia Z4 SO-03G」は、Xperia Zシリーズとしては5代目に突入。

 ディスプレーサイズは5.2型(1080×1920ドット)、鮮やかな色彩を表現できる「トリルミナスディスプレイ for mobile」や、インターネット動画など低画質の場合でも輪郭や画素の劣化を復元して本来の質感やディテール感のある動画を再現する高画質エンジン「X-Reality for mobile」を採用しました。

 スペックはさらに高性能になり、プロセッサーには64bitのオクタコア、Snapdragon 810(2.0GHz+1.5GHz)を搭載し、メモリー3GB、内蔵ストレージ32GBと、当時のハイエンドモデルのトレンドを取り入れていたのです。

 さらに、LTEはドコモのLTE-Advanced(PREMIUM 4G)に対応したことで、下り最大225Mbpsが可能に。Wi-Fi通信では、IEEE802.11a/b/g/n(2.4GHz/5GHz)/ac準拠に加えて、2本の送受信アンテナを同時に使える「MIMO」に対応したことで、下り最大866Mbpsでの通信が可能ととなりました。

 本体サイズは、長さ約72×146×6.9mm、重さは約144g。本体の形状は、フルフラットな両面とアルミ板から削り出した継ぎ目のないメタルフレームを採用したオムニバランスデザインを「Xperia Z3」から引き続きながら、さらに薄く軽くなっています。

 特に丸みをおびたコーナー部分には、着色された樹脂の上に、透明な樹脂を重ねることで、使用による塗装剥がれを防ぐ加工が施されています。

 SIMカードとmicroSDカードを一体化させたトレイになり、開閉するフタを1ヵ所にすることで、全体的に凹凸が極力少なく、よりシンプルかつ美しいデザインの印象が強くなりました。カラーバリエーションは、ブラック、ホワイト、カッパー、アクアグリーンの4色展開です。

高性能カメラは前モデルを継承

 メインカメラは、コンパクトカメラと同等サイズの1/2.3型、約2070万画素のイメージセンサー「Exmor RS for mobile」を採用しており、高精細な写真が撮影できるソニー独自の画像処理エンジン「BIONZ for mobile」や、F2.0の明るく広角撮影ができる「Gレンズ」を搭載と、好評だった機能はそのまま引き継いでいます。

 高感度イメージセンサーと高画質画像処理エンジンにより、最大でISO12800まで対応し、薄暗いシーンでもノイズを抑えつつクリアな撮影が可能です。暗い場所や逆光時でもカメラがシーンを認識して最適な設定に自動調整する「プレミアムおまかせオート」に、新たに料理も美味そうに撮れる「料理モード」が加わりました。

 また、インカメラは510万画素のイメージセンサー Exmor R for mobileと焦点距離25mmの広角レンズへと進化し、背景を含めた高画質な自撮りができます。自動シーン認識の「プレミアムおまかせオート」や、電子式手ブレ補正技術「インテリジェントアクティブモード」をフロントカメラでも使えるようになったことで、自分を含めた仲間同士でよりキレイな写真や動画を残すことができるようになったのです。

さらに高音質再生が可能になったハイレゾ

 オーディオ機能は、音楽CDよりも高音質なハイレゾ音源の再生と、周囲の騒音を最大約98%カットするデジタルノイズキャンセリング機能を搭載。ハイレゾ音源は「Xperia Z3」では96kHz/24bitでしたが、「Xperia Z4」では192kHz/24bitの再生まで可能になりました。

 Bluetoothで接続する際には、今までのコーデック(SBC)と比べて最大約3倍の情報量(990kbps)でデータを転送できる「LDAC」に対応したことで、ワイヤレス環境での再生でも高音質なサウンドを視聴できるようになりました。

 さらに有線のヘッドホンをつないで一定時間音楽を聞いているうちに、本体がヘッドホンの周波数特性を測定して、ヘッドホンの周波数特性に応じて最適な設定で再生してくれる機能も加わりました。

 ほかには、microUSB端子を下部に移し、IPX5/8相当の防水性能とIP6X相当の防塵性能を備えつつもイヤホンジャックと同様にキャップレスとなり、フタの開け閉めなくダイレクトに接続できるようになりました。

 バッテリー容量は2930mAh。STAMINAモードを設定することで、アプリの待機時の電池消費を抑えて、よりバッテリーを長持ちさせることができます。災害などの緊急時には、必要最低限の機能のみ動作させて待受状態を長持ちさせる「緊急省電力モード」を備えています。

多くの進化点があったものの……

 本体は「Xperia Z3」からより薄く軽くなり、デザインもよりシンプルになり、そのうえでインカメラの進化やハイレゾの高音質化、「LDAC」のワイヤレスでの高音質化など、非常に進化点の多かった「Xperia Z4」。

 そこまでは良かったのですが、パフォーマンスでは2倍とも言われたプロセッサー(Snapdragon 810)は、負荷がかかると発熱により本体背面が非常に熱くなってしまう、もしくは冷却されるまでにパフォーマンスが落ちてしまうなどという症状が発生し、問題になりました。せっかくの高機能がこの事によりかき消されてしまった、不遇な機種でもありました。

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