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JH Audio×Astell Kernの新コラボイヤホンは、ビートの再現が素敵

マイケル・ジャクソンの名曲「Dirty Diana」の名前を冠したイヤホン「Diana」

2018年12月25日 18時50分更新

Diana

 ハイレゾプレーヤーの「Astell&Kern」とJerry Harvey(ジェリー・ハービー)氏が主宰するオーディオブランド「JH Audio」。そのコラボレーションで生まれた最新製品が「Diana」だ。

 両社コラボの歴史は長く、2014年、第2世代Astell&Kernのハイエンドモデル「AK240」の時代に、「Roxanne Universal Fit」をベースとした「AKR03」を発表。以降「Layla」「Layla II」「Angie」「Angie II」「Roxanne II」「ROSIE」「Michelle」「Michelle Limited」「Bille Jean」など、様々なユニバーサル型インイヤーモニター(IEM=イヤモニ)をリリースしてきた。

SP1000Mとの組み合わせ

 結果、40万円に迫る高価なものから、3万円台のモデルまで幅広いレンジをカバーすることになった。どれも魅力があるが、バランスド・アーマチュア(BA)型のマルチドライバー構成を取り、ロックを楽しく聞かせる充実した低域の再現性などは共通するポイントだ。製品名には基本的に、世界的アーティストの楽曲に由来した女性の名前を採用。ハービー氏が次にどの作品を選ぶかも個人的な関心事となっている。

久々のアルミ筐体は、ポップな赤とシルバーのカラーリング

 ここで紹介する「Diana」は、その最新モデルだ。

 名称はマイケル・ジャクソンの「Dirty Diana」にちなんでいる。最近「平成最後の~~」的なあおり文句をよく聞くが、アルバム「BAD」に収録されており、個人的には「昭和の最後ぐらい」によく流れていた曲の気がする。映画『ムーンウォーカー』観に行きました。

 アルミ製の筐体に3ウェイ3ドライバーを内蔵したモデルだ。このところ、比較的手が届きやすい価格帯を狙う方向性だったJH×Astell&Kernのコラボモデルだが、MichelleやBilly Jeanは樹脂筐体だった。金属筐体は上位モデルに限られている。

ハウジングの左右にAstell&KernとJH Audioのロゴをそれぞれ置いている点は従来のコラボイヤホンと同様だ。

 その音は「オーディオファンを念頭に、Astell&Kernのプレーヤーとのマッチングを考慮に入れた、フラットで情報量をしっかり導き出すサウンド、そして、その比類のないダイナミックレンジは、Astell&Kernユーザーにとってのリファレンスイヤホンとして、最適な選択の一つとなる」としている。

 アルミ合金製ボディーは、外側に「強い赤」、内側に「明るいシルバー」を使ったツートンカラーとなっている。素材感も含め、ポップでライトな雰囲気。サイズもJH Audioのイヤホンとしてはコンパクトなほうだ。装着性も考えられている。JH Audioの上級機は多ドライバーでそのぶん大型になりがちだ。音に魅力があるが、少々使いにくいと思っていた人にもメリットがあるだろう。

 内蔵する3つのドライバーは独自開発/新設計となっている。高域/中域/低域に各1基のBA型ドライバーを使用する3ウェイ構成で、JH Audio製品のコア技術である、「freqphaseテクノロジー」を活用。チューブ型ウェーブガイドを使って、マルチドライバーの時間軸/帯域ごとの位相を整えている。

ドライバー構成の模式図

高域と低域の位相を整える導管はDianaの場合2つ。

シェルの構造を解説する図

 さらに直近モデルの「BillyJean」を開発した際に得たノウハウ「アコースティック・チャンバー・サウンド・ボア」も採用した。これはノズルの出口部分に、大きめの空間をくり抜いたもの。高域の特性を調整するとともに、ノズルに汗や異物が入り込むことを防止する狙いがあるという。

ノズルと先端の間に少し空間を取り、音質調整に利用している。

 ケーブル交換が可能な機種だが、端子はイヤモニでよく用いられる2pinタイプ。ここはBilly JeanやMichelle Limitedと同じで、広く出回っている交換ケーブルも利用しやすくなっている。

MichelleやBillyJean同様ケーブル端子はIEM 2pinタイプだ。

 とはいえ、標準ケーブルは4Nの純銀と、銀メッキした7Nの銅線(OCC)を組み合わせたハイブリッド導体で、非常に太く、質の高さも感じるものだ。単体で売っても需要があるものと思えたほど。ちなみにNは「Nine」の略で純度を示す。7Nであれば99.99999%と「9」が7桁続く純度ということだ。

 なお、BillyJeanを除いた従来のモデルでは、端子の異なるケーブルを2種類同梱していたが、Dianaにはバランス駆動対応のもの(2.5mm4極端子)のみが付属する。ただし、一般的な3.5mm3極端子に変換するためのショートケーブルも付属する。バランス駆動用端子を持たない、Astell&Kern以外のプレーヤーと組み合わせたいと考えている人も安心だろう。導体や太さなどは同じと思われ、かつ接続時の安定性も高い。

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