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ソニーOEMのメモ専用端末に独自性も付加

パソコンの富士通が「文具の富士通」に? 電子ペーパー採用「手書き端末」を販売

2018年12月19日 07時00分更新

 富士通クライアントコンピューティング(以下、FCCL)は12月18日、紙のノート代わりに使えて“手書きができる、ペーパーレスノート”をコンセプトとした“電子ペーパー”を発売した。ディスプレーに電子ペーパーを採用。紙と同じ感覚で手書きができる機能に特化して、「次世代の文房具」を目指す。

富士通クライアントコンピューティングの電子ペーパー。A4/A5の2つのサイズを用意

 A4サイズの「電子ペーパーP01」、A5サイズの「電子ペーパーP02」の2製品を用意。12月18日から直販サイト「富士通 WEB MART」のみで販売する。直販価格はP01が8万6200円、P02が7万5500円。キャンペーン価格として、期間限定でそれぞれ7万4800円、4万9800円と安価に提供している。

 電子ペーパーは、紙のように光を反射して表示するタイプのディスプレー。紙と同様に外部光源が必要だが、日光下でも紙と同様の視認性を誇る。いったん表示すると電力をほとんど表示せず、書き換え時のみわずかな電力を消費する低消費電力も特徴だ。

電子ペーパーなので、外光があればくっきりと表示される。画面サイズは、P01が13.3型1650×2200ドット、P02が10.3型1404×1872ドット

 すでに電子書籍端末やサイネージなど、幅広く使われているが、FCCLの「電子ペーパー」では、閲覧ではなく手書きに特化している点が特徴的。紙の手帳やノート、スケジュール帳の置き換えを目指し、PCからPDFファイルを読み込むことで、紙資料のデジタル化によるペーパーレス化も狙っている。

 本体の薄さは約5.9mm、重さはP01で約350g、P02で約251gとなっている。薄型軽量サイズを実現。このサイズに11GBのファイルを保存できる(総容量は16GB)ため、大量の紙資料でも余裕で持ち歩ける。バッテリ駆動時間も約3週間と長い。

 Windows向けの「Digital Paper PC App」も提供され、無線LAN、Bluetooth、USBケーブル経由でのPDFファイル転送が可能。同社では、スキャナーで紙資料をPDF化し、電子ペーパーに集約してペーパーレス化を想定する。

手書きのスケジュールを表示

PCやスキャナーと連携してPDFファイルを転送できる。環境に応じて無線LANやBluetoothを使う。FeliCaも搭載していて、パスワード代わりに対応スマートフォンをタッチしてロック解除も可能

本体側面。左右両方に溝があり、ペンを装着できる。左右どちらにも装着できるのは便利

本体上部には電源ボタンとマイクロUSB端子を装備

 同様の端末はソニーも提供しており、実はハードウェアも同じものだという。基本的な仕様も共通しているが、背面のデザインやソフトウェアなど、FCCL独自のカスタマイズも入っているという。

なだらかなカーブを描く背面

 特にソフトウェアでは、手書きにこだわり、ノートとカレンダーのUIを採用。紙のスケジューラーのように手書きでスケジュールを書き込めるほか、カレンダーに白紙のページを追加して書き込みページを増やせるなど、デジタルならではの特徴も備えている。指先を広げたり、狭めたりする「ピンチイン・アウト」で拡大縮小が可能で、拡大縮小しながら手書きの書き込みもできる。

電子ペーパーの特徴

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