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ONTAP搭載のストレージがレノボブランドで登場

レノボ・ネットアップ連合が第一弾となるストレージ製品を発表

2018年10月15日 07時00分更新

 2018年10月12日、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズは、米国で9月13日に発表されたネットアップとの協業展開に基づいたストレージ製品群を発表した。ユニファイドストレージとブロックストレージの2シリーズを展開し、エンタープライズにおけるストレージのポートフォリオを強化する。

サーバーのレノボとストレージのネットアップでタッグ

 発表会で登壇したLenovo データセンターグループ アジアパシフィック担当プレジデント兼レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 代表取締役社長のスミア・バティア氏は、昨年はThinkPadだけでなく、x86サーバーも25周年を迎えたこと、累積の出荷台数も2000万台を突破したことをアピールした。

Lenovo データセンターグループ アジアパシフィック担当プレジデント兼レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 代表取締役社長のスミア・バティア氏

 また、サーバーのポートフォリオやブランディングについても説明。2014年、レノボがIBMのx86サーバー事業を買収した際には、「System x」や「ThinkServer」、「BladeCenter」、「FlexSystem」など数多く存在していたブランドを、Software-Defined Infrastractureを標榜する「ThinkAgile」とデータセンター向けのサーバー・ストレージ・ネットワーク製品の総称である「ThinkSytem」に統合したことなどを説明した。

 その上で販売チャネルやサプライチェーンの整備、パートナー制度の確立などを進めるほか、製品の性能、信頼、顧客満足度の3点に徹底的にこだわってきたと強調。バティア氏は、「パフォーマンスに関しては、昨年は86のベンチマークで世界記録を打ち立てることができ、今年はすでに117に拡大している。フェラーリやブガッティをスポンサーするのも、やはり速さにこだわっているからだ」と語る。

レノボとネットアップのグローバル協業の内容

 そしてグローバルで締結されたレノボとネットアップの協業に関しては、Lenovoブランドのサーバーとネットアップのストレージにより、広範な市場ニーズをカバーする強力なポートフォリオを実現できると説明。協業の中にはストレージ事業の拡大に向けた販売とマーケティング分野での協業を推進するほか、中国市場を開拓すべく合弁会社を設立することも含まれている語った。

 発表会にはネットアップ代表執行役員社長の岩上純一氏も登壇し、国内オープンネットワークストレージ市場の出荷額と出荷容量、オールフラッシュアレイの出荷額の3つの分野でネットアップがシェアNo.1となっている点をアピール(IDC調べ)。「今年の後半はフラッシュとHDDのコストが逆転し、国内のデータセンターでもモダナイゼーションが始まる。このタイミングに間に合わせることができた」と今回の協業の意義を強調した。

ネットアップ 代表執行役員社長 岩上純一氏

 また、岩上氏は、「今までストレージは性能面で遅かったので、サーバーの足かせになっていた」と指摘し、レノボとの協業によりサーバーとストレージを最適化したトータルソリューションが実現できるとアピール。エントリ・ミッドレンジ市場に強いレノボと組むことで、ネットアップのシェアも上げていきたいという野望も披露した。

ネットアップ製品で幅広いポートフォリオを実現

 今回発表されたレノボブランドのネットアップ製ストレージは、ユニファイドストレージ「Lenovo ThinkSystem DMシリーズ」3製品、ブロックストレージ「Lenovo ThinkSystem DEシリーズ」の3製品となる。レノボが従来から提供してきたエントリ向けの「ThinkSystem DSシリーズ」、ミッドレンジの「Lenovo Storage Vシリーズ」に、これらネットアップの製品群を追加することで、幅広いポートフォリオを実現。管理ソフトウェアである「Lenovo XClaity」を用いることで、ThinkSystemサーバーやストレージ、ネットワーク等をシームレスに統合運用できるという。

サーバーとストレージをXClarityで統合管理できる

 Lenovo ThinkSystem DMシリーズはエンタープライズアプリケーションやサーバーの仮想化・統合に最適なSAN・NAS対応のユニファイドストレージ。1.4PB(HDD)の「DM3000H」、1.2PB(HDD)の「DM5000H」、2PB(SSD)の「DM5000F」、4.8PB(HDD)の「DM7000H」、5.89PB(SSD)の「DM7000F」の5モデルが用意された(Hモデルは2TBのNVMeキャッシュ付き)。全機種デュアルコントローラーで、DM3000/5000は32GBメモリ、4つのI/Oポートを搭載し、DM7000は128GBメモリで、16のI/Oポートを搭載する。

 DMシリーズはネットアップのストレージOS「ONTAP」を搭載し、SVM(Storage Virtual Machine)とLogical Interfaceにより、無停止でのハードウェア拡張・更新が可能。マルチプロトコル対応、NVMeリードキャッシュ、レプリケーション、スナップショット、重複排除など多彩な機能を搭載する。iSCSI(10GbE)、48TB(4TB×12)、3年間のサポート付きでのDM3000Hの参考価格が777万5500円(税別)から。

 一方のLenovo ThinkSystem DEシリーズはビッグデータ分析やHPC、バックアップなどに最適なシンプルなSANストレージ。システムメモリ、ホストI/Oポート、ドライブ数の違いにより、「DE2000H」「DE4000H」「DE4000F」「DE6000H」「DE6000F」の5モデルを用意する。OSには実績の高い「Santricity OS」を搭載。SAS HDD7.2TB(1.8TB×4)、3年間のサポート付きでのDE2000Hの参考価格が265万600円(税別)からと。

 いずれもネットアップの技術を用いた製品だが、製造はレノボが自社工場で行なっているとのこと。レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 執行役員 製品企画統括本部 統括本部長の橘 一徳氏は、今回の協業の意義として、サーバーとストレージを統合管理できるXClarityのメリット、有償のLenovo Premier Supportによるサーバー・ストレージの統合的なサポート、そして新規顧客・販売パートナーを開拓するプロモーション活動の推進という3点をアピール。レノボもストレージ関連の技術者を増やすとともに、パートナーとともに新しいビジネスを開拓し、競合となるHPEやデルと対抗していくことを表明した。

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ 執行役員 製品企画統括本部 統括本部長の橘一徳氏

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