2018年10月04日10時00分

北京のアップルストア前から闇の勢力が消えた理由

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王府井のアップルストア

 iPhone人気は中国でも高く、スマートフォン全体の販売台数ではすでにファーウェイやOPPOに抜かれているとはいっても、それは全体を平均化した数値のこと。上海や北京などの大都市部では、地下鉄に乗れば右も左もiPhoneが多い光景は今も昔も変わりません。では新型iPhone XSの人気はどれくらいあるのでしょうか? 9月下旬に北京を訪れ、アップルストアの様子を見てきました。

 北京にあるアップルストアのうち、繁華街である王府井(ワンフーチン)の店舗は2012年に中国国内で6番目に開業したお店。今年6月から改装のため休業していましたが、iPhone XSの発売に合わせ9月17日から再オープンしています。北京地下鉄の王府井駅を降りてメイン通りを歩くと、真っ先に目に入るのがOPPOの広告。やはり今のメーカーの勢いはこんなところにも出ています。

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王府井の顔はOPPO、そしてネイマール

 メイン通りを奥まで進んでいくと大きい交差点に出ますが、アップルストアはその角に店を構えています。その向かいにはお店はないもののVivoの大きな広告があり、Vivoもかなり力を入れて宣伝していることがわかります。シャオミやファーウェイを出し抜いてこの2社がワンフーチンに広告を出しているというわけです。

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アップルストアの向かいにはVivoの巨大広告

 さてアップルストアの前に行くと、ちょっといつもと雰囲気が違うように感じられました。この写真は人が少ない時を狙って撮影したのですが、余計な人が写っていません。余計な人とは、店の前で待ち構えている転売・買取人たちです。中国のiPhone販売は予約制なので、当日並んでは買えないそうです。つまり転売人たちが行列を作ることはありません。そのため、転売品を仕入れたい業者は店を出てくる人間を捕まえては「売らないか」と声をかけるのです。ところがその転売屋が見当たりません。

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アップルストアの前に怪しい人影は皆無

 iPhone XSは在庫が豊富なようで、予約すればすぐに買えるため転売を利用する客が少ないのかもしれません。あるいは店の前に公安が常駐しているので怪しい連中はここで商売できないのかも。時間があればもう一つのお店、三里屯の店舗も見てくるべきでした。

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公安が常駐していた

 店内に入ると平日昼間にもかかわらず結構な賑わい。iPhone XSだけではなく値段の下がった旧モデルにも人だかりができていました。また、店内のセミナーコーナーも多くの人が集まっていました。iPhone人気は衰えることを知りませんね。アップルの販売方法も転売屋を排除する方向に動いており、ブランド力をさらに高めているわけです。

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ちなみに中国モデルのSIMトレイの裏側。2枚目のSIMを装着できる

 一昔前の中国のアップルストアの前は、SIMカッターを片手にSIM切りサービスをして小銭を稼ぐ輩や、外国人が通りかかるとジャケットの内ポケットからiPhoneの新品の箱を出して売りつけようとする連中がいるなど、「闇」の世界が垣間見えていました。

 それはそれで混沌としていて面白かったものの、中国市場の重要性が高まるにつれアップルもそれらを見てみぬふりができなくなったのでしょう。いまの王府井のアップルストアへ行くと、店の前からここが中国であることを忘れさせてくれるほど。北京に行ったらぜひ立ち寄ってみてください。

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