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スマホを持つ中高生4人中3人がiPhone 親のおさがりでも性能は問題なし?

2018年09月27日 17時00分更新

文● ノダタケオ(Twitter:@noda) 編集●ちゅーやん

 先日9月21日にアップルから発売された新しい端末「iPhone XS」と「iPhone XS Max」。

 iPhone XSは11万2800円(税別)から、XS Maxは12万4800円(税別)からです。消費税はもちろん、さらに故障などの保証サービスへの加入を考慮すると、とても高価なスマートフォンです。残念ながら、大人たちでさえもそう簡単に買い換えることが容易ではなくなったように感じます。

 余談ですが1年365日で割れば1日あたり「XSは約310円で、XS Maxは約342円、XRは約233円」になる計算です。コーヒーチェーン店のドリンク1杯分と考えれば安いものと思えるのですが、購入するための初期投資はかなり大きな負担です。

 この後に発売が予定されている「iPhone XR」でさえも、8万4800円(税別)という価格設定は中学生や高校生の子どもたちに初めて持たせるスマートフォンとしては、ちょっと高価かなと感じてしまうほどです。

 とはいえ、スマートフォンを持ってしまえば「毎日必ず使う、無くてはならないモノ」となります。

買い替えて使わなくなったiPhoneを「子どものスマホデビュー」に

 もちろん、比較的安価な価格設定となっているAndroidスマートフォンを狙うのも選択肢としてはアリなのかもしれません。

 ただ、MMD研究所が2018年9月に公表した「中高生のスマートフォンシェア調査」によれば、中高生が所持しているスマートフォンの内訳はiPhoneが74.2%、Androidは21.9%となっています。多少高価でも「できることならiPhoneを持ちたい」と考える若い世代の子どもたちが多いように感じます。

 これまで、若い世代の子どもたちに初めて持たせるスマートフォンとして選ばれることが多かった「iPhone SE」はラインアップから姿を消し、アップルの公式サイトからは購入できなくなりました。代わりに、引き続き発売されている「iPhone 8/8 Plus」「iPhone 7/7 Plus」を選ぶという方法もありますが、新たにこれらの機種を購入するのもそれなりの初期投資が必要になる場合があります。

 となれば、もし親がiPhoneを新しいモデルへ買い替えるならば、買い替えて使わなくなったスマホを子どもへ引き継ぎ、子どものスマホデビューに活用するのもひとつの手段であるように思います。

1世代、2世代前のiPhoneでもLINE、SNS、動画閲覧なら十二分

 子どもたちのスマートフォンの主な用途は、LINEアプリなどコミュニケーションアプリを使った連絡手段として、Twitterなどのソーシャルメディアの閲覧や投稿、そして、YouTubeなど動画共有サイトに投稿された動画コンテンツの閲覧が大半を占めているようです。

 アップルの公式サイトでもまだ発売されているiPhone 7/7 Plus以降のモデルであればこれらの役割はまだまだ十分にこなすことが可能です。

 また、Androidのスマートフォンと比べ、iPhoneをはじめとするアップル製品は中古でも値段が大幅に下がることがありません。ちょっと堅く言うと、購入してから月日が経過することによる資産価値の低下はAndroidのスマートフォンに比べてiPhoneのほうが緩やかです。

 そういった意味で、乗り換えて使わなくなってしまった1世代、2世代前の「iPhone 8/8 Plus」「iPhone 7/7 Plus」であっても、ブランド力のあるiPhoneは子どもたちのスマホデビューのためのスマートフォンとして活躍できるはずです。

 子どもがまだ小学生であるならば、新規に回線を契約することなく、自宅のWi-Fi接続時だけに絞ることで親の目も届きやすいところで引き継いだiPhoneを使ってもらうことができます。中学生や高校生なら、格安SIMと呼ばれるMVNOの通信事業者と契約すれば安価な通信料金で使うことも可能です。

将来引き継いでいくからこそ「キレイ」に使いたい

 とはいえ、子どもへ渡すときにはできるだけキレイな状態を維持したままであることが必須です。当たり前ですが、ボロボロになってしまったスマートフォンを渡されても、子どもたちはiPhoneを引き継いだときのモチベーションは著しく低下することは間違いないでしょう。

 「親が使ったiPhoneを子どもがお下がりで使う」というお下がり感をできるだけ無くすためには、親が新しいiPhoneを購入するときから、子どもたちへ引き継ぐまでの間、できるだけ新しさを維持するための手間は必要です。

 手軽なところから言えば、購入してすぐにiPhoneを保護するためのスマートフォンケースをつけたり、液晶保護シートを貼ったりすることです。ささいななことですが、化粧箱を残しておいたり、付属品などもきちんと取っておいたりすることも重要でしょう。

 さらに、iPhoneの保証プログラムである「Apple Care」に加入しておくなどのコストをかけることも大切かもしれません。また、SIMフリーモデル以外を購入した場合であれば、格安SIMの利用を考えるとキャリア公式サイトなどからできる「SIMロック解除」をしておくといいでしょう。

 中学生や高校生などの若い世代の子どもたちもスマートフォンを持つことが当たり前の時代となる一方で、初めて持たせるスマートフォンとしてあまり高価なものは持たせたくないと考える親世代の大人たちも多いのは確かです。

 iPhoneがこれまで以上に高級志向となっていくことで、初めてのスマートフォンとしてiPhoneを選ぶのがこれからは難しくなっていくのかもしれません。だからこそ、乗り換えて使わなくなったiPhoneを親から子どもへ引き継いでいく「節約的」な使い方もこれからの方法として選んでみることもオススメしたいです。

ライブメディアクリエイター
ノダタケオ(Twitter:@noda

 ソーシャルメディアとライブ配信・動画メディアが専門のクリエイター。2010年よりスマホから業務機器(Tricasterなど)まで、さまざまな機材を活用したライブ配信とマルチカメラ収録現場をこなす。これらの経験に基づいた、ソーシャルメディアやライブ配信・動画メディアに関する執筆やコンサルティングなど、その活動は多岐にわたる。
nodatakeo.com

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