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無線LANに求められる性能が変わった バッファロー、メッシュ対応の新ブランド

2018年08月04日 12時00分更新

 バッファローは、メッシュネットワークに対応した無線LAN機器の新ブランド「AirStation connect」をスタート。その第1弾として、親機「WTR-M2133HP」(税抜2万7700円)と専用中継機「WEM-1266」(税抜1万2000円)、そのセットモデル(親機+中継器×2、税抜4万7800円)を発表した。

メッシュネットワーク対応で、親機と中継器が最適な経路を自動選択してくれる新ルーターをバッファローがリリース

無線LAN機器のパイオニア
ついにメッシュネットワーク対応モデルをリリース

 発表会では、約20年にわたるバッファローの無線LAN機器の歴史から紹介された。コンシューマー向けの無線LAN機器においてパイオニア的存在の同社だが、2003年には接続設定がワンタッチで可能な「AOSS」、2006年にIEEE802.11n、2013年にIEEE802.11acといち早く新技術を導入。通算ではすでに4800万台もの製品を出荷しているという。

20年にわたり、無線LAN機器を提供してきたバッファロー

 一方で無線LANを取り巻く状況は、ここ数年大きく変わってきた。10年ほど前までは、無線LANで接続するのは家庭内で数台のノートPCのみという状況が一般的だった。しかし現在では、1人1台のスマホに、ロボット掃除機、スマートスピーカー、エアコンなど接続する機器や種類が大幅に増加。その結果、家の隅々まで無線LANが繋がる環境が求められるようになってきた。

 そんななかで需要が高まっているのが中継器という。販売台数も無線LANの親機が横ばいである一方で、中継器は2年前の138%となり、市場が拡大している。ただ、その中継器もエリアを拡大するのには非常に有用だが、部屋の隅々まで電波を届けるという部分ではやや難しい部分がある。

接続する機器の種類が圧倒的に増えた。中継器の人気が高まっている

 そこで今回リリースされたのがメッシュネットワーク対応機と新ブランドということになる。メッシュネットワークは「Google Wifi」など、海外メーカー製の無線LAN機器で一般的になってきた技術で、親機と複数台のアクセスポイントを設置し、単純なツリー型ではなく、相互に通信することでメッシュ状に通信範囲を拡大できる。

 AirStation connectでも、独自のメッシュ機能により、どの経路をたどれば最も効率よくデータが送受信できるか、最適な環境で繋がる仕組みとなっている。またメッシュネットワークにおいては、上りと下りとで同じ周波数帯を用いるケースなどで、どうしても通信速度が落ちてしまうが、インターネット回線が高速で、4K動画の転送などをするケースも多い日本の家庭環境に合わせて、パフォーマンスにも注力したという。

メッシュネットワークでも200Mbps以上のスループットが出せるとアピールする

 具体的には親機のWTR-M2133HPは、トライバンドに対応(5GHz帯×2+2.4GHz帯)。特に5GHz帯については、送信出力を大きくできるW56と、そうではないW52/W53で回路を分離。W56用に外付けの指向性ハイパワーアンテナが用意されている。これにより、テレビや中継器との間など高速性が求められる状況で、規格の最高値に近い通信ができるとしている。

本体に内蔵されているアンテナとは別に、W56専用の指向性アンテナが用意されている

 また、専用のスマホアプリを用いることで、中継器の最適な場所への設置やルーターの設定が簡単にできるようにしているほか、国内のブロードバンド回線でありがちな、ゲートウェイ側にルーター機能があり、無線LANの親機をブリッジモードで動作させないといけない場合でも、ルーターモードと同等にメッシュネットワークが実現できるなど、日本のユーザーに合わせた仕様となっている。

 デザイン面でも、いかにも周辺機器然としていた過去の製品と一線を画す外観が採用されたAirStation connect。IoT時代に合わせた、新しい無線LAN機器市場への意気込みが感じられた。


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