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第8世代Core i9搭載MacBook Proの驚くべき性能

2018年07月25日 17時00分更新

第8世代Coreプロセッサーを搭載する新MacBook Proシリーズ。なお、Touch Barなしモデルについてはプロセッサーは旧世代のままとなる

 第8世代Coreプロセッサーを搭載するMacBook Proシリーズの目玉は、なんといってもそのプロセッサー。開発コードネーム「Coffee Lake」と呼ばれ、13インチモデルは2コア/4スレッドから4コア/8スレッド、15インチモデルは4コア/8スレッドから6コア/12スレッドと、物理的なコア数/スレッド数が増えたことで処理性能が大幅に向上している。通常の作業はもちろん、複数コアでの分散処理効率が高いレンダリングなどでかなりの威力を発揮するはずだ。

メニーコア、メニースレッドで有利になるのがレンダリングなどの分散処理。図は6コア/12スレッドのCore i9プロセッサーを搭載する15インチモデルで「CINEBENCH T15」のCPUテストを実行したところ。12カ所を同時に処理しているのがわかる

 15インチモデルについては、アップルストアなどでのCTOにより、上位のCore i9プロセッサーをプラス税別4万4000円/3万3000円で選べる。そのほか15インチモデルは、最大メモリー搭載量が16GBから32GBに倍増しており、CTOではプラス税別4万4000円でアップグレード可能だ。内蔵ストレージもプラス税別37万4000円/35万2000円で4TBに増量できる。

かなりお高くなるが、CTOでは最大4TBのSSDを搭載可能だ

13インチは旧モデルの2倍
Corei9搭載の15インチはぶっちぎり

 ここからは新モデルの性能をベンチマークテストでチェックしていこう。今回比較したのは、旧13インチモデル(2017年モデル)、新13インチモデル(2018年モデル)、新15インチモデル(2018年モデル)の3機種。CPUはそれぞれ、Core i5-7267U(3.10GHz、2コア)、Core i5-8559U(2.70GHz、4コア)、Core i9-8950HK(2.90GHz、6コア)。GPUはそれぞれ、Intel Iris Plus Graphics 650、Intel Iris Plus Graphics 655、Intel UHD Graphics 630/Radeon Pro 560X(4GB)となっている。

 GeekbenchのCPUスコアを見ると、新13インチはシングルコアの性能で1.24倍程度向上している。マルチコアでは、コア数が増えたぶん大幅に性能がアップしていることがわかる。Corei9を搭載する15インチモデルはぶっちぎりのスコアとなった。

「Geekbench 4」を使ってCPUの演算性能を総合的にチェック。シングルコアの性能もアップしているが、やはりコア数増加によるマルチコア性能の伸びが著しい

 GeekbenchのMetalのスコアでも、独立GPUを搭載する15インチモデルが突出している。なおCPU内蔵GPU同士で見ると新13インチモデルのほうが高速となった。そのほかの描画系のテストでは、15インチモデルが搭載するRadeon Pro 560Xの威力が発揮されたかたちだ。

アップルがmacOS/iOS向けに提供している3D描画APIであるMetalの性能を「Geekbench 4」でチェック。独立したGPUを備える15インチモデルが突出している。なおMetalは、次期OSのmacOS Mojaveではメインの3D描画APIとなる

「CINEBENCH R15」でCPU性能をレンダリング処理でチェック。コア数の多い15インチモデルがここでもトップだ

「CINEBENCH R15」で汎用の描画APIであるOpenGLの性能をチェック。ここでも独立GPUを搭載する15インチモデルの性能が際立っているが、CPU内蔵GPU同士では新13インチモデルのほうが若干高い数値が出た

「Blackmagic Disk Speed Test」で内蔵SSDの書き込み速度を5GBのファイルで計測。旧13インチモデルに比べて1.4倍以上の速度向上となった

「Blackmagic Disk Speed Test」で内蔵SSDの読み出し速度を5GBのファイルで計測。新旧とも2GB/秒を超えるパフォーマンスだ

とはいえ13インチモデルに人気が集中するかも

 本体サイズ以外で、13/15インチモデルの購入ポイントとなる大きな違いは、搭載するプロセッサーの種類と独立GPUの有無。前述したように、13インチモデルは4コア、15インチモデルは6コアのCPUを搭載しており、処理性能では15インチに軍配が挙がる。

 GPUについては、13インチはCPU内蔵のみ。15インチモデルはCPU内蔵と独立したGPUの2つをロジックボード上に備える。なお15インチモデルは、「システム環境設定」の「省エネルギー」で明示的にGPUを指定しない限り、macOSが負荷に応じてCPU内蔵GPUと独立GPUを切り替える仕様だ。3DゲームやGPUを活用する写真編集ソフトなどを使わない限り、13インチと15インチの描画性能の差異を体感する機会は少ないだろう。

独立したGPUをロジックボード上に備える15インチモデルは、「システム環境設定」の「省エネルギー」でGPUの切り替えが可能だ。チェックボタンをオフにすると独立GPU(ここではRadeon Pro 560X)が優先的に使われる

 15インチモデルに比べるとコンパクトで、モバイル需要もなんとか満たす13インチモデル。CPU性能が大幅に性能が向上したことで人気が集中するだろう。さらに、macOS High SIerraでサポートされた外付けGPUボックスを組み合わせた性能を見れば、13インチの魅力はさらに高まるはずだ。外付けGPUボックスを使った速度検証については後日別記事で紹介する予定だ。

RazerからリリースされているmacOS対応外付けGPUボックスの「Razer Core X」。ビデオカードは別売りだが税別3万2800円という低価格を実現

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