週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

写真や動画であふれるスマホの容量不足を無料で解決する方法

2018年07月17日 17時00分更新

文● ノダタケオ(Twitter:@noda) 編集●ちゅーやん

 来週から夏休みに入る子どもたちは多いのではないでしょうか。せっかくの夏休みなので、旅行へ出かける人も多くなると思われます。こうしたシーズンでは、スマートフォンで写真や動画を撮影する機会が普段以上に増えることを予想できます。

 昔であればデジタルカメラで写真や動画を撮影していましたが、まではスマホ一台で手軽に撮影することができるようになりました。その一方で、ときどき困るのは撮った写真や動画でいっぱいになってしまうスマホの「容量」問題です。

 デジタルカメラを使っていた時代は、撮影した写真や動画を保存するメモリーカードは大容量のものを事前に用意したり、場合によっては安価で買える容量の小さいメモリーカードを複数枚用意したりすることで「容量」の問題を解決することができました。しかし、スマホはデジタルカメラのときのようにメモリーカードを簡単に差し替えることができないことがほとんどです。とくにiPhoneの場合は外付けのメモリーカードを使うというのは、別途デバイスが必要になるなどで非常に手間です。

 また、昨今流行している「格安スマホ」をはじめとする安価なスマホを使っている場合は、写真や動画のデータを保存できる容量(内蔵ストレージ)が少ないものであることも多いです。さらには、スマホの容量がいっぱいになったときにデータを移す先として使われるパソコンを持たないケースも多いかもしれません。

 今回は、「パソコンを持っていない」「スマホのデータをたくさん保存できない」ような人のための、ネットを活用した写真や動画の保存術を考えてみることにしましょう。

友だちと写真を保存して共有するなら「LINEのアルバム機能」が手軽

 スマホの保存容量を常に空けておくために、撮影をした写真をTwitterやInstagramなどのSNSにアップロードしたら「スマホからデータを消してしまう」という人もいるのかもしれません。実際、撮影したものを数ヵ月後や数年先の未来に振り返るということはあまり無いのかもしれません。TwitterやInstagramさえ見れば、もし振り返りたいときがあっても、投稿を見れば十分、ということもあるでしょう。

 しかし、ここで困るのが「元データ」が必要になったとき。主にInstagramでのお話ですが、投稿する際にメッセージを書き込んだり、画像をレタッチして編集したりすることが多いと思います。そのため、何らかの事情で元データが必要になったとき、SNSにアップロードして端末から写真や動画などを削除していると、編集した画像しかSNSに残っていないので元データを引っ張れなくなるのです。

 こうしたとき、写真の保存には「LINE」が非常に便利です。完全なオリジナルの画質でなくても良く、ある程度高画質の状態で写真を保存されれば十分なのであれば、いまの若い世代の人たちは「LINEのアルバム機能」を写真の保存先として使っていることが多いようです。LINEのアルバム機能へアップロードされた写真は無期限に保存をすることができますし、スマホで撮影したオリジナルデータより画質は若干下がってしまいますが、ある程度の画質を維持したまま保存することが可能です。

 たとえば、友だちと旅行に出かけたとき、その友だちとのグループを作ったうえで、アルバムへ保存すれば簡単に友だちへ写真を送ることができます。逆に、友だちが撮影した写真をもらうこともできるでしょう。このようにLINEのアルバム機能は、友だち同士の写真の共有をしたいときには便利です。

 もし、自分だけのアルバムを作りたいなら、自分だけのLINEグループを作り、そのグループ内にアルバムを作れば良いのです。そして、ひとつのアルバムへまとめて写真をアップロードするのも良いでしょうし、日付を入れたアルバムを作って月ごとや日ごとに写真を保存すればあとから振り返るのも楽です。

 LINEのアルバム機能へアップロードした写真たちは、先にも挙げたように、オリジナルの写真より若干画質は落ちてしまいますが、無期限で保存されています。スマホにデータとして残っていなくても、LINEのアルバムからダウンロードして、再びスマホへ保存し直すという使い方もできるでしょう。

写真も動画もなんでも“とりあえず”残しておきたいなら「Googleフォト」が便利

 撮った写真をLINEのアルバム機能へアップロードして、スマホの空き容量を増やすことはできるのですが、その一方で問題となるのは「動画」のデータです。基本的に動画は写真よりもスマホの保存容量を消費してしまいますし、なにより、LINEのアルバム機能は現時点では動画を保存することはできません。

 ここでオススメしたいのは「Googleフォト」を使うことです。

 GoogleフォトもLINEのアルバム機能と同様、こちらもスマホに保存されたオリジナルのデータより若干画質は下がるものの、「高画質」モードを利用することで容量無制限でデータを保存することができます。そして、写真だけでなく動画も保存できることが可能なのが最大の特徴です。

 最近のAndroidのスマホを使っているのであればGoogleフォトアプリは標準でインストールされていますし、Googleフォトを使うためのGoogleアカウントを新しく作る必要がありません。iPhoneでも、Googleアカウントさえ持っていればGoogleフォトアプリをインストールすることで利用できます。

 Googleフォトを立ち上げ、設定画面にある「バックアップと同期」をオンにすれば、スマホに保存された写真や動画を自動的にバックアップされています。設定するときには、アップロードサイズは「高画質」モードを選ぶことを忘れずに(スマホに保存されたオリジナルの画質と同じままで保存したいなら「元のサイズ」を選ぶこともできますが、Googleフォトそのものの容量も減ってしまいます)。

 バックアップしたあと、スマホの保存容量が少なくなってしまったときには、Googleフォトのメニューにある「空き容量を増やす」メニューを選ぶことで、Googleフォトに写真や動画を残したまま、スマホからは削除をすることが可能です。

 ただし注意したいのは、Googleフォトに自動的にバックアップする設定にしていると、いわゆるデータ通信の容量を消費してしまう「パケ死」「ギガがなくなる」ということも。設定画面にある「モバイルデータ通信でのバックアップ」をオフにしておけば、Wi-Fiに接続したときだけにアップロードを限定することもできます。動画を撮影することが多いのであれば、バックアップのことも考えて基本的にはWi-Fi環境でのみアップロードするようにしておくのがいいでしょう。

 LINEのアルバム機能もGoogleフォトもあとから写真を振り返りたいときの一覧性は優れていますし、無期限で保存したいときにはどちらも便利。どちらを使うかは「用途」によるかもしれません。

 友だちと写真を共有するためなら「LINEのアルバム機能」を選ぶのが良いでしょうし、動画を保存したいときやとりあえずバックアップしたい、自分ひとりだけで写真や動画を振り返りたいときは「Googleフォト」が良さそうに感じています。

 写真や動画を撮ることが多くなる夏休みの前に、こうしたネットのクラウドサービスを上手に活用して、いざというときにスマホの容量が足りなくて撮影できない……なんてことにならないように準備しておくのがオススメです。

ライブメディアクリエイター
ノダタケオ(Twitter:@noda

 ソーシャルメディアとライブ配信・動画メディアが専門のクリエイター。2010年よりスマホから業務機器(Tricasterなど)まで、さまざまな機材を活用したライブ配信とマルチカメラ収録現場をこなす。これらの経験に基づいた、ソーシャルメディアやライブ配信・動画メディアに関する執筆やコンサルティングなど、その活動は多岐にわたる。
nodatakeo.com

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事