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とにかくセルフィーに特化したスマホ、Meitu「T9」を北京で見た!

2018年07月11日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII編集部

 中国のスマートフォンメーカー、Meitu(美図)は6月27日に北京で新製品発表会を行い、「Meitu T9」を発表しました。同時期に上海で開催されていたMWC上海にMeituは毎年出店を行なっていましたが、今年は出展せずに新製品発表をあえて北京で開催。しかも、世界遺産に指定された北京の名園「頤和園」を貸し切って発表会が行なわれました。

世界遺産の頤和園で行なわれたMeituの発表会

 Meituといえば男性よりも女性ユーザーから圧倒的な支持を得ています。それは強力なセルフィー機能を持っているからです。とはいえ、最近はドラゴンボールのキャラクターをあしらったとモデルを出したり、ランボルギーニ(トニーノ・ランボルギーニ)とのコラボモデルを出すなど、男性を意識した製品も投入しています。

 今回発表された「T9」は、Meituのアイデンティティーである六角形のボディースタイルはそのままに、アスペクト比18:9の6.01型ディスプレーを採用しています。他社のスマートフォンが上下のベゼルを狭くした設計にしているのに対し、T9はあえて六角形を強調しベゼルに幅を持たせています。そのため本体サイズは172.1x75x9.5mmと、同クラスのディスプレーを搭載する他社のスマートフォンよりも縦長になっています。

六角形の独特のデザイン

 背面のデザインも特徴的です。カメラは1200万画素デュアルピクセルのメインに加え、500万画素のサブカメラを搭載しボケ撮影を演出します。カメラの下のLEDフラッシュはリング状になっていますが、これは目に丸いライトのラインを入れるため。とことんセルフィーにこだわっています。さらにその下にある指紋認証センサーは、デュアルカメラを縁取るサークルの淵と同じ色仕上げ。カラーリングをうまく合わせています。

背面にはデュアルカメラ。色合いを統一したデザイン

 フロントカメラもリアカメラと同じ1200万画素+500万画素の構成。さらにLEDライトを左右に2つ搭載しています。かなり明るい光なので、別途LEDライトを用意する必要もありません。セルフィーとあえて意識しなくとも、かなり暗い部屋の中や、夜間でのフロントカメラを使った集合写真を撮るときにも便利な機能でしょう。

フロント側にも背面と同じカメラ

2つのLEDライトはかなり強力

 Meituのカメラの強力なセルフィー機能。T9ではUIが一新され、細かい顔のラインや目の加工などが可能になっています。この辺りは男性にはあまり縁のない機能かもしれませんが、中国の女性たちにとっては必須の機能。さらにT9では骨格を検知して身体全体を細くする機能も搭載されました。

強化されたセルフィー機能。美顔加工はもちろん(左)、身体をスリムにできる(中)。ビデオ撮影でもスリム化は可能(右)

 男性である筆者もセルフィーを撮影。純粋に肌にビューティー効果をかけただけですが、何もしない状態とマックスにかけた状態ではかなり差がみられます。顔を変形させたり肌を塗りつぶすのではなく、肌そのものの自然の状態を再現する、という感じでしょうか。なお前後カメラとも光学手振れ補正搭載なので、セルフィー時にも手振れの心配はありません。

肌状態の加工ゼロ(左)と最大(右)

 T9はMeituのスマートフォンとして初めてSoCにSnapdargonを採用しました。これまでのモデルはMediaTekのSoCと、日本のソシオネクストのイメージシグナルプロセッサ「Milbeaut(ミルビュー)」を組み合わせることで強力な美顔効果を作り上げてきましたが、T9からはSnapdaragon 660の画像加工技術にMeituのソフトウェアを組み合わせています。メモリーは4GB+内蔵ストレージ64GB、または128GB。

本体断面はゆるやかなカーブを描いている

底面はUSB Type-C端子とステレオスピーカー

 本体カラーは赤、緑、ピンク、水色の4色。発表会を開催した頤和園とコラボした限定モデルも投入されます。中国での価格は64GBモデルが3399元(約5万3700円)、128GBモデルが4199元(約7万400円)。また1年間のディスプレー破損保証が129元(約2200円)となっています。メーカーとしてディスプレー保証を用意するのはうれしいサービスです。

赤、ピンク、緑の3モデル

頤和園コラボモデル

 ターゲットユーザーがややニッチとはいえ、Meituがセルフィーに特化したスマートフォンを開発することでOPPOなど他社も同様の機能強化を進めています。日本には参入していないメーカーですが、Meituの動きは他社のスマートフォンにも大きな影響を与えているのです。

山根康宏さんのオフィシャルサイト

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