2018年05月31日21時00分

三者三様のキャラ立ちが魅力、Astell&Kern第4世代機が出そろう

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音の個性はもちろん、デザイン含めて選択肢の広がりがある

 短時間だが実機の音も確かめられた。ヘッドフォンには「DITA Dream」を使い、バランス駆動で、SP1000のステンレスモデルも交えた各機種を聴いた。全体を通して感じたのはしっかりとした中低域に重点を置きつつ、メリハリ感もある従来のAKシリーズの音調をキープしつつ、各モデルごとにハッキリと個性が主張されているということ。

Astell&Kern

 まずSR15はコンパクトなサイズで、手へのおさまりがいい。サイズ感としては第2世代のフラッグシップ機「AK240」に近いが、最初は違和感があった傾いたディスプレーも使ってみると右手で持っても左手で持っても使いやすい位置にダイヤルやボタン類が配置されており、かなり考えられたものだと分かった。

 音調としては第2世代機のAKシリーズやAK70シリーズに近い。やや張り出し目の中低域やしっかりとした音の輪郭などが印象的だ。クオリティー的にも倍近い価格で販売されていた、かつてのフラッグシップ機AK240に匹敵するか、凌駕するのではないかと思えるほど。ロックやポップス系の楽曲の再生では力感があるし、細かな情報を的確に伝える印象がある。さらにCPUの性能が上がっているため、メニューの表示が速く、選曲にストレスを感じない。筆者は、ポケットに入れやすく、使いやすいという点で、第3世代、第4世代機が登場した後も、AK240を3年余り愛用してきたのだが、SR15であればこれを置き換えてもいいと感じる。

 一方SE100は従来のAKシリーズとはずいぶん違う音調にハッとさせられる。特に優れているのは空間表現だ。これは高域がよく伸び、残響などの弱音も緻密に伝えるためだと思う。解像度重視の音で、SR15が割と太めの線で力強く音像を描いている印象なのに対して、SE100は細かい線で丁寧に書き込んでいる感じがある。トーンバランスとしてはフラットで、そのままだと少し淡白に聴こえる面もあるのだが、低域が気持ち持ち上げられているためかAKのテイストもほんのりと感じられる。

 アンプの出力も高く、能率が比較的低いDreamでも少し音量を落として聴くのが最適だ。イヤフォンでもいいのだが、空間表現の良さを生かすのであれば大口径の開放型ヘッドフォンやスピーカー再生などに適していると思う。そのほうが優れた定位感や立体的なサウンドなど、本機の特徴をうまく生かせるのではないだろうか。

 なおSP1000とは違ってmicroSDカードスロットはプッシュ式になっている。ややバネが強くちょっと出し入れが難しい面もあったが、頻繁にカードを入れ替えたいという人にはこちらのほうがいいかもしれない。

 最後にSP1000だが、SR15とSE100のいいとこどりをした感じがあり、緻密さや安定した低域など両者のメリットに加えて、ハイエンドのHi-Fi機器を彷彿とさせる落ち着きや気品のようなものまで兼ね備えている。価格的にもだいぶ差があり、ここはさすがフラッグシップの貫録を見せたという感じではある。

 ただSR15、SE100、SP1000と聞いていくと、不思議と優劣や差という意識がわいてこない。どんなシーンで使うか、どんな音楽にマッチするかのほうに関心が向かっていく。筆者の場合、普段からSP1000を使っていても、外出先で聴くなら小型でメリハリ感の利いたサウンドのSR15のほうがいいかなと思えてしまう。一方でコーラスやアコースティックなサウンドを聴くならリアルな空間を感じさせるSE100のテイストも新鮮で捨てがたく感じてしまう。

 SP1000の圧倒的なパフォーマンスで話題を集めたAstell&Kernの第4世代機だが、ラインアップが揃ってみるとそのすそ野の広さを感じる。価格やデザインも含めて、より一層の選ぶ楽しみと選ぶ悩みを感じさせてくれる製品群だ。

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