2018年05月24日16時00分

PUBG 荒野行動 フォートナイトの違いは?

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去年の覇権は「PUBG」

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 まずPUBGだが、昨年までバトロワゲーの覇権を握っていたことは確実だ。昨年の売上は7億ドル(約777億円)以上。昨年8月には開発元と世界最大のeスポーツ団体「ESL」の共催で国際大会も開催した。

 今年に入ってからも、2月にポーランドで国際大会「PUBG Invitationa IEM Katowice」を開催した。7月にはドイツで世界大会「PUBG Global Invitational 2018」開催も予定している。今後もPUBGは継続して楽しめるだろう。

 しかし人気にすでに陰りが見えはじめていることも事実。わかりやすいのはプレイ人口の減少だ。今年1月には同時接続プレイヤー数320万人を誇ったPUBGだが、先週(5月第3週)には180万人とほぼ半減してしまった。

 減少要因のひとつは、数多くいたチーター(ゲームでズルをする人)対策を講じたこと。今年1月度には100万件以上のチーターのBANを発表している。チーターの多さに嫌気がさしてプレイヤーが離れたとも言える。

 PUBGはゲーム内の成績に応じて得られるポイントを使い、ランダムでスキンを入手できるいわゆる「ガチャシステム」を採用しており、入手したスキンはゲーム販売プラットフォーム「Steam」上で売買できる。

 レアなスキンは価格が1万円を超えることもめずらしくなく、中国からお金目当てのチーターが殺到する状態となった。チーターの多さは公式フォーラムで「中国ユーザーを隔離しろ」と訴える運動が起きていたほどだ。

 レート制が採用されているPUBGでは上位に行くほどチーターとの遭遇率が上がるため、実力者や有名配信者のプレイは「チーターに負けるか、勝ってドン勝を食べるか」というゲームになりつつあった。

 そのような状況ではチーターに勝てない普通のプレイヤーがモチベーションを維持するのは難しく、だんだんとプレイヤーが離脱していく一因となったというのは想像にかたくないだろう。

 なお、現在は中国ユーザーの隔離やチート対策の強化などによりチーターは減少しているが、それでもほかのプレイヤーに倒されたときに「こいつチーターじゃないか?」と疑ってしまう空気ができたのは同作に暗い影を落としている。


PUBGに訴えられて苦しい「荒野行動」

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 荒野行動はどうかと言うと、やはり明るい未来とは言いがたい。

 荒野行動を運営するNetEaseは、海外では同様の内容の「Rules of Survival」というタイトルを配信している。どちらも「スマホ版PUBG」と呼ばれるほど昨年のバトロワゲームモバイル部門の覇権を握っていた。

 しかし、今年に入って本家PUBGがモバイル版をリリースしたことで大きな影響が出ている。

 「スマホ版PUBG」という通称どおり、もともと荒野行動は「PUBGがモバイルでリリースされていないから代わりにプレイしている」ものだった。本家からモバイル版が出たことでユーザーが流れることは想像しやすい。

 実際に今まで無料ダウンロードランキングで不動の1位だった同作は、PUBGモバイルがリリースされてから6位付近まで落ちてしまった。「Rules of Survival」の動きはさらに激しく、米国App Storeでは20位前後から120位前後まで順位を下げている。

 荒野行動は今年2月に1000万ドル(約11億円)を売り上げているが、その80%以上が日本からだとの報告もあり(調査会社「Sensor Tower」発表)、日本App Storeでの順位が下がることは売上の下落に直結する。

 何より一番影響が大きいのは、今年4月に本家PUBGから著作権侵害で訴えられてしまったことだ。NetEase側は争う姿勢を示しており、裁判の結果が出るまでは引き続き荒野行動をプレイできるだろう。

 しかし継続性に不安を抱えたタイトルで来年以降も人気を維持できるかというと、きびしいと言わざるを得ない。


2018年は「フォートナイト」の時代か

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 最後に後発ながらも上記2タイトルを追い抜き、いま一番アツいゲームになっているのがフォートナイトだ。公式発表によれば同時接続プレイヤー数は340万人(2018年2月時点)。PUBGのピーク320万人を超えている。

 月間売上でもフォートナイトはPUBGを超えはじめた。調査会社SuperDataによると、今年2月の月間売上(PCとモバイルの両方)は126万ドル(約1億4000万円)を記録したといい、PUBGの103万ドル(約1億1400万円)に差をつけた。

 もちろんパッケージ販売のPUBG(しかもすでに発売から約1年が経過している)と、基本プレイ無料のスキン課金のフォートナイトでは比較する対象がちがうとは言える。

 しかし、モバイル版リリースから1ヵ月間の売上だけに絞っても、iOS版フォートナイトモバイルは370万ドル(約4億1000万円)。PUBGモバイルの70万ドル(約7700万円)の5倍以上で、人気の差は一目瞭然だ。

 フォートナイトは新しいコンテンツが追加されるシーズンごとに「バトルパス」というシーズンパスを販売しており、これによりシーズンが更新されると既存ユーザーからお金がチャリンチャリンと入ってくる面も大きい。

 売上を背景として、フォートナイトを運営するEpic Gamesはフォートナイトのeスポーツ大会に1億ドル(約110億9000万円!)を賞金としてプールすることも5月21日に発表している。金額面では敵なしだ。

 お金の話だけではなく、ゲームのライブ配信サイト「Twitch」上の人気でもフォートナイトはPUBGを追い抜いている。データ分析サイト「GitHyp」によると、過去30日間の平均視聴者数は19万7941人。PUBGの5万9614人に3倍以上の差をつけている。

 いまバトルロイヤルゲームのトップを走っているのがフォートナイトであることは明白で、どこまで人気を伸ばせるかが見ものだ。


筆者紹介:篠原修司

shinohara

1983年生まれ。福岡県在住のフリーライター。IT、スマホ、ゲーム、ネットの話題やデマの検証を専門に記事を書いています。
Twitter:@digimaga
ブログ:デジタルマガジン

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