2018年05月05日15時00分

AKGが考える現代のイヤフォンシーン 「N5005」レビュー

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AKG

「N5005」「K3003」併売の意味を比較試聴で考える

 「AKG『K3003』は唯一無二のハイブリッドイヤフォンである」と、僕は考えている。ダイナミックとバランスド・アーマチュアによるK3003のハイブリッドサウンドを初めて聴いた時の鮮烈な印象はいまだに忘れられない。それと同時に、いまだにK3003を超えるハイブリッドイヤフォンを僕は聴いたことがない。ソニーをはじめとした各社がこの方式に挑戦しているが、ほぼ例外なく、上の帯域と下の帯域で音がケンカしているのだ。それがK3003にはない、故に唯一無二なのである。そのAKGが今年1月のCESでN5005を発表というニュースを目にした時、僕はココロがときめいた。なにしろK3003を発表した2011年以来、実に6年半ぶりのフラッグシップモデルである。

 ところで販売元のハーマンインターナショナルは、旧フラッグシップのK3003とN5005を併売するという。つまり「N5005はK3003を超える山ではなく、両者は別の場所にそびえる双峰」ということ。2月に中野で開かれたポタ研でN5005の音を軽く聴いた時、このハーマンの方針に僕は深く同意をしたと同時に、もっとしっかり比較をしたいと感じた。

 というわけで、期待の新モデルN5005と対をなすK3003をじっくりしっかり試聴し、2回に渡ってレビューする。まずは期待の新モデルであるN5005からだ。

Nシリーズの流れをくむ“イマドキ”のパッケージ

 まずはとても豪華なパッケージから。ゴツい化粧箱の中には3種類のイヤーチップのほかに、メカニカル・チューニング・フィルター/シリアル入り専用キャリングケース/フライトアダプター/クリーニングツール/シリアル番号プレートなどが入っている。そんな中で最も注目すべき付属品が、3.5mmアンバランス/2.5mmバランス/Bluetoothという、純正のリケーブル群。これがK3003から大きく異なる、N5005最大のアップデートポイントと言って差し支えないだろう。

 K3003発売から6年半の間に、ポータブルオーディオを取り巻く情勢は大きく変容した。“iPod classicとポタアン”という組み合わせが定番だった“音質派ポータブル”の情勢は、2012年発売の「AK100」にはじまるAstell&Kernなど、ハイレゾ対応DAPの隆盛で一気に覆る。それと同時に、ハイエンドホームオーディオでは一般的なバランス駆動がポータブルにも出現し「高級イヤフォン・ヘッドフォンはリケーブルができて当たり前」という常識がすっかりと定着した。N5005のパッケージングは、そんな“わずか6年間”の変化を如実に表している。

AKG
AKGイヤフォンユーザーの多くが待ち望んでいたであろうバランス駆動に対応。K3003から6年半で、業界の情勢も大きく変わった
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2段組の豪華なパッケージ。上段には専用ケースとチューニングフィルターが収まっている

 また、純正のBluetoothケーブルを同梱しているという点にも注目したい。正直なところ、ユーザーの多くが音質重視と思われる本機に、伝統的に圧縮がかかり駆動力もハンデを負うBluetoothケーブルを付ける必要があるのかと、僕は少々疑問に思う。だがしかし、iPhoneのオーディオジャック決別を機に、近年はワイヤレスイヤフォンの勢いが一気に増しているわけで、これも時代の流れを表すものと言えるだろう。ちなみにソニーやゼンハイザーなどで採用例が増えている4.4mm 5極端子のケーブルは同梱されていない。イヤフォン側のプラグはMMCXだが、メーカーによると市販のケーブルは少々挿しにくいのだという。なので、4.4mm 5極端子ユーザーは今後のメーカー対応待ちだ。

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下段に入っているのはイヤーピースやケーブル、クリーニングロッドなど
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リケーブルセットを同梱しているのは嬉しいポイント。Bluetoothケーブルと充電用のUSBケーブルが付いている辺りにも、時代の変化を感じる

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