2018年03月07日09時00分

領収書電子化や働き方改革を追い風に成長するコンカーの戦略

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2018年3月6日、クラウド型の経費・出張精算サービスを提供するコンカーは、GINZA SIXへのオフィス移転にあわせ、2018年度に事業戦略説明会を開催した。領収書の電子化や働き方改革などの追い風で絶好調な業績を振り返るとともに、間接費改革を実現する新機能や新オフィスやConcur Labs Tokyoなどについて説明した。

トップ企業の3社に1社がコンカーを利用するように

 経費精算サービス「Concur Expense」、請求書管理サービス「Concur Invoice」、出張精算「Concur Trabvel」などを展開するSAP傘下のコンカー。説明会の冒頭に登壇した米Concur Technologies グローバル統括上級副社長のスコット・トリー氏は、グローバルおよび日本でのファクトを披露。グローバルで5200万ユーザー・4万社にサービスを提供しており、昨年対比で22%の成長を遂げ、通年の売り上げも10億ドルを超えたことをアピールした。

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米Concur Technologies グローバル統括上級副社長 スコット・トリー氏

 日本での成長も昨年対比で74%増加し、市場シェアも42.9%に達したという。また、働きがいのある会社に与えられる「Great Place to Work 2018」でも日本で中規模企業部門で1位、女性部門でも3位を獲得した。日本における投資も継続的に進めており、R&Dを推進する「Concur Lab Tokyo」やサービス連携プラットフォームである「App Center」などを国内に展開している。

 続いて登壇したコンカー 代表取締役社長の三村真宗氏は2017年の日本の業績と事業戦略について説明。新規の年契約額が3年間で4.5倍に成長し、日本が米国に次いで2番目の市場になったことをアピールした。「(自分がIT業界に入って)25年越しの悲願を達成できた」(三村氏)。昨年度は大手企業を中心に131社が新規導入し、導入企業は710社に。「2017年は、トップ企業100の3社に1社がコンカーを利用するようになった」(三村氏)と語る。

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コンカー 代表取締役社長 三村真宗氏

 こうした好業績の背景には、「領収書電子化の規制緩和」「働き方改革の具体策」「InvoiceやTravelなどの新製品の立ち上がり」「中堅・中小市場への本格参入」などの4つの要因があるという。特に領収書の電子化は法制度の緩和で急速に進んでおり、「お客様にお伺いすると、電子化してなくてすいませんと言われるようになった。ユーザー企業がそわそわしている状況」(三村氏)だという。

 コンカー自体も2014年39名だった従業員も2017年は160名に拡大。「日本の外資系SaaS専業ベンダーで、100名を超える従業員を抱えるのはセールスフォースと当社だけ。セールスフォースが営業・顧客管理の雄であれば、コンカーは管理系の雄である」とのことで、今回のGINZA SIXへのオフィス移転を実施したという。

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巨大ディスプレイを配した新コンカーオフィスのエントランス

大手でも進む間接費改革をテクノロジーで支援

 続いて三村氏は2018年の事業戦略について、「ソリューション」「契約種別」「チャネル」「顧客セグメント」など4つの軸で成長戦略を推進する。

 ソリューションに関しては、プロダクトにあわせ、従業員経費、ベンダー経費、出張費の課題を解消する3つの間接費改革を推進する。多くの企業は間接費改革をステップバイステップで進めており、まずは国内本社で従業員経費の改革を進め、その後他組織の横展開や出張費・ベンダー経費の課題解消など領域を拡大。最終的には全組織での包括的な間接費改革を達成。欧米の先進企業は2~3年程度で改革効果を享受することが多いが、日本の大手企業もコンカーの導入で間接費改革を進めているという。

 従業員精算に関しては、領収書の電子化が業界のトップ企業34社ですでにスタートしており、ユニシスや双日、ファーストリテイリング、CTCなど20社が導入準備中、森永製菓や花王など4社が導入中、そして横浜ゴム、味の素など7社は導入済みだという。

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領収書の電子化を進める大企業

 新機能としては、スマホの位置情報を元に走行距離を自動計算し、走行距離に応じたガソリン代の払い戻しなどを可能にするConcur Driveに追加するほか、予算管理を提供するConcur Budgetでは承認時に予算の消化状態がわかる「View Budget」の機能が追加される。さらにBIに関しては、日本企業の要件に特化した標準レポートが組み込まれるという。

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スマホの位置情報を元に走行距離を自動計算するConcur Drive

 ベンダー精算を担うConcur Invoiceに関しては、従業員とベンダーも含め、支払先に関係なくすべての支出プロセスを一気通貫で管理する「Total Spend Management」を推進。2018年5月には領収書についで電子化要望の高い請求書の電子化にも対応する予定だ。また、パートナーとともに請求書の電子化やRPAによる入力の自動化、AIのOCRエンジンの活用などのソリューション化を進めるという。

イノベーション型の開発を推進するConcur Labs Tokyoも開設

 出張精算を提供するConcur Travelはクラウドをフル活用することで、立ち後れている日本企業のビジネストラベルの最適化を目指す。国内ではすでに35社に導入され、出張費の2~3割を削減できたほか、出張者のリスク管理を実現するConcur Locateや旅程管理のTriplet Proなどを第2四半期中に投入する予定となっている。

 セグメント戦略として、注力する中堅・中小企業の事業についても言及し、金額では14%だが、契約件数自体はすでに60%におよんでいることをアピール。従業員2名の会社で採用された事例もあるとのことで、2018年は1000名未満の企業の売り上げ構成比を全体の1/4にまで引き上げる計画。また、人事や経理など業務部門に強いConcurに対して、IT部門に強いSAPとの連携も強化し、SAP Financial Connectorによるリアルタイムな連携も可能にしていくという。

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増加するSAPとの連携案件

 同日付で、米国に次ぐ2番目となる「Concur Labs Tokyo」の開設も発表された。Concur Labs顧客ニーズからのサービス開発ではなく、テクノロジーとアイデアを前提としたイノベーション型の開発を先導する拠点。外部アプリとSAP Concurを組み合わせた新しいワークスタイルの提案や機械学習による出張・経費などのビッグデータの分析・活用、AIアシスタントやVRを使ったSAP Concurの利用、ユニバーサルデザインなどを重視したサービス開発などを推進していくという。

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