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プラットフォーム、アプリ、ハード各メーカーが一体となって進化

カシオ、スマートウォッチ世界2000万ユーザー獲得目指し大手アプリ9社と契約

2018年02月09日 09時00分更新

オフィシャルパートナー契約を締結したアプリ開発会社、グーグル、カシオ計算機関係者

 カシオ計算機は2月8日、アウトドアに特化したスマートウォッチ「Smart Outdoor Watch」の利便性を高めるべく、アウトドアやスポーツ分野における大手アプリ9社とオフィシャルパートナー契約を締結し、記者発表会を実施した。オフィシャルパートナー契約締結については、1月初頭にラスベガスで開催された家電見本市CESですでに発表済みだ。

 カシオは、2016年にAndroid Wearを採用したスマートアウトドアウォッチ「WSD-F10」を発売しスマートウォッチ市場に参入、2017年にプロトレックの名を冠し低消費電力GPSを搭載した「WSD-F20」を発売した。カシオの強みである「タフネス仕様」の筐体とオフラインで利用できる地図、独自アプリでアウトドアユーザーから高い評価を得ている。

 カシオ計算機 取締役 専務執行役員 伊東重典氏は「新しい製品に感度が高いアーリーアダプターから、利用目的が明確なかたへと、スマートウォッチ市場の顧客に変化が見られる」と市場を分析し、スマートフォンを取り出しにくいシーンや電波を受信しにくい環境下でも位置情報や地図、さまざまな情報を活用できるカシオのスマートアウトドアウォッチの優位性を紹介した。

MILスペックをすべてクリアーしたタフな筐体と人気上位アプリ、グーグルの思案

 パートナーシップを契約したアプリ開発会社は、計9社(9アプリ)。カシオからのアプローチやグーグルからの提案により選ばれた。各カテゴリーで1社のみの契約だというが、Google Playストアやアップル App ストアのランキングで上位に位置し、世界規模で支持を得ている開発会社ばかりだ。

オフィシャルパートナー契約を提携した9社のアプリ

 これらのアプリのダウンロードユーザーを合算するとおよそ2000万になるといい、パートナーシップ締結でカシオはさらに「2000万ユーザーにアプローチできる」と、1.5兆円規模と予測されるスマートウォッチ市場に意気込む。

2017年のリスト型ウェアラブルデバイスの市場規模は1.5兆円。赤はスマートウォッチ、緑がフィットネストラッカー(いわゆる活動量計)、青がGPS内蔵スポーツウォッチ。調査会社IDCのデータに基づくカシオの推定

 パートナーシップ契約により、アプリ開発会社はAndroid Wear版のアプリをリリースする際は、カシオのスマートアウトドアウォッチを各アプリに対して「もっとも相応しいデバイス」とユーザーに訴求するとともに、スマートアウトドアウォッチならではの機能や使い勝手を生かしたサービスを今後、展開していく。

サーフィンアプリ「glossy」はタッチスクリーンが操作しにくい場合、アイコンを表示し「2時位置のプッシュボタンを押す」とユーザーを導く計画だ。glossyは、サーフィンアプリとしてAndroid Appで1位、Google Playストアでのユーザー評価は4.8/5という高い支持を得ている

 具体的には、カシオのスマートアウトドアウォッチを利用した動作テストを実施し、開発するという。例えば釣りやサーフィン時などで水滴がつくとタッチスクリーンの反応は悪くなるが、タッチスクリーン操作をスマートウォッチ本体のリュウズなどの物理ボタンに置き換えることで、ユーザーの使い勝手の向上を目指す。スマートウォッチに割り当てるリュウズやプッシュボタンなどの操作部は、各スマートウォッチによって数や配置が異なるため、この部分が「カシオ製スマートアウトドアウォッチ」に最適化されていれば、ユーザーはよりストレスなくスマートウォッチを利用できるという算段だ。

 グーグルにとっては「時計を製造してきた専門知識や歴史、明確なビジョンをもつカシオと協力することで、ユーザーエクスペリエンスをさらに向上したい」と、グーグルのAndroid Wear事業部プロダクト・オペレーション部門責任者Leor Stern氏は話した。

カシオ計算機 取締役副社長執行役員 中村寛氏

プラットフォーム、アプリ、ハード各メーカーが一体となって進化

 「カシオ計算機が本気で、スマートウォッチを伸ばしていきたいと考えてることを感じていただきたい」とカシオ計算機 取締役副社長執行役員 中村寛氏は開口一番に話した。

 また「スマートウォッチは、世間では一時的なブームではないかと懸念されているが、スマートフォンが大型化したことで瞬時に利用することが困難になり、スマートウォッチがそこを補う役務につくのでは」と予想し、進化するプラットフォームをグーグルが担当、各アプリ開発会社がログ機能や新しい楽しみ方をユーザーに提供、タフなハードをカシオが作ると、三位一体の協力体制を説明した。


アプリ名 会社名/所在地 主な用途/機能
ViewRanger Augmentra/イギリス 登山/登山用地図、登山ガイドの表示
HOLE19 HOLE19/ポルトガル ゴルフ/ゴルフコースの表示、距離測定
GLASSY Surf Report Gradient Technologies S.L/スペイン サーフィン/波・天気予報、セッション測定
Ski Tracks Core Coders LTD/イギリス スキー・スノーボード/距離・スピード測定
MySwimPro Swimming Workout Log MySwimPro/アメリカ 水泳/トレーニングガイド、ログ取得
FISHBRAIN Fishbrain AB/スウェーデン 釣り/釣り時予測、釣りスポット表示
Zombies, run! SIX TO START/イギリス ストーリーラン/ログ取得
EQUILAB Schvung Ride AB/スウェーデン 乗馬/馬術トレーニングガイド、ログ取得
exercise timer NeuronDigital/マルタ フィットネス/時間測定、トレーニング管理
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