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「送球Fはちょっと……」:

プロ野球選手は「パワプロ」の査定をどう思っているのか

2018年01月08日 12時00分更新

イベントで選手本人に見てもらおう

 野球ゲームシリーズ「実況パワフルプロ野球」(以下、パワプロ)は、実在の選手が、実名で登場するのが特徴の一つです。当然、選手一人ひとりのデータが違うわけで、各々の能力は異なります。

 選手にしてみれば、ゲーム内のデータとはいっても、「この評価はどうだろう」「自分はもっと上だと思う」と思うかもしれません。実際、テレビ番組やSNSなどで、プロ野球選手がゲームのパラメーターに対して言及する(冗談の範疇かもしれませんが)例もありました。

 6日、幕張メッセにて「パワプロチャンピオンシップス2017 全国決勝大会」が開催されました(関連記事)。モバイルゲーム「実況パワフルプロ野球」「プロ野球スピリッツA」の最強プレイヤーを決める大会で、プロ野球選手もセントラル・パシフィック両リーグの12球団から、選手が1人ずつ出演しました。

出演したセ・リーグの選手たち。左から、岡田明丈選手(広島東洋カープ)、秋山拓巳選手(阪神タイガース)、今永昇太選手(横浜DeNAベイスターズ)、宇佐見真吾選手(読売ジャイアンツ)、小笠原慎之介選手(中日ドラゴンズ)、小川泰弘選手(東京ヤクルトスワローズ)

 選手の中にもパワプロ好きは少なくありません。中日ドラゴンズの小笠原慎之介選手や、福岡ソフトバンクホークスの田中正義選手は、子供のころからパワプロシリーズに親しんできたそうです。

小笠原慎之介選手は大のパワプロファン。「この日のために練習してきました」と熱く意気込みを語っていました。「野球の自主練よりもパワプロです」とまで断言

 自分やチームメイトが実名で登場するとなれば、野球の能力がどのように評価されているか、個性がきちんとデータに反映されているか、気になりそうなものでしょう。

 今回は、パ・リーグから参加した6選手に、「実況パワフルプロ野球2016」から自分の選手データ(2017年シーズン終了時)に対してコメントしてもらう試みがありました。

こちらはパ・リーグの選手たち。左から田中正義選手(福岡ソフトバンクホークス)、森友哉選手(埼玉西武ライオンズ)、菅原秀選手(東北楽天ゴールデンイーグルス)、山﨑福也選手(オリックス・バファローズ)、上沢直之選手(北海道日本ハムファイターズ)、有吉優樹選手(千葉ロッテマリーンズ)

評価から改善点を見つける派
田中正義選手、菅原秀選手

 まずは福岡ソフトバンクホークスの田中選手。「野球を始めたきっかけは、兄とのパワプロ」と語るほどのシリーズファンだそう。2017年はケガに苦しんだこともあり、自分の適正「先発/中継ぎ」に対して「先発をやりたいと思っている」「(中継ぎの適正を外したい? との問いに)そうですね」と、マジメな感想。

田中選手は地元・横浜ベイスターズ(当時)を使ってよく遊んでいたそうです

 東北楽天ゴールデンイーグルスのルーキーである菅原秀選手は、変化球の変化する数値について「自信があるので」と納得の様子。ただ、コントロールがF評価、マイナスの特殊能力「四球」が付いてしまっていることには「改善すべき点だと思います」としつつ、「再来年ぐらいに外せれば」と天然(?)の回答。MCである、ますだおかだの2人をズッコケさせていました。

菅原選手もパワプロ経験ありとのこと

数値を謙虚にとらえる派
山﨑福也選手、上沢直之選手

 パワプロ好きを自認するオリックス・バファローズの山﨑福也選手。ドロップカーブとチェンジアップの変化量「3」や「対左打者(C)」などのプラス特殊能力のみならず、「四球」「スロースターター」「一発」などのマイナスにはたらく特殊能力に対しても「当たってますね」と断言し、査定に納得。ただ、「打球反応○」の評価だけは「ピッチャーにはあんまりボールが飛んでこないので」と実感が薄かったようです。

背番号17は来シーズンから増井浩俊選手が背負うため、この背番号が見られるのは最後かも?

 日本ハムファイターズの上沢直之選手は、パワプロでは「サクセスモード」が好きだとか。自身の能力に関して異議を唱えることなく、むしろ「特殊能力がないのでつまらないのでは」と謙遜。ますだおかだの2人に「このチームに強いと主張すれば『○○キラー』が付く」と振られると「そういうことを言うと、語弊が生まれるかもしれないです」と苦笑いでした。

上沢選手は「ソフトバンクにはあまり打たれていないので」とソフトバンクキラーぶりをアピール(?)

「もうちょっと上げてほしいかな」派
森友哉選手、有吉優樹選手

 埼玉西武ライオンズのスラッガー、森友哉選手。ゲームの経験はあまりないそうですが、能力を見て「よい感じだと思います」と破顔一笑。とくに「対左投手」の能力が高いことには「(左投手に)苦手意識はないですね」と納得でした。ただ、捕手としてはネックになる「送球」のF評価には「その通りだと思いますが、もうちょっと上げてほしい」と、開発陣にお願いを。

野球の名門・大阪桐蔭高等学校出身の森選手。ゲームの思い出はあまりないとのことでした

 千葉ロッテマリーンズの有吉優樹選手は「栄冠ナイン」モードをやり込むほどのパワプロ通。しかし、自分の変化球にカーブとチェンジアップがないことに関して、「投げているんですが、(開発陣に)認識されないぐらい球が曲がっていないのかな」とさびしい気持ちを吐露。ただ、変化球「Vスライダー」の変化量に「(落ちる球として評価してくれて)ありがたい」と喜んでいました。

「栄冠ナインをやってきたということは、将来は監督になりたい?」と聞かれて「それはないです」と答えた有吉選手

 パ・リーグ6選手による自身のデータに対する評価を聞く限り、「ここをもうちょっと……」との声も多少あったものの、全体的にはパワプロの査定に違和感はないようでした。

 しかし、もう一つ気になることがあります。最新のパワプロシリーズでは、アップデートによりパラメーターが変更されます。つまり、シーズンでの成績がゲーム内の評価に反映されるわけですが、選手が納得できる変化になっているのでしょうか?

選手たちが自身のデータ変化に何を思ったのか、続きは次ページで

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