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ワンランク上を目指す 経理ならではのPDCAサイクル

2017年09月28日 17時00分更新

 経理の仕事は、一週間、一ヶ月、一年と周期ごとに決まった仕事となっていますよね。

 明確なサイクルで仕事ができる珍しい職種です。

 他の人からみると、「決まってて楽じゃん!」とうらやましがられることもありますが、私たちからするとそこに退屈さを感じてしまうことも…。

 しかし、その退屈さを逆手にとることで、業務をブラッシュアップさせ、さらには自分のスキルアップをもはかることができるのです!!

 仕事にサイクルがある=PDCAを回しやすい

 ということが言えます。

 PDCAという単語はよく聞きますが、実際のところは「Plan→Do」で力尽きて、やりっぱなしで終わることも多いものです。しかしPDCAはグルグルと改善と実行を繰り返していくことにこそ意味があり、最も大切なのは「Check→Act」の部分です。

 そして、繰り返しが多い経理業務は、「Check→Act」を行いやすい特性があります。つまり、経理にはPDCAをただしく回せるようになるチャンスが転がっている訳です。これを生かして、そのスキルと力が身に付けば、それは大きな強みになると言えるでしょう。

 それでは、経理として実際にどうやってPDCAを実行していけばよいのか見ていきましょう。

Plan&Do 何をどうしたいか明確な目標を決める

 まずは、計画と実行です。

 計画をたてるにあたっては、まず既存業務の課題を洗い出します。PDCAを回しやすいのは、日次・月次ペースで行っているルーチン業務です。たとえば…

 日頃当たり前に行っている業務を、作業単位まで分解して改善点を探していきます。

 改善点をどうしたいか、という目標を決めます。作業時間を1時間から30分に短縮したい、など数値で図れる目標にしておくと効果測定がしやすいですね。たとえば、こんな例はいかがでしょうか。

■対象業務…売上集計表の管理

■業務を行う頻度(サイクル)…週に1回

■課題…各部署から届く売上日報のエクセルフォーマットがバラバラで集計に時間がかかる

■目標…作業時間を1時間から30分にする

■改善案…経理側で共通テンプレートを作成し、各部署に配布する

 そして、実際の実行案を練り、該当の業務サイクルが一区切りした時点で改善案を組み込んでいきましょう。

Check 目標の進捗と、改善案の良し悪しを検証する

 改善案を実行して、1サイクル回したら、さっそく検証をしていきましょう!

 目標の達成度合いを検証し、このまま進めていけば目標達成か、改善案の改善が必要な場合はどう変えていくか実行案を練ります。

 ただし、ここが落とし穴です。

 「新しい方法にもう少し慣れてからにしよう。」「なんとなく良くなってきていると思う。」といった甘えで検証を先延ばしにしてしまったことはありませんか。

 新しいやり方はもちろん始めは慣れないものですし、改善をしたのだから効果がでるのもあたりまえです。

 しかし、慣れない原因は改善案の欠陥にあるかもしれません。

 また、せっかく目標を決めているのですから、目標が達成されるような改善をしなくてはいけません。「なんとなく」では意味がありません。

 ですから、PDCAを回すと決めたのならば、この検証は毎サイクルごとに億劫がらずに行い、本当に効果のある動きにしていきましょう。

 先程の例についても、改善後、最初の集計が終わったらさっそく検証です。

■改善できた点…共通のフォーマットで届き、集計が楽になった。

■目標の進捗…作業時間が45分になった。

■さらなる改善点…集計表の構成を変更すると、さらに時間短縮できそう。

Act 検証結果を次のサイクルに反映させる

 検証によって見つかったさらなる改善案は、次のサイクルが始まるときに組み込んで実行してみましょう。そして、検証と実行を繰り返していきます。

■改善できた点…集計表の作業もスムーズになった。また新しい売上日報も入力しやすいと評判に。

■目標の進捗…作業時間は35分にまで短縮

■さらなる改善点…関数を工夫し、自動集計できる項目を増やす。

 たとえば、上記のように本来の目標とは違うけれど、よい効果が出ることも期待できますね。

 また、この例では自分のエクセルスキルもアップすることができそうです。

経理としてスキルアップすることはPDCAをまわせる一流のビジネスパーソンになるチャンス

 経理業務の特性を生かしたPDCAの回し方、いかがでしたか?

 PDCAをきちんと回せるビジネスパーソンは意外と少ないものです。

 日次、月次、四半期、年次…といったPDCAを習慣化することは、将来マネジメントや経営、さらには普段の生活など、いろいろな場面で活かされてくることとなります。

 業務の質や効率を上げるためだけでなく、自分自身を「成長のスパイラル」へと巻き込むプロジェクトとしてぜひ実践してみてください。

※本記事は「ROBOTPAYMENT公式ブログ」に掲載されたものを転載しております。

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