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手軽にWi-Fiネットワークを拡張できるTP-Link『Deco』はルーターの新しい形

2017年11月22日 08時00分更新

DECO

 基本的に長方形のデザインが多い無線LANルーターだが、TP-Linkの「Deco M5」は、平べったい円柱の形をした一風変わった外観が特徴のルーターだ。このルーター、デザインが特徴的なだけではなく、コンセプトもおもしろい。

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↑単品のパッケージデザイン。
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↑TP-Link「Deco M5」。実売価格は1万2000円前後。サイズは直径120×高さ38mm。平たい円柱タイプのデザインだ。

 一軒家などの広い住宅でもWi-Fiを家中まんべんなく利用できるようにするべく、同じ製品を中継器として最大10台ぶん接続し、メッシュネットワークを形成できるのである。戸建て住宅でも各部屋に同製品を1台ずつ置いておけば、家中しっかり無線ネットワークが行き届き、あまり速度が落ちずに利用できるというわけだ。そのぶん単体では有線LANポートは2つしかなく、そのうち1つはWANとして利用するため、基本はWi-Fiで接続して利用する。

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↑複数台接続することでルーターと中継器という関係で利用できる。
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↑有線LANのポートは2つのみ。WANとLANは自動切り替え。

 メッシュネットワークの形成というと設定が難しそうな印象があるかもしれないが、これが意外にも簡単だ。まずは「TP-Link Deco」アプリをスマホでダウンロードし、アプリを起動。TP-Linkのアカウント登録が必要だが、ログインするとまず接続方法から解説してくれる。指示に従って接続し電源を入れると、しばらくして中心にあるLEDランプが青く明滅するので、そのまま指示通りに設定を進めていけばDecoは自動で認識される。その後はインターネットへの接続を設定・確認し、Wi-FiのSSIDとパスワードを登録して設定完了だ。

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↑「TPlink Deco」アプリ。アカウント登録が必要だが、そのあとは、接続方法を説明。
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↑青くLEDが明滅したら、本体を見つけられる。
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↑その後、Wi-FiのSSIDとパスワードを登録。5GHz帯と2.4GHz帯共通で利用される。
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↑これで接続と基本設定は完了。Wi-Fiでアクセスすればネットを楽しめる。

 このあと複数の「Deco」があれば、続けて本体を登録していくことになる。ひとまず設定を終了すると、すでにインターネット接続速度が表示され、Wi-Fiが利用できるようになっていた。無線LAN規格は11acに対応。また、5GHz帯と2.4GHz帯が利用できるが、SSIDは1つだけ。ルーター側が最適な通信を自動選択してくれるので、どちらに接続するべきかということを考えなくてよい。

 本製品はクアッドコアCPUを採用し、アンテナは4本内蔵。5GHz帯は最大867Mbps、2.4GHzは最大400Mbpsで利用でき、中継器と複数台接続していても1つのSSIDで利用できる。つまり本製品を各部屋に置き、アプリの本体登録作業さえ終えれば、あとは最初に設定したSSIDにWi-Fi接続するだけで、どの部屋に行っても常にベストな通信環境を生み出してくれることになる。

 接続しているデバイスは、アプリからすべて確認できる。名前は変更できるので、部屋の名前などわかりやすい名称にしておくと認識しやすい。ちなみにルーターモードで利用していると、トレンドマイクロのセキュリティー機能「アンチウイルス」と、Webフィルタリング機能「保護者による制限」を利用できる。アンチウイルス機能は悪意のあるコンテンツフィルターと侵入防止、感染したデバイスの隔離などが行なえ、3年間は無償で使える。最近はIoTデバイスにまで危険が及ぶ時代なので、セキュリティーソフトを導入できないデバイスに対しても有効な本機能は非常に助かる。

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↑接続しているデバイスは、1台ずつ認識され、それぞれ名前をつけられる。
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↑トレンドマイクロのセキュリティー機能。オン/オフの設定のみ。

 保護者による制限は、子供たちにアクセスしてほしくないサイトを遮断するもの。こちらはデバイスごとに設定可能で、「分類」で未就学児や小学生、中高校生、大人といった4段階の基本レベルと、それぞれさらに制限をかけるか否かを判断できるようになっている。「分類」で指定したコンテンツはWebサイトに対して有効で、スマホのアプリは「アプリ/Webサイト」のほうで登録しておくと、アプリは起動するが更新や送信はできなくなる。

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↑「保護者による制限」は、デバイスごとに設定をするもの。基本となる「分類」で学年を選ぶ。
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↑1日に利用できる時間と、就寝する時間(利用できない時間帯)の設定もできる。
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↑制限がかかっているサイトへアクセスすると、このように表示される。

 通信速度をSpeedtest.netで計測してみた。時間帯は速度の出やすい深夜2時過ぎ、デバイスはiPhone Xを使用し、5mほど離れた仕事部屋にて計測している。結果は下りが約250Mbps、上りが約350Mbps。下りがもう少し伸びてほしいところだが、速度的には十分だろう。アプリ内で計測できる速度は有線LANでの結果で、こちらは下りが約450Mbps、上りが約800Mbps。WANは余裕のある速度を確保できているので、動画コンテンツも余裕で視聴できるはずだ。

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↑Speedtest.netにて計測した結果。これだけ出れば十分だ。
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↑アプリ内での速度チェックは有線LANでの測定。上りはかなり出ている。

 今回は単品製品の紹介だったが、3台セットも用意されている。Wi-Fi環境が部屋によってばらつきが大きいと思っている人は、3台セットを買って部屋ごとにセットして利用するといいだろう。単品の実売価格は1万2000円前後、3台セットは実売価格3万円前後だ。ルーターとしてはちょっと特殊だが、セキュリティー機能が使えてこの価格ならコスパはかなりいい。今後拡張することも考えて、まずは1台導入して試してみるには単品購入もアリだ。とにかく設定が簡単なので、初心者には特にオススメできる製品と言える。

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↑3台セットのパッケージ。実売価格は3万円前後なので、単品1台ずつ購入するよりはオトク。

■関連サイト
『Deco M5』製品ページ

 

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