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ピザ味のカップヌードル 別にピザじゃなかった

2017年11月15日 18時30分更新

 ふざけてるのか? という見出しに思えるかもしれませんが、まあ、ちょっと待ってください。

 今回は日清食品の「カップヌードル チーズピザポテトマト味 ビッグ」を食べます。11月13日から全国で発売されており、価格は220円前後。

カップヌードル チーズピザポテトマト味 ビッグ

こういう仕事をやっていると、毎回「パッケージみたいにきれいに作れたらよいのに」と思います

 ピザをカップヌードル流にアレンジした製品、だそうです。バジルの香りとトマトの酸味が溶け込んだスープにチーズのコクをきかせることで、ピザのような味わいを表現しているとか。

 具材として、ポテト、チェダーチーズ風キューブのほか、ベーコン風味ビッツ、キャベツ、トマトを加え、見た目にもミックスピザを思わせる色鮮やかな仕上がりになっているとのこと。

チーズいっぱい入ってるなーと思いましたが、半分はポテトです

お湯を入れて3分。うん、ピザ……かな?

ピザのチーズの伸びをイメージして、かなーり麺を引っ張る筆者

 食べてみました。ピザじゃないです。

 ここで「おわり」などと書くと、読者のみなさん、日清食品のみなさん、60年ぶりのW杯の出場を逃したイタリア国民のみなさんからボコボコにされそうなので続けます。

 味の特徴は、なんといっても、トマトスープです。通常のカップヌードルとはだいぶ異なります。かすかにバジルの香りもして、実に欧風の味わい。具としてはホクホクした食感のポテトが際立っていますね。

 ポイントはチーズの存在です。というよりも、「ポイントはチーズの存在感のなさ」と書いたほうが正確でしょう。正直、それほど目立たない。だから、チーズをたくさん食べている感がない。

一応、麺を引き上げるとチーズが絡むのですが、それほど多くはない

 よってピザ感が薄い。ピザ生地とカップヌードルの麺は相当違いますし、そもそもピザは液状ではないわけですから、どう頑張ってもピザになりようがないといえばそうなのですが……もし、チーズがもっと多く入ってたら、感想もすこし変わっていたと思います。

 おいしいか、おいしくないかでいえば、おいしいです。トマト味で欧風に仕上げたカップヌードルと考えると完成度は高い。「うわっ、ピザそっくりなのかな!?」と思って食べると、キョトンとするかもしれないという話です。

 今回はピザ大好きの家電担当の盛田さん、グルメ担当のナベコさんにも食べてもらいました。

盛田さん。好きなピザはクアトロ・フォルマッジ

 盛田さん「ピザかって言われるとピザではない。トマトです。トマト味。そこにポテトとチーズがちょっと乗っかってくるという感じで、基本的にはカップヌードルトマトだ。チーズがもう少しあればピザになるのかしら。ジャンク感は強い。体によくないものを食べている感はあるぞ」

ナベコさん。好きなピザは「シーフード系ならなんでも」

 ナベコさん「わたしは好きです。カップヌードルのチリトマト味があるじゃないですか。あれと同じ路線だと考えればよくできてますよ。ポテトのホクホク感もうれしいな。ピザの再現を期待して食べるのではなくて、新しいカップヌードルと考えて食べたほうがよいです。強いていうなら『ポトフ味』みたいな感じ」

 本当の話かどうかはわかりませんが、こんなエピソードを聞いたことがあります。ある日本人が、アメリカ人のドラマーに心酔しました。来る日も来る日もドラムを叩き続け、あこがれの人とそっくりに叩けるようにと、練習を重ねました。

 そして運命のいたずら、本人の前でドラムを叩く機会に恵まれたのです。自分と同じようだと言ってもらえるように、日夜練習を重ねたドラミングを披露したところ、そのドラマーはこう叫んだそうです。「ワオ、すごいドラムだ! 俺とはまったく違う。とてもじゃないがこんな風には叩けない」と。

 とにかく似せようと思って、対象の再現に徹すると、かえって本人特有のオーラが出てきてしまうということがありますよね。有名なものまね芸人が、ものまねする対象よりも、個性的に見えることがあるように。

 カップヌードル チーズピザポテトマト味も、それに似たような雰囲気があります。ピザではありません。ピザに近いかと言われると、ちょっと苦しいものがあります。でもカップヌードルとしては、おいしい。それをどう評価するかはあなた次第です。


モーダル小嶋

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!

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