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フェイスドアレイレーダーによるリアルタイム降水観測をシミュレーションにデータ同化

ゲリラ豪雨に即対応、世界初の30秒更新10分後までの超高速降水予報

2017年07月04日 18時00分更新

10分後の降水分布予報の例

 情報通信研究機構(NICT)や理化学研究所(理研)などは7月4日、最新鋭気象レーダーを生かした「3D降水ナウキャスト手法」を開発。30秒ごとに更新する10分後までの降水予報のリアルタイム実証を開始した。

 気象レーダーが捉える降水パターンの動きを追跡し、将来もそのまま降水パターンが動くと予測する「降水ナウキャスト手法」が用いられているが、シミュレーションにかかる計算量は少ないものの予測精度は時間とともに急速に低下するという欠点がある。

10分後の降水分布予報と実況の比較。左は予報、右は予測した時刻の10分後の実況。降水分布がおおむね良く予測できている

 理研やNICT、首都大学東京、大阪大学などの国際共同研究グループは最新気象レーダーからのデータを用い、シミュレーションを走らせながらリアルタイムにデータを追加するデータ同化手法により高精度な予測するシステムを構築。世界初となる30秒更新、10分後までの降水予報のリアルタイム実証を開始した。

 降水予報は気象業務法に基づいて理研がインターネット上で可能な限り公開する。NICTや理研では、実証実験によって精度や配信方法、配信した情報の受け取り方などの検証を進め、現在スマホアプリ「3D降水ナウキャスト」で提供している10分後予測情報に活用することを検討している。

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