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イスにはお金をかけるべき!5万円台の高級チェアで仕事がはかどりまくる

2017年06月04日 13時45分更新

AKRacing

 筆者はフリーライターとして活動をはじめて2年ほどになるが、自宅での原稿書き、撮影からの現像などなどで、一日中ディスプレーの前に座りっぱなしということもざら。身体のことを考えると、ディスプレーも重要だが、ずっと座っている椅子にも配慮したいところだ。そこで今回は、AKRacingの『Pro-X ゲーミング・オフィスチェア(PRO-X-GREY)』を試用してみた。

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↑AKRacing『Pro-X ゲーミング・オフィスチェア(PRO-X-GREY)』。実売価格は5万3000円前後。

 実はこのシリーズ、発売されたときから超絶気になっていたのだ。レース車両などで使用されるバケットシートをモチーフにしたデザインが秀逸で、車好きな筆者にとってはとても魅力的。人気レースゲーム『グランツーリスモ』なんかも、こういうシートでプレイしたら楽しいだろうなーなんて思っていたものの、結局それなりに高価なので、「今使っている椅子が壊れたら考えよう」というレベルで止まっていた。

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↑箱はかなり大きく、持ち手がないので、階段を登るには一人より二人のほうが無難。

 さて、今回のレビューにあたり編集部から送られてきた製品だが、超巨大な箱に驚いた。箱のサイズは70×88.49×41cm、重量はなんと25kg。椅子のサイズから考えれば当たり前の話だが、作業場が自宅2階のため、一人で2階まで運ぶのに苦労した。

 開封すると、部品がぎっしりと詰まっている。マニュアルが同梱されているので、組み立てはそれに従えば大丈夫だ。組み立てに使う六角レンチが同梱しているため、別途工具などは必要なし。組み立て中に一番苦労したのは、座面と背もたれの連結だろうか。背もたれの4箇所のネジを外し、座面に備わっている金具にネジ止めするのだが、穴の位置を合わせつつネジを入れなければならないので、一人での作業だと少々時間がかかった。背もたれ側を少し上から押し込む感じでネジを仮止めしていくと、スムーズに進むかもしれない。

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↑箱を開けると、まず脚部分が。
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↑その下に座面と背もたれ、その他部品が収納されていた。
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↑中身をすべて取り出したところ。
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↑箱の中身。六角レンチ2本(サイズ違い)と綿手袋も同梱されていた。
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↑せっかくなので綿手袋をはめて作業。まずは背もたれのサイドにあるネジ4本を取り外し、座面側の金具に合わせて背もたれを取り付ける。
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上から背もたれを押す感じでねじ穴位置を調整し、とにかく仮止めすることが大事。

 座面と背もたれが連結されてしまえば、あとは付属品を取り付けていくのみ。座面底にロッキング機能のベースと、そこにガスシリンダーを装着。あとはキャスター部分を装着して立たせれば完成だ。ちょっと大変ではあるが、正味20分もあれば組みあがるだろう。

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↑ネジ止め連結したところを付属のカバーで隠す。ネジ止めは1箇所でカバーが歪まない程度に締め付けるのがいい。
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この部分は、しっかり止めても大丈夫。
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↑底面を見せるように置き、まずネジを4箇所外す。ネジの長さが違うので、外した場所を覚えておこう。
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そこへロッキング用のベースを取り付ける。
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↑取り付けたベース部分の穴に、ガスシリンダーを装着する。装着と言っても差し込むだけ。プラスチックのカバーを忘れずに。
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↑脚の部分にキャスターをはめ込んで、ガスシリンダー部分に装着。
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こちらもはめ込むだけでネジ止めは不要。これで組み立ては完成だ。

 製品にはヘッドレストとランバーサポートが付属しており、好みに応じて装着できる。ランバーサポートは、背もたれと座面の隙間から固定用ベルトを出し、背もたれ上部の穴からベルトを背面へ回して固定する。座り方に合わせて上下に調整が可能で、しっかりと腰椎をサポートしてくれる仕組みだ。ヘッドレストは背丈に合わせて、ベルトを背もたれの上から引っ掛けるか、背もたれの穴を利用して、付属のストッパーで固定できる。

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↑ランバーサポートは、下側は椅子の隙間に通し、上側は2つの穴から背面へ回しお互い連結する。ベルトは伸び縮みする。
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↑ヘッドレストは、付属のストッパーをベルトに通して、2つの穴を使って固定する。これ、マニュアル見てもやり方がわかりづらいが、おそらくコレが正解。

 さっそく完成した椅子に座ってみた。シート地にはポリウレタンレザーを採用しており、座ったときに感じる香りが新車のそれと同じで、クルマ好きの心をくすぐってくる。金属フレームで構成されているので、リクライニング機構を備えているがかなりしっかりした作りという印象だ。エルゴノミクス設計のデザインは、実際のバケットシートまではいかないものの、ゆったりと包まれる感じで、座り心地も上々。座面がほどよく張りがあり、体重を優しくしっかり受け止めてくれる。ふだん、お尻というか尾てい骨付近が痛くて、別途クッションを使っているのだが、その必要がないぐらいだ。ランバーサポートも合わせて使用すると、腰もつらくなく、いい姿勢でいられる。

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↑通常の状態と、リクライニングした状態。
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通常の状態だとランバーサポートが、リクライニングの状態だとヘッドレストが効いてくる。

 アームレストは上下と前後、3段階の角度調整ができ、左右は底面のネジを緩めて微調整ができる。リクライニングはクルマのシートと同様、右側のレバーを上げて調整する。最大180度まで倒れるので、ちょっと疲れたときに寝ちゃうこともできるだろう。その際、ヘッドレストはきもちいいが、ランバーサポートは逆に邪魔かもしれない。ただし、腰回りの筋肉を伸ばすぶんにはいいだろう。

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↑アームレストは、高さと前後の位置、角度を調整できる。
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左右への位置調整の際は、底面のネジを緩める。

 ロッキング機構は、背もたれを立てた状態だとかかりにくく、ある程度倒した状態で使う感じ。リクライニングしつつロッキングさせたときは、別売りのオットマンが欲しくなる。座面の高さ調整は高耐久性のガスシリンダーを使用しているので、ヘタれにくく安心して座れる。高さは6cmほど調整でき、最大荷重は150kgまで大丈夫だ。

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↑写真のレバーを手前に引くとロッキングでき、奥へ押すと固定される。高さ調整はレバーを上げる。
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ちなみにロッキングの柔らかさは、座面底のダイヤルを回すことで調整可能だ。

 使っていて気づいたのが、キャスターの静かさ。筆者宅はフローリングなのだが、動かしてもかなり静かに移動できる。リクライニングしたり、椅子を回したり、少し揺らしてもきしみ音がしない。安い椅子だと、ギシギシとしたりすることもあるが、そういう心配は無用だ。

 ひとつ注意点としては、椅子の横幅が65cmで、住宅環境によってはドアの幅ギリギリになりそうなところ。筆者宅はメーターモジュールなので、尺(約93cm)モジュールの住宅より数センチ広いのだが、それでもドアを通すときはギリギリだった。使用する部屋以外で組み立てるときは、そのあたりも事前にチェックしておいたほうがいいだろう。

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↑何も考えずに別室で組み立てたあと、仕事部屋に入れようとしたら、ドア幅ギリギリ。

 また、座面までの最低高が44cmほどあるため、背が高くない人だと床に足が完全につかない可能性もある。筆者も167cmしかないが、軽くかかとが浮く感じ。どんな椅子を買うときでも配慮しなければならない点だが、浮きすぎると逆に足が疲れてしまうので、購入前に一度確認することをオススメしたい。

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↑座面までの高さは、メーカーのサイトにきちんとサイズが書かれているのでチェックして考慮すべき。

 実売価格は5万3000円前後。重厚感のあるつくりと座り心地、リクライニング機構装備などを考えると、納得のお値段ではないだろうか。ゲーミングチェアなので、ゲーマーはもちろんだが、車好きにも超オススメ。さらに仕事で使うときの姿勢もよくなり、ゲームだけでなくPC作業の多いビジネス用途にもオススメしたい。使ってみて実感したのは、やはり仕事で使う椅子の座り心地は、とても重要だということ。なるべくいいものを使いたいものだ。

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↑子供たちも座り心地(寝心地?)に満足。デザインはかっこいいし、子供たちにも受けがいい。

■関連サイト
『AKRacing Pro-X ゲーミング・オフィスチェア』製品ページ

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